日下公人のレビュー一覧
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筆者の語り口も歯切れよく、テンポよく、内容的にも本質を捉えていて面白い。エッセイっぽい感じで非常に読みやすい
P11(流行の順番)
モード、ファッション、スタイル、礼服という言葉の違いは、流行の順番を表したものだ。新しい様式が最初に出てきたときが「モード」で、やや時を経て世間に広がった状態が「ファッション」と呼ばれる。さらに時を経て大多数が採用すると、これが「スタイル」。そしてスタイルとなったものの一部は、最後には日常生活とほとんど無縁の「礼服」となり、しだいに社会から消えていく
P44(音の贅沢)
これは第二次世界大戦直後、フォードの社長が完成したばかりの新車を見にいったときの話だが、新車はなかなかの出来栄えである。(中略)その車のドアを閉めた。と、その時である。ペシャンと、ドアの閉まる音がブリキのような安っぽい音だった。(中略)アメリカは、誰でもクルマを持っている。一家の主人が仕事から帰ったとき、そのクルマのドアの音は、隣近所にもよく聞こえる。クルマはその仮定の社会的地位や所得を示すシンボルになっているのだから、ドアの音の具合は、その家の主人の威厳にかかわる。「もっと重厚な音にせよ」と改良を命じたのである。
P76(恋愛と贅沢と資本主義の「発展法則」)
ゾンバルドは資本主義がスタートする前には貴族の間に贅沢競争があり、贅沢競争がさかんになった理由には「恋愛ごっこ」があったと説く。私はこれを読んで、贅沢競争とは文化の導入競争と想像競争だったと解釈した。ともかくゾンバルトはヨーロッパ中世の贅沢競争の同期は、女性をめぐる恋愛及び恋愛ごっこだったと考えた。それはルネッサンスに始まる
P78
工業化とは文化の普及段階であって、創造段階ではないということである。重要なことは、大衆が憧れるような本当の贅沢が事前に創造されていないと、大量生産や工業化は発生しようがないという点である。そして、産業革命前のヨーロッパで文化創造の役目を担ったのは貴族階級の華麗なる「恋愛ごっこ」であった。彼らをイノベーターとして文化の普及時代がはじまったのが近代である。(中略)このようにして出来上がったのがイタリア文化であり、フランス文化だが、そこで完成された文化や生活様式を大量生産しようとしたのがイギリスの産業革命であった。
P83(文化産業、発展の四条件)
文化産業の誕生、発展には四つの条件があると考えられる。第一は「文化的飢餓感が、全国民的規模で存在していること」。第二は「文化的向上心の全国的存在(いつかは自分も)」。第三は「賃金による労働刺激効果の発生(あの文化を買うためのお金が欲しい)」。第四は「消費の満足の追求(さらに改良と創造)」
P124「金持ち消費と、貧乏消費」
消費行動において、トップとボトムは共通した様式を持っている
P208
老後の生活に役立つ技能、資格、学術、名声なら、所有しても決してデフレによる損はない。 -
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著者の日下公人は、いつものようにズバッと的を得た物言いでわかりやすい。
世界の戦争の原因を作ったのは欧米。陰謀とごまかしで自分たちの強欲を満たしてきた。アメリカが「ハルノート」で日本がとうてい飲めない中国からの全面撤退を強要し、無理やりに日本を戦争に引きずり込んだ。サブプライムローンの破綻でリーマンショックを起こし世界中がどれほど損害を受けようが、自己責任で自分たちに責任はないと謝罪は一切なし。
グローバルスタンダードが貧富の差を生み出すがこれからの時代はローカリズム、エスニックの時代、民族性を大切にした時代が到来する。
百貨店で売れた統計を見ても意味がない。全部衝動買いに決まっている。非学問的なので現場で本当に買い物をしている人をよく見ろ。
日本の教育がダメになったひとつの理由として○✖️式問題が増えたこと。中間のグレーの部分が日本の良さ。
ポケモンもワンピースも最後は仲直りで終わる。これが日本の精神。戦って得られるものは長続きしない。相手は恨みに思い仕返しをしきりがない。寛大な気持ちで許すことが大切。
ただ、著者も1930年生まれでもう86歳なので第7章では頑固老人の愚痴っぽくなった点が少し残念。 -
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新たに書き下ろされたものではなく、これまで書き続けてきたものの中で不採用になっていたものが再発掘されて一冊の本になったようです。
かといって、没ネタの寄せ集めというようなつまらないものではなく、十分に刺激的で面白い。
日下さんの話はいつも、奇想天外だったり奇抜だけど、これまで誰も思いもよらなかった盲点を突くようで聞いていてとても楽しい。
それに日下さん特有の、朗らかでにこやかなあの表情で、さらっととんでもないことを言い放ってにこにこしている。という姿まで浮かんできて、本を読んでいるのに話を聞いているかのような錯覚も。
こんなに柔軟に物事を思考できたら楽しいだろうな。
もともと考えるのは好きだけど、もっともっといろんなことを考えて楽しみたいと思いました。 -
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すべての源泉は心のあり方に帰結する。何を大切にし、何を守りたいか?
その上で、日本は劣位戦を展開するのではなく、優位戦を展開すべき。
サービスの語源は、神様を礼拝すること。
もはや、静止経済の時代。そのなかで、従来の量的拡大、伸長という指標は古い。
TPPは自由貿易かを、目指した枠組みで、全物品の関税撤廃と、サービスと投資の自由化をすること。そこに、国益があるか考えるべき。
物事に第一幕しかないというのは、子供の考え。第二幕、第三幕があるというのは大人の考え。
大きな構想をたてて、長期的に考えられるか?手段と目的をしっかり峻別できるか?枝と葉を見極める目を持っているか? -
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この本は読む価値がある。言葉では表現できない知識、暗黙知が、島国で多くの体験を共にしてきた日本庶民の間には存在する。この暗黙知が日本文化の奥行き、複雑性、多様性を形成してきた。戦後、震災前、失われた20年の経験の中で、論理で二択を迫る圧倒的な米国文化や、アジアの台頭に自信を失いつつある日本ではあるが、世界からみれば、あらゆる面で超先進国であり、世界をリードするべき立場にある。それにもかかわらずなぜ日本人はもっと日本を主張をしないのか、世界は不思議がっている。白人絶対主義からアジア人に人種平等を勝ち取った日露戦争勝利の意義、首脳会談キャンセルの脅しを盾に李登輝氏の日本入国・公演キャンセルを迫った胡錦濤氏に毅然たる態度で反対した安倍晋三元首相、中国重慶でのアジアカップサッカー時のサポーターの態度をみて北京オリンピックで使用されるはずであった砲丸提供を断った日本人砲丸職人の心意気。ぐっとくるエピソードが満載で、日本人であることが誇りに思えるような一冊。
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旧日本軍の成功事例と失敗事例をもとに(ほとんどが失敗事例だけど。。。)これからの組織もっと大きくいえば日本のあり方をかんがえようというのが本書の趣旨かな。確かに主体性をもって動く組織を目指すなら、軍隊から学ぶべるところは多いかも。末期の旧日本軍のような組織にならないよう気をつけなければ。。。
心に引っかかった言葉
・「建制を崩すな」というのが軍隊の鉄則。だが、周辺の条件が変化したときは臨機応変でなければならない。
・日本軍がひどかったというのは、その大半は官僚主義の将校や参謀が多かったという問題である。
・日本軍のエリート作戦参謀たちの最大の過ちは、現場を知らず、机上で戦争を指導していたことである。
・日本軍はトップが責任を取らないという、組織として最悪の状態に陥っていた。
・一般論からしても、戦場に美談があるのは、作戦や命令に無理があったからであると考えられる。
・複雑でで大規模な組織を運営するために合理的に分業化された管理運用システムを官僚制と呼んだ。この官僚制と官僚主義をきちんと区別することが重要である。 -
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[ 内容 ]
それでも、日米中、三角経済の主役は日本だ!
日本を代表するエコノミストと超人気ネットエコノミストが、日本と世界経済の今後を予測する。
[ 目次 ]
第1部 米中二大国をめぐる世界経済(いま、世界経済はどうなっているのか;いまのアメリカ経済を支えているのは公的資金だけ;「見栄っ張り中国経済」の真実)
第2部 日米中三極構造の中の日本(これからの日本経済の本当の課題;日米中、三角関係の主役は日本;若者文化が今後の日本を支える)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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◆アメリカの独立宣言を起草したトーマス・ジェファーソンは、サリー・へミングスという黒人奴隷を所有し、子を孕ませていた。その本人が一方で「人類は等しくつくられた」と語る偽善ぶり。P23→P138に詳述
◆アメリカ人は、黒人は奴隷にしたがインディアンは即殺戮した。ピルグリム・ファーザーズは、メイフラワー号でアメリカに着いたのち、ワンパイアグ族のマサソイト酋長らに命を救われて冬を腰、感謝祭を祝った。しかしマサソイトの子どもの代になると跡をついだ長男がニュー・プリマスという白人の町に呼び出されて殺される。さらに次男も殺して、その首を自分たちの街に20年間、晒しつづけ、その妻や子、部族のすべてをカリブの奴隷商人に売り払う。以来アメリカ人は、インディアンを見るなり殺していく。彼らがいなくなると、黒人奴隷を入れた。黒人は奴隷に、インディアンは存在することを許さない。インディアンは、プライドが高く白人のためには働かず、むしろ死を選んだからか。P59
◆リンカーンのダコタ族処刑 P139 -
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イマイチ。
結局、日本人が作る世界史とは何か。
結論らしきものはない。
世界史と呼ばれるものの問題点は分かったし、日本という国の「特殊性」が却って公平性の高い視点から世界史を再構築出来るのでは、というのもわかった。
この本は10年以上前の出版である。では、その後どうなったか。何が変わったか。日本の視点からの世界史が書けたのか。
ないような気がする。
そうすると、この本もこの時期にたくさん出てた、日本て実は「素晴らしい」んだよという本と、あまり差がないように見えてくる。
対談本は苦手だなと改めて思って、やっぱり情報量が少ないし、論に深みが出ない。
特別ゲストの倉山満先生の、日本は世界史を跳ね除けてきた、というのはじんと来たがそれとて倉山先生の単体本を読んだ方がいいわけで。
大学の劣化も書いておられました。
今後減っていくだろうと。
なんと、補助金使って外国人を受け入れて生き延びてます。
掛け算九九を教えるような学校が、大学として存在しています。
日本は、劣化しました。
その辺から過去に向かって逆算して歴史を著してもいいんじゃないすかね。 -
Posted by ブクログ
「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」共著:森岡毅さんで、P&Gでマーケティングをやる社員の課題図書にしているとの事で読んだ。
悪くないのだが、森岡さんのような真面目なマーケティング本ではない。世の中観察、論理の組み立て、日本大好きおじさんが論じたエッセイに近い。
感性や物の見方は面白い。しかしいくつか国粋的な考えも見えるが。
何でも行き過ぎは良くない。平等も行き過ぎたら揺り戻しが来る。平等な社会と格差社会は交互に来る
何でも大量に作って大量に消費できる分野でリード取れる、例)人がたくさんいる中国
日本語を輸出する位のポジションを取る事が発展の鍵。英語で難しい交渉で外国語である限り不利な状況は変わらない。これは鈴木孝夫も「日本語教のススメ」で言ってた。英語を身につける必要性は否定しないが。