岡田暁生のレビュー一覧

  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    文章は学術的な感じが強いので、少し難しいところもありますが、クラシック音楽の歴史の流れをこれだけわかりやすく解説した本は、なかなかないと思います。
    もともとクラシックについて、それほど知っていたわけではないですが、知らなかった話が多く書かれていて、興味深く読むことができました。

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    2021年09月23日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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     「音楽」以前の中世の音楽からフランドル学派、バロック、ウィーン古典派、ロマン派、20世紀から現代へと続く歴史の流れを、著者の見解を交えて解説するもの。「単に音楽史上の重要な人物名や作品や用語などを、時代順に洩れなく列挙したりすることは、私の意図するところではない」(p.ii)とあるように、あくまでどういうストーリーの中にどういう音楽が生まれたのかという視点で解説されている。
     この夏、ちょっと新しい趣味を始めようと思って、音楽をちゃんと勉強しようとしているところで読んだ。と言っても、自分はクラシック音楽のファンでもなければ指揮者とかも知らないし、楽譜もほとんど読めない初心者なので、ちょっと難

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    2021年08月15日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    名曲ガイドや巨匠紹介のような類の本ではなく、時代背景に即して西洋音楽史を概観していくような内容。非常に流れがはっきりとしているので、一気に読み進められた。ただ、芸術史や文化史を読む上では当然ながら、頭に西洋史の知識や作曲家の名前が入っていないとさすがに読んでいくのに若干厳しいものがある。

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    2020年03月04日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    「音楽を言葉にすることを躊躇しない」。著者のこの言葉の後押しされて、「音楽を語る語彙」を模索したい。

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    2019年05月24日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    バッハがなぜ音楽の父と呼ばれるのか。
    ベートーベンやモーツアルト、ハイドンの曲はなんで音楽の時間でかなりの時間を費やして学んだのか。
    読後、ちょっとだけ分かった気がした。

    音楽は個々の曲や作曲家について興味をもつことはあれど、音楽の歴史そのものを時系列で学ぶことはなかったので、とても分かりやすく頭にすっと入ってきた。

    こういう授業をうけていたら、高校時代くらいからもう少しクラシック音楽に興味をもっていたのかなあ…となんとなく感じた。

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    2019年05月15日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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     中世音楽に始まり、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、そして世紀末と戦争の時代を経て現代の音楽につながる西洋音楽の歴史を一望する本です。

     本書を読めば、西洋音楽の歴史は宗教のための音楽から、貴族の音楽、ブルジョアの音楽、大衆の音楽へと変化・多様化する過程でもあることがよく分かります。

     いわゆるクラシック音楽とは西洋音楽のうちバロック後期から20世紀初頭までの200年間に作られた音楽をいう、そして、芸術音楽とは芸術として意図され、紙の上で楽譜という設計図を組み立てて作られた音楽である、といった著者の整理は分かりやすいです。

     この本は読者に対して、西洋音楽の成り立ちと奥行きを明快

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    2018年09月09日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

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    音楽学者の岡田暁生氏が音楽史についてまとめたもの。本書では中世、ルネサンス、バロックから、第一次世界大戦以後の現代までを、いわゆるクラシック音楽と呼ばれるものに限定されていますが、互いに接続しながら解説しています。それぞれが独立して存在しているわけではなく、どのように発展、もしくは衰退していったかが解説されており、単純に作曲家や曲を羅列した本とは異なります。またそれぞれの時代の社会情勢や風俗などとも関連付けていて面白いです。

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    2018年08月22日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    音楽学者の岡田暁生氏が音楽の嗜み方についてまとめたもの。なお、本書で取り扱う音楽は主にクラシック音楽と呼ばれるものに限定されています。本書の中では「聴くこと」は「語ること」であり、「語る」ためには、当然ですが多くの言葉を自分の中にストックしておく必要があるとしています。これは音楽に限らず、いろいろなモノに応用できる考えだと思います。参考文献も多く紹介されており、本書を出発点として、色々な言葉を蓄積していくのも面白いかと。その際には実際に演奏してみる事も忘れずに。

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    2018年08月03日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    音楽学者の岡田暁生氏が17世紀から19世紀にかけてのオペラの歴史をまとめたもの。いわゆる有名作品の見どころや内容解説、有名な作曲家紹介ありきのオペラ史ではなく、オペラ劇場という「場」の歴史を辿ることに主眼が置かれており、当時の社会情勢や風俗などを絡めてオペラ史やオペラ作品の成り立ちが解説がされており、とても面白く読めました。モーツァルトの先見性と良くも悪くもワーグナーの影響力の大きさを再確認しました。音楽史の本ですが、広くヨーロッパ史などに興味がある人にもおすすめ出来ます。

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    2018年07月18日
  • クラシック音楽とは何か

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    滋味豊かな文章に没入して読めた。時代背景を押さえながら作曲家の特徴を絶妙に描き出す腕前は感服したが、クラシックの圧倒的な鑑賞体験に対して、ポピュラー音楽はあまり聴かないようで、才人が続出している現況をあまり知らないようである。とはいえ、クラシックの内部事情を類別して特徴付ける手際は本物だ。クラシックをそれなりに聴いてきた人なら、興味深い内容であろう。

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    2017年12月24日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    サプリメントのような音楽の消費のあり方を批判し、音楽の感動は言葉を超えるという信仰がどのような歴史的経緯で作られてきたのかということを検討した上で、あるべき音楽の聴き方とは何かを論じている本です。

    とくにクラシック音楽については、鑑賞するためにも歴史や文法、意味を踏まえる必要があるという言い方がよくなされますが、著者はそれらの重要性を押さえながらも、アマチュアとしての聴衆の復権を主張し、「自分自身はひどい謡しか出来ないにもかかわらず、師匠の舞台のちょっとした不調もすぐに見抜く旦那衆こそ、理想の聴衆ではないか」と述べています。

    音楽に関する受容理論について考えるためのヒントが多く散りばめられ

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    2016年02月08日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    久しぶりに、東京に行きました。不況なのでしょうか。地下鉄の広告スペースが埋まっていません。商売している人は大変でしょうね。八重洲ブックセンターで購入する。非常に興味深い本でした。音楽は評論可能なのか。究極は好き嫌いではないのか。著者も同様の指摘をしています。と同時に、評論の可能性も指摘しています。オーケストラのリハーサルのビデオを見ると、そのヒントがあります。指揮者は自分のイメージを実現するために、具体的な指示を繰り返します。これは当然です。具体的な指示でなければ、オーケストラのメンバーはわかりません。指揮者は、言葉により、自らの意図を伝えています。つまり、その意図は言葉で表現できるはずです。

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    2013年09月17日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    オペラの歴史、これからを書いた極めて良質、簡潔なオペラ論。バロックオペラに始まり、モーツアルト・ロッシーニのオペラの笑いの違い、フランス・グランド・オペラ、そしてヴェルディがムッソリーニに、ワーグナーがヒトラーに利用されることになった国民オペラの幻想!オペラのライバルとなった映画の影響、2つの大戦を経て、ロマンを求めるオペラが時代遅れとなり、ニヒルな方向にならざるをえず、変質していかざるをえなかった歴史。この結果、オペラは19世紀を象徴する文化になったが、今後はどうなるのか?欧州そして世界の文化論でもあります。

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    2013年08月26日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    『西洋音楽史』ほど読みやすくはないがクラシック音楽を「聴く」「語る」ことについて、様々なエピソードを交えて解説している。
    例えば指揮者の語る「わざ言語」。
    フリッチャイが「モルダウ」(狩りの音楽)の指揮をするとき「ここではもっと喜びを爆発させて、ただし狩人ではなく猟犬の歓喜を」と指示をしているが、これはスメタナの音楽が猟犬の歓びを表現している、という意味ではない。4本のホルンがひとかたまりになって溶け合うことなく、それぞれが独立して四方から呼びかわし、こだまするような効果を表す。すなわち「猟犬」という言葉が音楽構造の比喩として機能している。

    アイデアをセミコロン(;)で繋いだモーツアルトと「

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    2012年12月10日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    音楽の聴き方、というタイトルではあるが、音楽以外のものに対する批評の心構えとしても読める。

    筆者は他の芸術との違いを、音楽が音の振動であり、その場でしかとらえられないところとしている。音楽はある種社会の共同体のルールがあり、場が作り出すものである。それは一種の言語であり、無条件で「音楽は国境を越える」ということはあり得ないと主張。越えるのは単なるサウンドであると。また、音楽は自らして、語るものであり、きく、する、語る、が分業制になってしまっているのは、本当の意味での音楽ではないとも。

    全体の流れのなかでこういう文言が出てくるので、一部抜き取ると極端だが、要は音楽は語ってこそ面白いし、語るた

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    2012年11月09日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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     すぐれた音楽批評作品に贈られる第19回吉田秀和賞を受賞した、岡田暁
    生著「音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉」(中公新書 2009)を読ん
    で、思わず、う~んと唸ってしまった。待望していた、なるほど書物である。
    私が日頃から考えている事・思っている事に形と言葉を与えてくれる、こう
    いう書物は、いくらでも読み続けていくことができる麻薬的な味わいをもって
    いて、甘美さも兼ね備えたお気に入りの銘酒みたいなものか。

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    2011年11月24日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    「オペラ」という空間が、それぞれの時代の人たちによってどういう使われ方をしていたか、どういう場だったかについて焦点をあてている本。したがって作品集ではなく、逆にオペラを知らない私のような人間でも楽しく読み進めることが出来た。

    「オペラ」、あるいは舞台・演劇の類は、舞台の前面に客席があって、俳優と観客が向かい合う…という構図をイメージしがちだが、初期のオペラには実はそういうものはなく、側面のボックス席こそが貴賓席であったという。つまり、貴族にとってはオペラは鑑賞するものでなく、社交の場であったということらしい。

    こういう視座というのは、「当時の人が実際にどう使っていたか」を理解しないと得

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    2011年07月27日
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    オペラ―この総合芸術は特定の時代、地域、社会階層、そしてそれらが醸し出す特有の雰囲気ときわめて密接に結びついている。
    オペラはどのように勃興し、隆盛をきわめ、そして衰退したのか。
    それを解く鍵は、貴族社会の残照と市民社会の熱気とが奇跡的に融合していた十九世紀の劇場という「場」にある。
    本書は、あまたの作品と、その上演・受容形態をとりあげながら「オペラ的な場」の興亡をたどる野心的な試みである。

    [ 目次 ]
    第1章 バロック・オペラへの一瞥、または、オペラを見る前に
    第2章 モーツァルトと音楽喜劇、または、オペラの近代ここに始まる
    第3章 グランド・オペラ、または、ブルジョアたち

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    2011年04月04日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    音楽をより楽しむ方法論として手に取った

    アドバイスだけであれば、あとがきの「聴き上手へのマニュアル」で十分
    それでも文献や哲学、時代背景からの音楽の聴かれ方、語られ方を読んだほうが、「文脈の中で解釈する」「文脈など関係なしに感動する名作もある」ということが分かる

    より深く音楽を楽しみたい方法を知りたい方に向く

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    2011年03月09日
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

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    普段僕たちは、テレビや、ラジオや、喫茶店や、いろいろなところで音楽に触れている。しかしそうした音楽の目的は、その音楽について考えたり、語ったりすることではない。ただ音楽によって得られる感情を提供することが目的になっている。そこでの音楽は、ある種のサプリメントとしての役割しかない。
    しかし筆者は、そのような受動的な聞き方だけでは不十分であり、音楽を言葉にする、という能動的な聞き方が必要であるという。
    たしかに音楽を言葉で説明し尽くすのは不可能かもしれない。しかし、音楽を言葉にしようという努力を放棄してしまっては、単なる動物と同じになってしまう。
    人として音楽をより深く理解し、より深い喜びを得るた

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    2011年03月08日