あらすじ
明快で痛快な「クラシック音楽の本質と粋」。
著者は、サントリー学芸賞・吉田秀和賞ほか受賞多数、NHK・Eテレ「スコラ」(坂本龍一の音楽番組)出演でも知られる京大教授・岡田暁生氏。岡田氏が、ベストセラー『西洋音楽史』と『音楽の聴き方』の粋をよりわかりやすく、より楽しめる1冊として入門者向けに仕立てました。かつ新しい視点も交えて従来の岡田ファンも充分満足する内容になっています。
「音楽史の流れ」「モーツァルトとベートーヴェンの違いについて」などの、ありがちな項目から「うんざりするほど長い音楽について」「ワケのわからない音楽について」など、この手の本にはなかった項目まで、40のキーワードを駆使して「クラシック音楽の本質と粋」が解説されています。全編320ページのボリュームで書かれたクラシック音楽の本が、一度読み始めるととまらない極上のエンタテインメントとなっています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
クラシック、特にオケ曲関係の記事が、詳しく、読みやすく、そして、とても面白く書かれている。冒頭から、いかに、一般の方との距離感を自覚できていないかに気付かされる。なんで一つの曲なのに四つも曲(楽章のこと)があるのかとか、作曲者、曲目、演奏者(演奏団体、指揮者、録音年)など、さまざまなパラメータがあって一つ違えば別物だし、それぞれの名称がどのパラメータになるのか知っておく必要がある。自分が初心者だったころにもそんなこと思ったなとか、また、以前、出演したコンサートを聴きに来てくれた知人に「演奏後、指揮者が何度も出たり入ったりするの、なんで?」とあとから聞かれたことを思い出した。
Posted by ブクログ
モーツァルトとベートーヴェンの違い、交響曲とオペラの音楽としての違いが納得できました。
そして自分自身がなぜベートヴェンの曲を好きなのかも腑に落ちました。
そしてドイツ音楽の本質の部分も。
匿名
読みやすい
『社会思想としてのクラシック音楽』という別の著者の本と並行読みしていました。クラシックの作曲家と作品を、その背景から解き明かそうとする点で共通しており、共通する話題(問題)も見られました。あちらが格調高い文体なのに対して本書は1話読み切りといった分量で、またくつろいだ言葉遣いでストレスなく読めました。
Posted by ブクログ
滋味豊かな文章に没入して読めた。時代背景を押さえながら作曲家の特徴を絶妙に描き出す腕前は感服したが、クラシックの圧倒的な鑑賞体験に対して、ポピュラー音楽はあまり聴かないようで、才人が続出している現況をあまり知らないようである。とはいえ、クラシックの内部事情を類別して特徴付ける手際は本物だ。クラシックをそれなりに聴いてきた人なら、興味深い内容であろう。
Posted by ブクログ
振り返りには良かったかも。初心者向けの部分から独断と偏見に近いような部分まで、こういう考えもあるのかと思いながら読みました。私もバッハとベートーベンが特に好きです。先日、サントリーホールでサイモン・ラトル指揮、ロンドン交響楽団のマーラー9番を聴きましたが、大ホール全体が息を飲んで静まり返っている中、とんでもないアホバカの客が最終音が消えると同時に拍手を始めて、コンサートの全てをぶち壊してくれました。こういうクソ野郎を死刑にしろと書いて欲しいです。