里見蘭のレビュー一覧

  • 人質の法廷

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    荒川河川敷での女子中学生連続死体遺棄事件。死体には強制性交と、漂白剤による遺伝子損壊による証拠隠滅の跡あり。
    逮捕された容疑者は、警察・検事の恫喝・脅迫により自白を強要。
    過去にトラウマを抱える正義感溢れる女性弁護士。性格の悪そうなベテラン検事と部下の爛漫さを出す女性検事。
    冤罪を信じて戦う主人公と、批判的な目線で眺める先輩弁護士。
    もうどこまでも、これまでに千度なぞられたリーガルものでしかなく、ラストまでストーリーに驚きはない。

    それが何だと、冤罪リーガルもののど真ん中を、すさまじい、勉強に基づく知識と、圧倒的筆致で、猛然と駆け抜ける一冊ではないか。
    600ページ2段組と、ベストセラーコー

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    2025年11月15日
  • 人質の法廷

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    ネタバレ

    ものすごい熱量を感じるし、丁寧に取材を重ねて書かれたであろうことが伝わる。
    スッキリ勝利!みたいな結末でないことも、リアリティを感じた。
    何より、夢中で読み進めてしまう面白さ。

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    2025年10月20日
  • 人質の法廷

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    「人質の法廷」(里見蘭)を読んだ。

    《いや、もうね、こいつとこいつとこいつとできればこいつにぎゃふんと言わせてやってくれ。》
    てなくらいのめり込んでしまったよ。
    (って、そういうレベルの低い話ではないんだけどね)

    日本の司法制度の問題点矛盾点に鋭く斬り込む力作。
    (なにしろ二段組599頁だぜ)

    ちょっとグロテスクな章もあるんだけど。
    ギッチリと詰め込まれた物語は読者の心を掴んで離さない。
    見事!

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    2025年07月21日
  • 人質の法廷

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    ネタバレ

    600ページ、2段組の超長編。読み出したら止められない、まるで映画を見ているような感じがしてきて、ハラハラ、ドキドキ、文字通り、夢中になって読んだ。

    駆け出し弁護士の志鶴が、女子中学生2人を殺害遺棄した罪で逮捕された、増山の弁護を引き受けたことで話が始まる。任意の聴取、脅されて、意に反した調書に署名してしまってからの逮捕、取り調べ、勾留、裁判‥。一連の流れがわかりやすく解説されつつ、一年目とは思えない、志鶴のエネルギッシュな弁護活動が展開されていく。
    ソリの合わない先輩弁護士の田口、インターン先での恩師、都築弁護士と協力しながら、地道な調査を続け、なんと真犯人に繋がる情報もゲットする。公判で

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    2025年06月15日
  • 人質の法廷

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    ものすごい超大作を読んでしまった…
    実際にあった冤罪事件が物語の中にも出てきて、本当にリアルで恐ろしく感じた。
    どうやって冤罪事件が起こるのか、こんなにも分かりやすく描かれた作品を初めて読んだ気がする。
    こんなの誰でも被害者になり得るのでは…?
    いつもの日常を送っていただけなのに、いきなり身に覚えのない犯罪の犯人に仕立てあげられていく恐怖。
    長時間に及ぶ違法な取り調べに耐えきれず、やってもいない事件を自白強要させられる恐怖。
    とにかく恐怖しかない。
    言葉巧みに犯人に仕立てあげていく検察と警察…一体何を信じればいいのか…正義ってどこにあるんだろう。
    弁護士によっても考え方が全然違うのだなぁと感じ

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    2025年06月08日
  • 人質の法廷

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    駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、当番弁護の要請が入り、荒川河川敷で起こった女子中学生連続殺人死体遺棄事件の容疑者の弁護人となり、田口や都築と共に無罪を勝ちとるべく闘う。

    600ページ(上下段)の長編ではあったが、時間を忘れて没頭するほどの内容だった。
    刑事弁護人の苦悩と矜持をリアルに描いている。
    警察官、検察官、裁判長がグルになって弁護士を潰しにかかっているのでは…とすら思えてくる。
    こうやって冤罪は作られるのか…というのを目の当たりにした感じである。
    99.9パーセントの起訴有罪率は現実なのか…というより、当然の如くして有罪に持っていこうと虚偽、捏造しているではないかと。
    犯罪被害者のた

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    2025年06月03日
  • 人質の法廷

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    とても長い。読み応えありました。
    5章だったか、犯人の女子中学生殺害の描写が、これでもかと細かに描かれて胸が悪くなりました。

    冤罪とはこんなふうに作られていくんだなぁと。
    被疑者がキモいおっさんだったから、余計に犯人に仕立て上げられやすいのか。
    なんの落ち度もないのに、性癖やら暴露されて可哀想でした。

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    2025年05月28日
  • 人質の法廷

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    『人質司法』という言葉を聞いたことがあるだろうか。
    被疑者・被告人を長期間勾留することで自白を強いる日本の刑事司法は「人質司法」と呼ばれ国際的にも批判されている。
    人権侵害とみなされるような人質司法がなぜいまだにまかり通っているのか。警察・検察・裁判所の関係性、公正でない鑑識など問題だらけの司法制度にメスを入れる。

    2段組600頁の大ボリューム。法律用語が多く出てくるけどエンタメ要素も盛り込まれておりぐいぐい読める。そして何よりストーリーが面白い!弱みにつけこんだ執拗な取り調べから逃れるためにやっていない罪を自白させられてしまった男性の運命はいかに。初めから終わりまで圧倒的な密度で書かれてい

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    2025年05月09日
  • 古書カフェすみれ屋と本のソムリエ

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    面白かった〜!!
    私も紙野くんに本をおすすめされたーい!
    本で人生が変わるってあると思ってるから、そんな一冊に出会えたらいいなって思いながら読んでる
    古書店の話かと思ってよんだら結構ご飯のお話も出てきて飯テロくらいながら読めた〜
    続きも読みます〜

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    2025年02月20日
  • 人質の法廷

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    辞書並みの厚さに慄いたが、圧倒的没入感
    目の前で論戦が展開される。
    被害者の中学生2人の家庭の対比が貧富の差で表されており、最後のそれぞれの母親の対応の差につながる。
    幸いにも実体験はないが、たまたま担当になった弁護人の質で罪の重さが変わるのは恐ろしいと感じた。
    人の命の重さについてもあらためて考えさせられる。
    最後に希望が描かれていたが、現実世界でもこの希望はあるのか心配にもなる。
    映像化されるかもしれないが、2時間で終わる映画にはしないでほしいと思うほどの読後感と余韻がある。

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    2025年02月16日
  • 人質の法廷

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    東京都荒川区で発生した女子中学生連続殺人事件で増山淳彦が逮捕された。

    本書は駆け出し弁護士、川村志鶴の弁護活動、裁判の展開について詳述されており、志鶴の弁護活動における課題や警察と検察の圧力による非協力的な警察組織や増山を有罪にしようとする検察との対立。

    上司命令により先輩弁護士田口と組むことになったが意見は対立。そして、真犯人の追求に焦点を当てている。

    終盤には、事件の真相をさらに追求するためのアクションがまとめられており。
    個人的に圧巻のパフォーマンスで読者を魅了する作品だと感じた。

    幾度となく繰り返されてきた裁判で、いよいよ最終審議の日が訪れるが、志鶴の増山への信頼と、絶対に冤罪

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    2025年02月10日
  • 人質の法廷

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    圧巻です。。。年間を通しても稀にしかお目にかかれない熱量をもった作品でした。この分量だけを見ても、もはや執念と言って間違いないかもしれません。

    スポットを当てるのは冤罪の問題。『ある男』の映画化でも耳目をあつめている(かもしれない)、司法の闇がテーマです。警察による長い勾留期間。その背後にある、検察庁エリートたちによる失点回避争い。それはつまり、無罪判決=出世コースからの脱落であり、これこそが有罪率99.9%の裏の顔でした。

    真っ向から蟻の一穴を穿とうとするドンキホーテのような本作は、法廷ミステリーファンだけではなく、私のように冤罪とはなんだかんだ対岸の火事と思っている一般の方にも味わって

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    2025年01月24日
  • 人質の法廷

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    おんんんんんもろしろかった!!!!
    600頁超えって読んでる途中で読む行為に身体が飽きちゃうので避けていたんだけど‥しかも開いてビックリ2段組っていう。笑
    でもね、めちゃくちゃ良かった!価値アリ◎大アリ◎!
     
    序盤は結構イライラしちゃって、私これダメかもなぁ‥って少し弱気になったんだけど読み進めるにつれて濃い濃い濃い!
     
    法治国家日本、起訴有罪率99.9%
    逮捕イコール犯人?「人質司法」で有利に進めようとする警察、検察‥。
     
    もうね、視点が変わるだけでこうも変わるかと。
    神様視点で読んでいるから分かることってあるんだって本当に思う。
    現実の世界でも『冤罪』って絶対にあるし、捕まってみない

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    2025年01月22日
  • 人質の法廷

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    濃厚な長編が好きな自分としてはかなり好みの作品!
    「もしも冤罪事件に巻き込まれたら?」そんなことを考えさせられた!フィクションだと分かっていてもモヤモヤするし、こっちが言い返したくなるくらいの理不尽な不幸が続く、、
    一個人と国家、、裁判とは、正義とは、
    法律に詳しくなくてもちゃんと理解できるストーリーでした!
    ラストだけはもう一個何かあったらなと欲しがってしまいました。。

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    2025年01月20日
  • 人質の法廷

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    600頁の分厚さ、しかも2段組という京極夏彦の妖怪シリーズを彷彿とさせるボリュームの小説だが途中でダレる事もなく一気読み。読後に思わずため息が出るくらい超絶に面白かった。田口弁護士や被告人、被害者の母親の言動など思わず涙する場面も何度かあり、喜怒哀楽様々な感情を揺さぶられた。
    最初はこんなに弱い証拠で起訴するなんて非現実的だと思ったが、逆にその程度でも無理矢理に起訴してくる、実際に冤罪を繰り返してきた人質司法に恐怖を感じた。主人公の弁護士が述べる「正義」の下りで、同じくボリュームたっぷりの「冤罪と人類」を再読したくなった。

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    2025年01月17日
  • 人質の法廷

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    ネタバレ

    厚さに驚いたが読み始めてすぐに引き込まれた。読者には真犯人が明かされるので、実は冤罪じゃないかもと疑うことなく読み進められたのも良かった。自分が裁判員だとしてこの内容を冷静に考えることはできそうもないな。

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    2025年01月15日
  • 人質の法廷

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    作品紹介に「構想•取材期間8年に及ぶ超弩級リーガルサスペンス」とあるが、まさしくその通りで、600ページで上下2段組という膨大な文量も、そのリアリティと熱いストーリーに引き込まれて何ら負担と感じる事なく次へ次へと読み進める事になった。
    冤罪へと突き進む警察、検察、更には裁判所を相手に、何としても冤罪を防がんとする弁護士都築、志鶴、田口の3人其々の経験から来る正義感に突き動かされた攻防は、時に熱くスリリングで読み応えがあった。
    著者インタビューによれば、登場人物の都築弁護士のモデルとなった高野隆弁護士、川村志鶴弁護士のモデルとなった須崎友里弁護士と、実在の弁護士さんの言動にインスパイアされて描か

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    2025年01月13日
  • 人質の法廷

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    絶望の中に希望もあった

    冤罪を生む種はどこにでも、誰にでもあるのだろう
    自分に闘う力が、正しい判断をする力があるだろうか
    燃え上がる闘志を持つ志鶴のなんと強いことか

    彼らの無念と悲しみと怒りに思いを馳せろ。そのすべてを己の闘う力に変えろ。

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    2025年01月11日
  • 人質の法廷

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    長編だけど、新年一冊目からめちゃくちゃ面白かった。読んでて色々な感情を揺さぶられた。最近では袴田さんの無罪判決がありましたね。袴田さんと、長年一緒に戦ったお姉さんのことも読みながらよぎりました。

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    2025年01月10日
  • 人質の法廷

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    怯んでしまうほどの厚さだったが、面白くてページをめくる手が止まらなかった。
    自分や家族がこういう状況に陥ったら…と考えると、とても怖いと思った。
    それにしても検事とか、弁護士とか難しい言葉を使うんだなぁ。自分が裁判員に選ばれたりしたら、ちゃんとついていけるのかな…と考えたりもした。

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    2024年12月15日