あらすじ
「すみれ屋で紙野君に本をおすすめされるのは、雨上がりにきれいな虹を見つけたくらいラッキーなことなんですよ」
すみれ屋の古書スペースを担当する紙野君が、まるで有能なソムリエのように選んで手渡す一冊は、不可解な出来事の真相や語られなかった秘密を解き明かし、気づかせてくれる――。
楽しいデートの後に辛辣なメールが届いたのはなぜ?
平和だったシェアハウスで起きた事件の意外な真相は?
思わず手に取りたくなる名著とオーナーのすみれが作る絶品メニューを味わえる、大人気日常ミステリーシリーズ、待望の第三弾!
感情タグBEST3
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大好きなシリーズ
日常的で平和な謎を本、しかも実在する本で解決するのがほんまにすごい
実際ここにでてくる本を買って読むのも楽しみ方の一つ!
普段読まないジャンルの本に興味を持つきっかけにもなる!!
Posted by ブクログ
すみれ屋は古書スペースを担当する紙野と、カフェを担当するすみれ。そこへ持って来られる謎を、紙野が薦める本を読むと謎が解明され、気付かされる。
お気に入りは「割り切れない紳士たち」
マッチングアプリで婚活している男性達は花子と言う女性とデートし好感触で帰るが、その後からメールで断られる。それが1人ではなく、花子は断った相手を振る事に条件を具体的に狭めていって…
まさか毒親だったとは夢にも思わず、ゾッとしました。花子さんも毒親と距離を置いて幸せになって欲しいです。
紙野とすみれもじれったいですが、良きパートナーとして関係を深めていく事を期待したいと思います。
Posted by ブクログ
料理とは一期一会
冨達さんの言葉はずっしり感じた
長年通ってくれている浜岡さんに対して小麦アレルギーじゃないか?とネタを使って暗号化し伝える
最初は風邪か花粉症のせいでネタを変えたのかと思いながら読んでいたがまさかのアレルギーの可能性を他人には判らないように知らせてたなんて
結局紙野君の答え合わせが無かったらわからなかったがアレルギーじゃなく一安心
その他も西東さんの双子真相等だんだんと本と絡んでの謎解きが難しくなっている気がする
でも読んでて楽しい本だ
Posted by ブクログ
本で解き明かす日常の謎のミステリーですね。
「古書カフェすみれ」シリーズ三冊目です。
すみれさんはアラフォーに、紙野頁君は三十六才に、ほまりさんは二十八才になりました。成長物語でもあるのです。
連作短編の四話の物語。
今回は本の内容と謎解きに力が入っています。
すみれさん、紙野君、ほまりさんの三人で謎解きをするシーンもページを割いています。
そしてもちろん料理の蘊蓄もたっぷり楽しめます。
里見さんに限らず、作家の多くは読書好き、美味しい物が好きなようですね。謎解きにはそんな作家の一面も語ります!
人間模様の複雑な心理描写も滑らかな文章で、優しく紐解いていくのはさすがですね。
「一期一会のサプライズ」では、江戸前の寿司の見事な解説は、へ~と、思わず感嘆の声が口から飛び出しました。
「天狗と少女と玉子サンド」では、幼い少女の物言わぬ悩みを(子育ての経験もされているのかも)見事に浮かび上がらせています。
他の作品も謎解きの醍醐味をたっぷり楽しめます。
次回作も楽しみですね。特にすみれさんと紙野君の恋の行方が気になります。
Posted by ブクログ
久々の「古書カフェすみれ屋」。第一話と第二話の謎のタネは同じ、一人で二人。シェアハウスの大家さん寛大だなぁ。三話のアレルギー話はグルメリポーターの人にとっては仕事に直結するから気軽に話せないよね。四話のひなたちゃん小さいのによく考えてる。紙野くんの叔父さんも出てきて、すみれさんと紙野くんに目に見える進展は無いけど距離は近づいてるのかな。
古書カフェすみれ屋、我が家の近くにも欲しい。
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素晴らしい観察眼と膨大な古書のヒント
のお陰で、本作品の主役でもないのに名
推理がさく裂してます
主人公すみれさんと結婚する流れになる
のかなあ(´・ω・`)
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カフェと書店。この組み合わせはいいな。古書店にはあまり言ったことがないけれど、ビブリアとかでも楽しそうだし、掘り出し物とかにであえそう。
天狗様のお話。必要な伝承。
ランチ部。シェアハウスの楽しそうな、ちょっとビビる一面が見られた。
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2巻でおしまいだと思っていたので久しぶりの3巻目でびっくり。
すみれさんのおいしそうなメニューと紙野君のチョイスは健在。
すみれさん、もうアラフォーなんだ…
紙野君の叔父様、せっかく出てきたんですから、なんとかしてください…笑
Posted by ブクログ
5年ぶりの3巻目。2巻からだいぶ間が空いてしまいましたが、テイストは変わってない。すみれさんが紙野くんを意識し始めてるから、ちょっと恋の要素が濃くなってきてるかな。各話の謎はどれもよくできています。古書を通じて提示されるヒントもちょうどいい匙加減です。
次はもうちょっと早く出るとうれしいなぁ。
Posted by ブクログ
絶品メニューと名著が味わえる日常ミステリーの第3弾。
深く追求しなければ、「こんな事もあった」だけで終わってしまいそうな出来事。
だけどそのままだとお互いが納得いかずに関係性も悪くなってしまう…という日常の謎に本を紹介し、読んでもらって解決する。
その古書担当の紙野君が紹介する本に凄さを感じる。
なぜ、その本⁇なのか…
今回4冊とも読んだことのない本なので内容がわからなかったことに関係するのかも…⁇と思ったが、
やはり最後まで完璧に予想はできなかった。
「シェアハウスのランチ部事件」は、アッパレとしかいいようがなかった。
この中で勧めていたカーポティ短篇集「銀の酒瓶」は読んでみたいと思った。
(アメリカの小さな田舎町のクリスマスの空気感が伝わる…。
自分がそこに居合わせたような臨場感…。)
この一冊で他の本の魅力も感じられるのが良い。
そして毎回、すみれさんの料理の美味しさが紙面からも伝わってくる…(食べに行きたい)
すみれさんと紙野君のジリジリする距離感。
ちょっとは、近づいたのかなぁ。
スルーしがちな続編シリーズを教えて頂き感謝です。
Posted by ブクログ
わーい、すみれ屋さんの3巻!!
と前のめりで読む読む。
相変わらずお腹が空くし、紙野くんのおすすめ本は気になるし、どうしてわたしの住む街にすみれ屋さんがないのかと地団駄踏みたくなる。困った。
Posted by ブクログ
タイトルにも入っている「ランチ部事件」がいちばん面白かった。
紙野くんの叔父さんのキャラ、好きだなぁ♪
…が、謎とその謎解きがどんどん高度になっていき、読み解くのに頭を使い、すんなり「やられた~!」とか「おー!なるほど!そういうことかー!」とはなりづらい。
すみれさんと紙野くんのキャラクターが好きだし、二人の関係性が今後どうなっていくのかはとっても気になるシリーズだ。
Posted by ブクログ
料理と本が好きな人にオススメのミステリ/婚活で出会った女性のちぐはぐさと『俳句入門』/寿司の名店店主が語る一期一会/少女は天狗に誘拐される?/紙野くんに弟子入りした美女。すみれさんはやきもき/快適だったシェアハウスがギスギスしてきたのは?
■この巻の簡単なメモ
《一期一会っていうのは一方的なものじゃない。》p.103
《人を一番たくさん笑顔にしてきたサンドイッチは玉子サンドではないだろうか。》p.210
■この巻で出た本(ネタバレになりそうなものは未記入)
『俳句入門』千野帽子…NHK出版(おもしろそうなので読んでみたい)
『現代の俳句』平井照敏…講談社学術文庫
『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦
『食器と食パンとペン わたしの好きな短歌』安福望…キノブックス(おもしろそうなので読んでみたい)
『ロッパの悲食記』古川緑波
『ロシア美人』ナボコフ
『100万回生きたねこ』佐野洋子(ずっと読もうと思いつつ未読)
『'71日本SFベスト集成』筒井康隆・編(蔵書にあり)
『おうちでできるあのメニュー 純喫茶レシピ』
『カポーティ短篇集』ちくま文庫(カポーティはなんらかの短編集を読んでるけど「銀の酒瓶」が入ってたかは記憶なし)
■古書カフェすみれ屋に関する簡単な単語集
【青木楓/あおき・かえで】常連さん。中村司さんの恋人。プロの大道芸人として世界を飛び回っている。人生の意義はチャレンジすることだと言う。
【飯山伸子/いいやま・のぶこ】大泉さんとこの常連さん。五十代の主婦。夫の邦夫(くにお)さんは建設会社勤務。数年前から邦夫さんの母の富代(とみよ)さんと同居を始めたが富代さんは老人性のうつでコミュニケーションが取りにくくなってきた。
【五十嵐知穂/いがらし・ちほ】常連。薬剤師。三十代。
【大泉】すみれ屋がパンを仕入れているパン屋さん。
【紙野謙介】紙野くんにすべての本を譲って引退した古本屋を営んでいた叔父さん。
【紙野頁/かみの・よう】古書カフェすみれ屋の古書部の店長。長身、痩身、猫背、メガネ。最初の時点でたぶん31歳。独立採算制の古書部だが客がいないときはカフェ部を手伝っている。相手が必要とする本を薦め、さらにプラスα可能な本を薦めることも。縁側のあるアパートに住んでいる。大家さんが猫好きなので猫だけは飼ってもいいことになっている。
【キビ】紙野くんちの三毛猫。名前の由来は焚き火から。いつまでも飽きずにずっと眺めていられるから。
【古書カフェすみれ屋】カフェと古書店が合体した店。東京バンドワゴンみたいな感じやね。それぞれは独立採算制で古書部の本をカフェの客は無料で読むことができる。カフェ部の店長は玉川すみれで古書部の店長は紙野くん。
【堺/さかい】すみれと紙野が知り合った、カフェを併設した新刊書店の店員。紙野よりほっそりしている。
【宍戸明美/ししど・あけみ】常連客。紙永出版で雑誌『食卓賛歌』の編集長をしている。
【玉川すみれ】古書カフェすみれ屋のオーナー店主。最初の時点で36歳。自分で美味しいと思ったものを食べてもらいたいので手抜きができない。コストも手間もかかる。
【中村司/なかむら・つかさ】常連さん。実家は代々続く華道の家元。いつもは同いどしの恋人青木楓(あおき・かえで)さんといっしょに来店する。
【那須山】常連さん。テレビのカメラマン。宍戸さんの知り合い。ピザ好き。
【日向/ひゅうが】堺くんの後輩。ビジュアル優先のポップが評判となりルックスも人当たりもよく、いまやカリスマ書店員。前職は美容師だったが薬品へのアレルギーが出て続けることができなくなった。
【松下正重/まつした・まさしげ】五十嵐さんと交際することになった。
【御厨花音/みくりや・かのん】ランチタイムの常連さん。十九歳の美人。古本屋か探偵になりたいと思っていて、紙野くんに憧れ弟子入りした。
【三井夏葉】二十代後半に見える。シェアハウスで暮らしている。
【森緒ほまり/もりお・ほまり】前髪ぱっつんの個性的な女性。常連客となったのち弟子にしてほしいと言ってきた。すみれさんは一度は断ったが自分が紙野くんにけっこう負担をかけていることに気づきめでたく弟子入りできた。将来は子どもの本専門のブックカフェを開きたい。
【レシピ】レシピ本はレシピの紹介本ではあるのですが著者の思想の書でもあるように、個人的には思えます。
Posted by ブクログ
初期に比べて、料理の内容減った分
小説についての文章が増えてる。
小説から小説についての知識を得られる、
出てきた小説も読みたくなってくる。
どんどん読みたい本が増える。
今回JOJOとカポーティ出てきたのは驚き。
丁度アニメや映画見てたので。
あと藤子・F・不二雄の作品凄いなって思った。
ドラえもんしか知らないので興味持った。
また新刊出してくれると嬉しい。
Posted by ブクログ
今回は謎が分かりやすかった代わりに、本から推理することの方が難しかった
紹介される本が実際にあって、わかりやすく概要を引用しているので、どれも古書店に行って探したくなります
すみれさんと紙野くんは半歩前進、くらいかな
Posted by ブクログ
『お話、お聞きしました』『この本を読んでいただければ、(略)不思議に思っていることの答えが見つかるかも知れません』
古書カフェ<すみれ屋>の古書スペース店長で名探偵の紙野君、お客さんたちの困り事や不思議な話を聞くとたちどころにその謎を解き明かす代わりにそのヒントになる本を差し出す。
婚活で良い感じのデートを終えたはずなのに辛辣なお断りメールを返されて困惑している男性には千野帽子『俳句いきなり入門』
グルメレポート番組のロケ本番で事前の打ち合わせと違うネタを出された謎には古川緑波『ロッパの悲食記』
娘の不可解な脅迫状に戸惑う母親には藤子・F・不二雄『ヒョンヒョロ』
シェアハウスのランチ会で起きた非常ベル事件にはカポーティ『銀の酒瓶』
今回は割とストレートなお勧め本だったように思える。が、やはり紙野の考察は一歩深い。
紙野の本を通してのなぞ解きという一見回りくどいやり方は、悩みを抱えた本人がその問題と向き合う時間、考える時間を与える意味があるということかとも思った。
本を読みながら相手の気持ちになってみる、相手の事情を考えてみること、すみれやほまり同様たとえ謎が解けなくても考えるということが大切ということだろうか。
これまではすみれが同じ本を買って、紙野に自分なりのなぞ解きを聞いてもらうというパターンだったのが、押しかけ弟子ほまりが入り、さらには紙野に弟子入り志願する女子大生・花音も…とどんどん同じ本を買う人間が増えている。
かつて自分のトラブルを解決してもらった常連客たちは紙野が本を出すと『おおっ』『この展開は…』と思わず興奮している。
古書の売り上げが増えるのは良いことだけれど、紙野本人は自分が名探偵だとは思っていないし、あくまでも古書店店主という立ち位置らしい。
第一作からどの程度の月日が流れたのかは分からないが、すみれと紙野の関係は相変わらず。
だが今回初めてご対面となった紙野の叔父によれば、紙野はすみれのことをベタ褒めらしいし好意を持っていることはバレバレのようだ。元来『女性に不器用』で『度胸がない』とのこで進まないのも仕方ない。
一方のすみれも今の紙野との『理想的な関係』を壊すのが怖いらしく、当分はこのままだろうか。読んでいるこちらも今どき結婚にこだわる必要もなし、互いがそれで良いなら良いじゃないかと見守っている。
一方で紙野はこれまでにも何組かのカップルのキューピッド役を務めていて、今回もそのうちの一組が結婚パーティをすみれ屋で行うこととなった。
ほまりの『それだけのすごい力を、なんで他人じゃなく自分のために使わないんでしょうね』という疑問も分からなくはないけれど。
※シリーズ作品一覧
全てレビュー投稿あり
①「古書カフェすみれ屋と本のソムリエ」
②「古書カフェすみれ屋と悩める書店員」
③ 本作
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。相変わらず面白い。
紙野くんとすみれさんの仲が少しずつ、少しずつ進展してるのがほっこりする。
ただ、紙野くんの「この本買って下さい」で謎が分かった人がほぼ皆無。本を勧めることに意味がないんじゃないかと思ったり、思わなかったり。
Posted by ブクログ
今回も楽しく読むことができました。印象の問題ですが、お料理の場面がもっと欲しかったなぁと思いました。紙野くんをめぐる諸々も楽しみだし、次回作も楽しみです。