里見蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
<古書カフェすみれ屋>シリーズ第二作。
『紙野君がお客様に本を薦めるとき、なにかが起こる』
カフェに来た客の悩みを聞いた紙野が本を薦めるという形で事の真相を教えるという変則的ななぞ解きものになっているのだが、このシリーズが単なるなぞ解きではないのがその先。
真相に気付いた当人が自分でその先の一歩に向けて解決策を導き出し動く。それこそが紙野の狙いなのだろう。
人の心も性格も千差万別。同じ本でも受け止め方は人によって違うように、同じ真相でもその先の一歩が違えばその先の道も分かれていく。何が間違いで何が正しいかではなくて、その人それぞれの生き方を自身で納得した上で選んで進んで行ってねというメッセ -
Posted by ブクログ
絶品メニューと名著が味わえる日常ミステリーの第3弾。
深く追求しなければ、「こんな事もあった」だけで終わってしまいそうな出来事。
だけどそのままだとお互いが納得いかずに関係性も悪くなってしまう…という日常の謎に本を紹介し、読んでもらって解決する。
その古書担当の紙野君が紹介する本に凄さを感じる。
なぜ、その本⁇なのか…
今回4冊とも読んだことのない本なので内容がわからなかったことに関係するのかも…⁇と思ったが、
やはり最後まで完璧に予想はできなかった。
「シェアハウスのランチ部事件」は、アッパレとしかいいようがなかった。
この中で勧めていたカーポティ短篇集「銀の酒瓶」は読んでみたいと思 -
Posted by ブクログ
読み進めるうちにだんだんとハマっていく。。
なにしろ古書店カフェのオーナーすみれさんが作るランチとビストロ、バルは、凄く凝ってるうえにおしゃれで美味しそうで、近くにあれば通うの間違いないと思わせる。
それだけでなく聞き上手というか、人の心をほどかせる何かをもっている。
それを上回るのは、古書店主の紙野君。
一見、クールに見えてなかなか人の気持ちを汲み取るのが上手い人だとわかる。
悩める人に勧める一冊の本は、まるで魔法か…と思うくらい完全に心を動かす本、その人のベストな一冊なのだから…
5話あるが、お勧めの本はすべて名著である。
「にんじん」と「料理歳時記」をもう一度読みたいと思った。