あらすじ
見知らぬ赤ん坊(タカヤ)を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥(まあくん)が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰……迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する! 胸に染みる、痛快青春ミステリー。(解説・北上次郎)
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主人公の雅祥(まさあき)はひきこもり。彼の心の闇はいつまでも解決できないのでは、と読み始めたら誰もが思うことだろう。
ましてや冒頭で父親が亡くなってしまうので本当に大丈夫か、と思う。
でもなにくそと、緒方さんに叱咤激励を受けながら、父のいとこ「しーちゃん」に助けてもらいながら、見知らぬ赤ちゃん「タカヤ」と暮らし始める。
雅祥がページをめくるごとに立ち直っていく姿、そしてしーちゃんや父親、そして緒方さんやタカヤに秘められた謎が徐々に明かされる。結末を目にするとき、思わずうるっときました。
まあくん、これからもがんばってね!
里見氏の圧倒的な取材力と描写、これからが楽しみな作家さんです。
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久しぶりの再読
緒方さんが母親、タカヤがしーちゃんの子 というのは覚えていたもののその間の話がすっぽり抜けていたのでミスリードに踊らされ、後半の続きが気になる……!となる勢いがすごい。
昔読んだ時よりもまあくんの逃げ腰な部分に色々感じるようになったことに自分の変化も感じつつ、でも最後にはこの子は大丈夫そうだな と思える成長物語としてもとてもよかった。大好きな小説のひとつです。
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父が預かってきた赤ちゃんを引きこもりの男の人がてんやわんやしながらも頑張って育てる!
そんな愛情物語かと思ったらミステリーでした!
合間合間に出てくる主人公とは接点なさそうな人たちはどうお話に絡んでくるんだろうと思っていたら、、終盤でびっくり!!
でも私の理解能力が低いからか、本を読み終わっても全てが繋がった!とはならず、メモに書き出してやっと頭の中で時系列や相関図を整理出来ました
また読み返したい!
運命に動かされたんじゃなくて、自分の意思が運命を変えた
っていう考え方が素敵だなと思いました
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母亡き後引き籠もる事四年の二十一歳雅祥が父の急死により急遽託された赤ん坊の育児。不妊症夫婦や産婦人科医や中学生の妊婦を挟みつつ、従姉に助けられ民生委員女性に叱られる。現実の養子縁組制度のうねりが説明だけで圧巻。タカヤの愛くるしさに絆される雅祥の育児パートがとてもすき。結末は胸が控え目ながら破れそう。
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内容(「BOOK」データベースより)
僕の自殺未遂。母の死。失われた“あの日”の記憶。ひきこもり続けて、もう四年。父が、家に傍若無人な赤ん坊を連れてきて、僕の生活は、無茶苦茶になった。でも、生きる目的は復活。
漫画チックな表紙で少しひるみながらも、あらすじがどうにも気になって購入。
所謂ニートが、見知らぬ赤ちゃんを世話する事によって次第に上向きになって行く話ですが、母親は死別で、父親も序盤で無くなる為結構かわいそう。21歳時分で同じ境遇になったら絶望ですね。
成長小説、叙述ミステリーが混ざっているので結構盛り沢山なんですが、それを感じさない纏まりが有って、物語としてとても面白かったです。この手の本は読みやすいようにおちゃらけが有る事が多いですが、ライトな読み口に関わらず重い内容でおちゃらける事無く書き進めていてとても好印象でした。
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想定外の掘り出し物。家にも帰らず、喫茶店に寄って久々の一気読み。ミステリとしても、心温まるエンタメ小説としても楽しまさせていただきました。都合のいい部分はあるが、それでもいい。
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夏の文庫フェアで見かけて買ったやつ。まぁくんダメダメすぎてちょっとイライラしたけど、ちゃんと成長してて良かった。赤ん坊の表現が多彩すぎる!笑 あ~そういう問題に持ってくのね…ってオチ。 不妊のツラさ、出産の大変さも描写されてたので、読みごたえがあった。
章ごとに語り手が違って、理解するまでに時間がかかった。
お前が言うな!みたいな発言の人もいたけど、まぁくんが上手く返してたので良し。
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すごく面白かった。
独特な言い回しが多用されているが、鬱陶しくない演出。
人物相関が少しこんがらがってしまい、もう一回読まなきゃだめだなーと感じてる。
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あかちゃんの面倒をみるって大変!ってことじゃなく、引きこもりの青年があかちゃんを育てることでしだいに… なんてありきたりの話でもない。それ込みのミステリーなんですね。終盤、えーっ!そっち?って思いましたよ(笑)
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複雑な家族関係で紡がれるミステリー。最後は急ぎ足で伏線を回収しているので、ややわかりにくい部分も。
ただ再読すれば意味がわかってくる。
産まれた来た子にはなんの罪もない。純粋無垢なタカヤの描写は、思わず微笑みながら読んでしまった。
ミステリーとしてはなかなか。「親孝行したくなる!」という帯は過剰だと思うが、家族のあり方を考えさせられた。不妊治療や出産の苦痛や苦悩など、学べるところも多かった。
人におすすめしたくなる一冊。
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赤ちゃんとその子を育てるハメになった主人公の成長物語かと思ったが、それだけではなく、本格ミステリーとしても完成度の高さ。
よくある書き方ではあるが、身構えずに読んだので、びっくりの展開。
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まず惹かれたのが、赤ん坊とひきこもりというミスマッチ。
感想から言うと。
面白かったです。
で、ちょっともらい泣き。
でも内容紹介にあるような「痛快青春ミステリー」ではない様な。
少なくとも私のイメージとは違いました。
「赤ん坊タカヤの母親はどうした?」という謎(?)はありますが、
どちらかというと、雅祥の成長物語。
まぁ、作者の思惑にまんまと引っ掛かりましたけど。
(これ以上はネタバレになるので言えません。くっ、くるしい・・・。)
冒頭で母親が病死した後、高校も中退して引きこもりに突入。
裕福で理解のある父親の庇護の元、
ぬるま湯の中で過ごした時間のツケを払わされるかのように、
雅祥につぎつぎと難問が降りかかる訳です。
赤ん坊は雅祥の都合なんか考慮してくれません。
おちおち引きこもりもしていられなくなり・・・、という話。
「いろいろ極端なんじゃないの、雅祥くん。」とか、
「そんなにうまいことひきこもりってなんとかなるものなの?」とか。
ツッコミどころが無きにしも非ずですが。
Posted by ブクログ
見知らぬベイビーを連れてきた父親が突然死
母はすでに死去
母の死後引きこもり歴4年の男子が、自分も泣きながら育児と家事に追われる
ストーリー紹介と装画からは、全く期待しない展開も楽しめました
湊さんの「花の鎖」ならぬ「ベイビーの鎖」といったミステリーが仕込まれています
花の鎖読んでなかったら、何の繋がりかって思いそうな展開でした
7か月の赤ちゃんの育児問題にはツッコミたいところはあるにしても 出産育児の世代ごと状況ごとの悩みを上手く入れていて面白く読みました
Posted by ブクログ
母親を亡くしひきこもりになった21歳の主人公。その後父親が知人の赤ちゃんを預かり、突然死。ひとりで育児をすることに。
ひきこもり青年の子育てストーリーだと思って読み始めたら、主人公のストーリーの間にはさまれる挿話に、なんだろう?と思いだし、最後は想像もしなかった展開にびっくりして終わりました。
ミステリーだったんですね
Posted by ブクログ
なんて悲しい始まり方。まーくんに次々不幸が・・・と同情してたけど、読み進むうちに、なんだそっち系?と怒りというのかがっかり感というのか憤懣やるかたない思いがこみ上げる。
こういうの勘弁して。
七美は「ななみ」って読むのにな。しちみちゃんならわかるけど。
タカヤが病院にかかるとき、保険証はどうしたんだろうな?
疑問が残る。
Posted by ブクログ
すごく面白かったけど、途中からこれは誰の話しだっけ?と混乱してしまった。
もう一度ゆっくり時間をかけて整理しながら読んでみたい。
まあくんとタカヤの成長と絆が愛しかった。
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引きこもりのまーくんがタカヤを育てるうちに、彼の成長を感じされられた。
登場人物と時間の捻れに混乱することもあったが、発見も多くて楽しく読めたと思う。
(すこし首をひねる疑問に思う部分も多かったが)
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進むにつれて疑問が解決するかと思いきや、いろいろミスリードもあり、最後まで注意して読まないといけない感じはあったけど、内容はなかなか興味深かったです。
なんつーか、やっぱ子供産むのも育てるのも大変なんだよ、ほんと。
2016.9.21
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親との死別、出生の秘密、ひきこもりなど暗い要素満載ながら希望を持てるハートフルストーリー。赤ん坊の可愛さと怖さもそれなりにリアリティがありますね。遥か昔、親になった頃を思い出します。
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引きこもり中の21才の雅隆。そこに父親が突然赤ん坊を連れてきた。
突然混じってきた赤ん坊にイライラしたり怖いと思ったり、彼の平穏が崩される。
そんな中、彼の父親が突然死し、引きこもり状態で赤ん坊を抱えて途方にくれるはめに。
赤ん坊の親が誰なのかもわからず、父が借金の連帯保証人にもなっていたり、大変な事に。
民生委員の緒方さんから引きこもりの主人公に
居心地の良い逃げ場所から抜け出すいいチャンスじゃないと言われたり、大災害のように泣き出す赤ん坊の世話に追われたり大変な目にあいながら徐々に社会復帰していく。
特別養子縁組に結びつけたミステリー。
子供の利益を守るという目的で制定されたこの制度、それまでは普通養子縁組という、相続や立場上不利になりやすい位置付けでしかないものしかなかった。(平成25年に法律が変わって、非嫡子も実子と同じ法定相続配分になったけど)
それと不妊に悩む夫婦にフォーカスを当てた事件だなと思う。
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引きこもりのニートが、ひょんなことから赤ちゃんを育てるハメに。しかし、それがきっかけで徐々に自立していくストーリー。人情ものかと思いきや、ミステリーの要素が強く、個人的にはいまいち入り込めなかった。
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引きこもりのニート青年が孤軍奮闘物語。
本屋さんでの一押しだったため購入。
こういうの好きな方はとことん好きだと思われる。視点が章ごとに別人に代わり、ぼーっと読んでいるとこいつは誰だ、と何度もなってページを前に戻る。伏線はいろんなところにちりばめられていて一通り回収されるかんじ。
個人的には登場人物がどうしても好きになれず読みづらかったけれども、時間があればもう一度チャレンジしたい。
Posted by ブクログ
色々な人の視点で描かれていて始めは少し混乱してしまったけどラストに向かってどんどん繋がっていく感じが気持ちよかった。ところどころえ、本当に?みたいに感じる部分もあったけど最後まで展開を気にしながら楽しく読めたかな。
Posted by ブクログ
引きこもり青年が、いきなり赤ちゃんを任されることになるという衝撃的なストーリー。
様々な登場人物が主人公の青年に絡んできて話が複雑だが、ミルクだおむつだ泣き止まないだってところが、我が子の赤ちゃんの頃を懐かしく思う。赤ちゃん独特の温もりと香りと柔らかさ。初めて言葉を発したときの嬉しさ。そんな諸々を思い出しながら、寝顔をのぞきにいきました。
Posted by ブクログ
登場人物が入り組んでいるが
目線がぶれてないので読みやすかった
あかんぼタクヤが主人公かも
ひきこもりとか死とか破産とか中絶とかたくさん問題を巻き込みながら話は展開していく
《 子は育つ さよならベイビー 大丈夫 》
Posted by ブクログ
引きこもりが誰のかわからない赤ちゃんを育てる話。母の亡くなるシーンから始まり、その辺におきた出来事で自殺未遂、引きこもり開始、父と2人で生活していたが父が突然知り合いから預かった、と子供をつれてくる。数日後父が不慮の事故でなくなってしまい、育てざるをえなくなり……最終的にはお別れ。間間に別の視点、時間軸の話が挟まる。不妊に悩む女性と、シングルマザーとして生き抜く女性と……結局全部が絡んで話は終わるんだけど、絡まる場所が予想と違っておおう……ってなってよかった。でも途中で莫大な借金がーって出てきたところはちょっと意味不明だった。人を簡単に信用するなよっていう教訓をそれっぽく無理矢理お話に突っ込みたかったのかな?って感じ。主人公を成長させるために~といえばその通りかもしれんが、やっぱなくても良かっただろというか無理矢理感。さくさく読めたしこことここが繋がってこうでーとか考えながら楽しめたし面白かった。文の表現というかさくさく読めるフランクな感じかつそのなかに無理くりそれっぽい表現混ぜてくスタイルがじゃっかんラノベっぽいと思ったら作者の経歴で納得した。あとこれだけ入り組んだ内容だったしせっかくだから巻末の解説もうちょっと頑張って欲しかった。