日下公人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ここ最近いくつか読んだ日下公人の本の中でも、本人の気持ちがストレートに伝わってきて納得ばかりの本。この本では靖国神社は参拝すべきだし、それは他国にとやかく言われる筋合いは無く、優位戦思考で対応方法する方法はある、日本は堂々とした態度を取るべき、と述べている。そのために知っておかなくてはならないことは沢山あり、重要な例をいくつか紹介してくれている。事実を歪曲しルールや歴史を変えようとしたり、自国さえ良ければという考え方で動いたり、都合が悪いことは棚に上げてしまおうとする国々の中で、日本は優位戦思考で誇りを持って対応できることを教えてくれる。卑屈になったり隷従する必要はない。
これから自分の取るべき対応としては、マスコミの報道や論調に振り回されないようにすることだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまた「新しい日本人」とは日本を「我が国」と思う一体感があり、単なる愛国主義、国粋主義とは異なる「戦前派」ではない。
すなわち、潮流としては「戦前派が災後派(震災時に見せた、日本人の相互扶助感・自衛隊への感謝)」になり、戦前との歴史の連続性に気づき、それを大切にしようとし戦後70年余りの「戦後体制」から脱却しようとする。これこそが「新しい日本人」だと喝破する。
日下氏はこうも問いかける。そもそも現行憲法9条を「平和の守護者」と考えるなら、なぜ北朝鮮による拉致被害を防げず、またその被害者を救助できないのか、と。
哲学者の田中美知太郎氏には「憲法で平和をいくら唱えてもそれで平和が確立するわけではない。ならば憲法に、台風は日本に来てはならずと記すだけで台風が防げようか」という至言があるが”9条信者”の人々はこれに答えるべきだ、と日下氏は疑問を呈する。
氏はこうも唱える。SEALDsの代表の奥田某は福岡県生まれだが、彼の父は牧師であり「反天皇主義」と「ホームレス支援」で有名な活動家であるそうだ。彼は公的な意味を持つ活動に参加し、一定の影響力を持つ存在となったら、その人間の背景についても伝えるのがメディアの仕事であり、それを「普通の学生」としか伝えないのは手落ちであるという。
また日下先生は計量的にも彼らの活動の失敗を事例をもって証明する。SEALDsが活動した平成27年10月の参議院選挙では、若者の多くは彼らに賛同しなかった。
当該選挙の共同通信の出口調査によれば、18,19歳の比例代表投票先のトップは自民党の40%で、20代43、2%、30代、40、9%に次ぐ3番目の多さで、中高年より自民党を支持している結果となった。
話は中国に飛ぶ。2010年1月中国は「中華人民共和国海島保護法」という中国が主張する無人島は中国が所有するという趣旨の法律である。
これをもとに中国は、尖閣諸島だけではなく近海6千の無人島の国有化を宣伝している。このような中国の動きについても、日本の大手メディアはほとんど報じなかった。したがって「(石原)都知事の尖閣購入の表明、その後の国有化が日中関係の引き金を引いた」という報道がいかに的外れなものであるか、遡ってみれば歴然である。
次に日本国憲法に話は飛ぶ。日下氏個人では、日本には必ずしも「憲法」は要らないのではないかと考えているとのこと。
なぜなら、大日本帝国憲法は明治時代、列強と肩を並べるため大急ぎで作ったものであるし、そもそも日本人たるもの、文字や文章にわざわざ表して制定しなくても、歴史に培われた日本人としての規範があったはずだと思うからだ。
それをまずはっきり自己のうちに見出すことが大切で、そうした根本における自意識が、戦後の日本人には著しく欠けている。日本人の伝統や慣習に会わないものならば、それは日本という国の憲法にはふさわしくない。それだけのことだ、という。
確かに、我が国の周辺国が憲法の前文にある(平和を愛する国民)ばかりであれば、その(公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう)とすることも可能かもしれない、しかし上述の中国のように、そのような実態はないのである。
(われらは、いづれの国家も、自国のことのみ専念して他国を無視してはならないのであって(中略)他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる)という文節も、いったいどこの国のことを言っているのか、少なくとも日本ではない、氏は断言する。
安倍首相は、日本を「美しい国」にしたいと語ったが、憲法の前文に我が国のあるべき姿を記するとき、日下氏なら「安らぎの国」とか「思いやりの国」といった言葉、あるいは
「潔い国」という言葉を入れるそうだ。
これは日下氏の慧眼であり、普遍的なものであり、かつて米国大統領選挙でアル・ゴアと息子ブッシュが裁判所まで持ち込まれた時、日下氏はアメリカ人に「そんなことするのは民主主義の恥、アメリカの恥であり「どちらかが潔くしたらどうか」という話は米国内ではでないのか」と外務省の元駐米大使に言ったそうだが、彼曰く「私もそう思うが、英語には「潔い」という言葉がない。残念だが助言できない」と言われたそうだ。
そこで日下先生、日本語ができる外国人や日本人の英語教師の顔を見るたびに「潔い」という英語はありますか」と聞かれたそうだが、みんな「ピッタリくる英語はない」という答えだった。
NobleでもGracefulでもない上智大学名誉教授の故渡部昇一氏が「Manlyという古い英語がそれに近い」と教えてくれたそうだ。
アメリカはまだ240年しか歴史のない国だから、敗者は敗者、退場するだけであってそのような概念がないということであるそうだ。
ただでさえ、英語による思考は二分法になりやすい。白か黒である。もともと契約のために発達した言語だから仕方がないが、対象となる社会現象や自然現象は、たいていアナログである。
アナログをデジタルで表現すると、グレーゾーンを切り捨てることになる。洋裁でいうと布地の裁ち屑がでるようなものであるが、日本語はそのような裁ち屑を掬い上げる秒なニュアンスが豊富である。
日本人の憲法を成文化するなら、きちんと日本語で考えられ、日本語で書かれるべきだ。それは外国人が理解できない場合、彼らに考えさせるべきであるとまでする。
と日下節は続くが、これ以上紹介すると著作権違反になるのでこの辺で。日下ワールド満載の一冊である。普通の日下先生のご著書より若干難しめです。「難しい日下先生も好き❤」という方には満足度100%でしょう。ちなみに私は120%久々にいい本を読みました。
日下先生、ありがとう。末永くご活躍を!!! -
Posted by ブクログ
私がレビューを書き始める10年ほど前から、新刊を楽しみにしている日下氏と、私には初めての、上島氏との共著で、日下氏の最新刊(2015年12月現在)です。
日下氏が彼の著書の中で、いつか「優位戦思考とはどんなものか」について、本で紹介すると言っていたので、タイトルを見た時に、嬉しくなりました。
この本では、日下氏が、優位戦思考を、先の大東亜戦争時に当てはめるとどうなるか等ということを、上島氏による、当時の個別の戦いの紹介と合わせて、解説されています。全体の戦いの流れが分かって、良かったです。
日本はいまだに劣位戦思考から抜け出せていなくて、経済規模が大きくなったにもかかわらず、優位戦思考ができていない問題点を指摘しています。
あの戦争は、経済格差が大きすぎて無謀だったと、よく本で言われますが、同様な状況で、結果として勝利した、日清戦争や日露戦争に言及されることは私の知る限りありません。あの戦争の始まった時の日本人の心は「晴れ晴れ」としていたと聞くこともあります。
戦争をすることの是非は、現代の価値観で判断するのではなく、当時のアジアを取り巻く環境などを考慮して、戦争から何を学んだのか、戦争の目的は何で、それがどういう形で実現されたのかを見直すのに良い機会となりました。
以下は気になったポイントです。
・大東亜戦争を自らの愚かさや無謀の証としてしか語れないとしたら、日本人はいつまで経っても勝者に隷従する「劣位戦思考」しか持ちえないことになる。優位戦思考から、日本の戦争目的や戦争設計を考えてみると、どんな可能性が浮かび上がるかを、を考えるべき(p2)
・絞り込み思考(劣位戦思考)の学者は、自ら仮説を立てて検証し、それを積極的に世に問うていく(優位戦思考)よりは、検査官のようになって、マニュアルに当てはめて人を裁くことになる(p20)
・幕末の日本が遭遇した「世界」は、いかなる構造だったか、時代の価値観はどのようなものだったかを、考えるのが、日本人が戦いに踏み切らざるを得なかったかを理解するために必要(p25)
・ヨーロッパ人の飽くなき征服意欲を支えたのは、明白なる天意という、キリスト教を背景にした意識=キリスト教以外の有色人種を同じ人間とみなしていなかったという事実、につながる(p25)
・ローマ教皇は、1493年に地球上に分割線(ベルデ岬諸島西はスペイン、東はポルトガル)を引いたが、1494年のトリデシリヤス条約、1529年のサラゴサ条約で修正された。近畿地方以北がスペイン、中国・四国・九州はポルトガル領となる(p29)
・1767-96年にかけて、マイソール王国が、イギリス東インド会社と戦って敗れた結果、イギリスは南インドの支配を確立。1819年に中部インドを飲み込み、1857年にセポイの反乱がおきると、ムガル皇帝を廃して、東インド会社を解散して、ビクトリア女王がインド皇帝を名乗る、インド帝国を作った(p29)
・インドシナ半島はフランス、ベトナムへの侵略後、ラオス・カンボジアを含めた、インドシナ連邦が形成。インドネシアは、イギリスを駆逐した、オランダ東インド会社が、マタラム王国の内紛に介入して保護国化した。1816年にオランダ王室の直接統治(p30)
・大航海時代から、19世紀末に至るまで、欧州列強によって営々と続けられた植民地収奪の歴史により、アジアに起つのは、事実上日本のみとなった。これが日本が大東亜戦争を戦う蓋然性が必然性に変わった(p30)
・決定的に違うのは、日本人は、肌の色や宗教が違っても人間はみな同じだと考えているのに対して、彼らは「異教徒は人間ではない」「肌色や目の色の違いは進化の過程が違うことを示している」と考えている(p32)
・明治開国以後の日本人が苦闘してきたのは、国家としての、1)独立主権の維持発展、2)アジアの安定確保による世界平和への寄与、3)人種平等の確立、に要約できる(p35)
・日清戦争と日露戦争の両方に共通する目的は、朝鮮半島の安定だった。言い換えれば日本の脅威となるような事態が朝鮮半島に起こるのを防ぐことであった(p46)
・戦争目的と戦争設計という視点から、日清戦争と日露戦争を戦った日本を見ると、そこには政治的にも軍事的にも限定的で、かつ明確な目的があり、政治と軍事(戦争)が絶妙な連携がとれていた。戦争の3要素とされる、国民の敵愾心・政治の指導力・軍人の勇気と才能、の間に致命的な齟齬はなかった(p51)
・定遠、鎮遠、との決戦用に、三景艦(松島、橋立、厳島)を建造したが、それでも清国海軍と日本海軍を比較すれば、戦力差は5対1であった(p53)
・それでも清国海軍北洋艦隊との間で行われた黄海開戦は、日本の勝利であった。副砲である速射砲、イギリス製の新式巡洋艦との連動により、高速で艦隊運動が可能となったから(p53)
・人種平等の実現が二十世紀最大の事件である、科学技術は誰かが創り出すが、白人絶対時代は、有色人種の誰かが立ち上がって、実力で打ち破らない限り終わらない。白人のほうから譲歩することはあり得なかった(p63)
・戦争設計とは、まずは白紙で考えて、武器やカードを列挙する。次に使う順番を決める、最終的に達成するゴールを明確にすること(p69)
・日露戦争では、児玉源太郎が先を読んで整備した海底ケーブルの通信網が大きな効力を発揮した。バルチック艦隊の情報は、イギリス・アフリカ回線を通じて日本に送信された(p69)
・トルコは当時、黒海と地中海を結ぶ、ボスポラス・ダーダネス海峡を押さえていて、ロシアの黒海艦隊を通行止めにした(p75)
・パリにおける国債相場は、日本、ロシアも勝敗によって上下していた。日露戦争は資金調達戦争であった。それを当時の軍人が分かっていたが、いまの評論家には欠けている(p85)
・優位戦思考とは、自分がどのようなカードを持っているか、持ち得るか、相手との比較の上で何ができるかを考えること。自分の長所短所をわきまえた上で、相手よりいかに柔軟な思考・発想ができるか、それを実行に移すかという勝負の世界である。戦費と人員が足りないのなら、それをいかに補うかを考える(p87)
・人種問題を抜きにしては、なぜ日米が戦うことになったのかの答えは出てこない。19世紀半ばから20世紀前半にあった「黄禍論」もそうである(p109)
・人種平等規約の提案に賛成したのは、フランス・イタリア・ギリシア・中華民国・ポルトガル等の11か国、反対は、イギリス・アメリカ・ポーランド・ブラジル・ルーマニア、であった(p116)
・大東亜戦争で日本が勇戦敢闘したのを見て、アメリカの黒人が立ち上がり、ユダヤ人と連携して「公民権法」を勝ち取った(p117)
・第一次世界大戦時のロシア皇帝(ニコライ2世)と、ドイツ皇帝(ウィルヘルム2世)、イギリス国王(ジョージ5世)は従妹同士、第一次世界大戦は、一族の戦争である(p125)
・スイスは、国民に兵役の義務を課した上での、武装中立国であることを、メディアは伝えようとしない(p134)
・戦争が始まる頃、アメリカ・イギリス(世界の4分の1)、オランダ(インドネシア)、ソ連も自給自足(アルタルキー)が可能であったが、日本やドイツ、イタリアは不可能であった(p156)
・ソ連における、皇室廃止指令、共産主義に賛同しない人民の大量虐殺(700万人)等に、日本は危機感を覚えた。昭和初年から日本がおかしくなっていったのは、外的要因が国内に変化をもたらしたことも、わきまえるべき(p165)
・治安維持法の制定は大正14年だが、同時に、普通選挙法も成立、軍縮(高田、岡山、豊橋、久留米の陸軍4師団の廃止)も行っている(p167)
・世界最大の債権国となった日本が戦争をしないので、21世紀の世界は平和、この視点に立つと、大東亜戦争の正体は、国と国の戦争ではなく、国際金融資本が作った戦争となる(p184)
・当時の日本は、繊維製品を輸出して稼いだお金で原材料と機械を買っていたが、関税障壁で、アメリカ・カナダ・南米までが関税をかけ、アメリカの保護貿易が原因であった(p188)
・日程が付されていないことは、法的には何の効力もない、ハルノートはそのようなもの(p199)
・ガダルカナル島をめぐる海戦に、トラック島の泊地にいる、大和・武蔵といった戦艦は出撃せずに、巡洋艦や駆逐艦群が死闘を繰り広げていたにも関わらず、陸奥・長門も出さないで、旧式の金剛型の戦艦をだして沈められた(p244)
・三次にわたるソロモン海戦、サボ島沖海戦、南太平洋海戦、ルンガ沖海戦において、日米両海軍の損失はほぼ互角(24対24)、しかしこれが、攻勢終末点であった(p245)
・のちに戦艦大和最後の艦長となる、有賀幸作の第四駆逐隊に魚雷での空母赤城処分が命じられた(p254)
・ガダルカナル失陥後の戦勢を立て直そうとした、マリアナ沖海戦は、ミッドウェー海戦を上回る大艦隊を編成したが、米国は圧倒的に勝っていた(p257)
・19年10月のレイテ湾海戦で、連合艦隊は事実上壊滅した(p265)
・短期決戦主義と、艦隊保全主義の矛盾を解消できなかったことが、大東亜戦争における日本海軍の行動を不徹底にし、優位戦を展開できる戦力行使と戦場の設定ができなかった(p270)
・資源確保であれば、蘭領インド(インドネシア)に進出して、オランダと日本の妨害にくるイギリスだけを相手にする(アメリカとは戦わない)方策もあった(p273)情報戦という発想で、大和・武蔵の存在を活かさなかったのはもったいない事(p275)
・陸軍の最小戦闘単位は分隊、分隊長の下には、機関銃手1名、小型の迫撃砲である擲弾筒手が一名、手りゅう弾は全員が数個ずつ所持という具合に、どの分隊も金太郎的な編制であった。インパール戦では、宮崎少将は現場を任された指揮官として、規則を破って能力別編制を実行した、震災後の吉田所長も同様の行動をした(p280)
・昭和18年8月1日にビルマ、10月14日にフィリピンを独立承認して同盟条約、同23日に自由インド仮政府を承認、30日に汪兆銘政権と同盟条約を結んで、同年11月5・6日に、大東亜会議を結実した、18年4月末に外相に就任した重光氏は、東条英機・昭和天皇の後押しも受けたもの(p284)
・中国、ロシア、イギリスも日本と戦ったことで衰退に傾いた。ロシアは勝者側でも、中立条約違反、侵略による領土獲得で、道東的敗北。中国も、中華民国という蒋介石の国は、毛沢東の共産党に負けた、イギリスも全アジアの植民地を失った(p287)
・戦勝国が何と言おうとも、人種差別が公然とできなくなった新しい世界をもたらし、その引き金を引いたのは、この世界にあって日本という国である(p292)
2015年12月20日作成 -
Posted by ブクログ
暗黒のヨーロッパ中世、略奪主義の近世ヨーロッパ、第2次世界大戦後の歴史を捻じ曲げてきたアメリカ、そして中国、ロシアー彼らの作る世界史も自己中心的なものであり、今こそ大局から見ることのできる日本が世界史を書くべきだという論旨である。
いくつか、そうかと思ったところを書き抜いてみる。
・①白人は略奪主義だった②キリスト教はそれを正当化する道具にされた③略奪主義の300年間にどんなことが行われてきたかーこの3点をしっかり書き切るだけでも、多くの人がイメージしている世界史とは全く違ったものができる。
・アメリカ人が自作自演したハワイ王党派のクーデターにかこつけて、無理やり女王を退位させ、アメリカにハワイを併合してしまった。
・コミンテルンは天皇の下で団結している日本が目障りで、こういう国家をなくそうとする運動であった。
・王の財産目当てだった「市民革命」「文化大革命」
・中国はモンゴル族、チベット族を大量虐殺した。ウイグル族の地区に入り込み、漢族は資源を奪い農地を広げた。ウイグル族を大量に強制労働させ、その上核実験まで行って、急性被曝で9万人を死亡させた。
・第1次世界大戦後、国際連盟は南洋諸島を日本に任せたが、新渡戸稲造は「委任統治」を提案し、日本は学校を作って住人たちに勉強させ、将来の独立を約束した。
・植民地の住人に学校に行かせると厄介ということで、欧米の列強は学校を作らなかったが、日本は韓国・台湾などで学校を作り、ライフラインも整えた。
・1945年に日本軍が撤兵する前に、南北朝鮮の代表を集めて話し合いをさせようとしたが成立せず、統治権が米軍に移った。これが南国分裂の始まりである。
・始皇帝が行った「焚書坑儒」は、統一前の戦国七国のうち他の六国で使っていた漢字を廃止して、漢字を国有化しようという狙いがあった。
・中国は、日本についてまじめに書く気なんてもとからない。正史の中ではちゃんとしているほうだといわれる「明史」にしても、「信長が阿奇支を秀吉に討たせたから明智に殺された」と書いてあるぐらいだ。「魏志倭人伝」にしても信用性に乏しいというか、今でいうと、誰かのTwitterみたいのものだ。
・歴史を書くときに、相対評価は大変だがやるべきである。例えば、ペリーが日本に来た時、日本人が驚いたというのは絶対評価だが、他の国が初めて黑船を見た時の反応と比べたらどうなのか?黑船を見て、スケッチしておいて自分たちも作ろうなんて考えたのは、有色人種では日本人だけであった。そういう発想を持つことができたから、有色人種の国の中で唯一、植民地にならなかった。
・313年にローマ帝国がキリスト教を公認した瞬間からヨーロッパの堕落が始まった。キリスト教は一神教なので、異教のロ-マ神の祭典だからとオリンピックを廃止した。聖書にすべての知識があるということから、上下水道といった古代ローマの科学技術を潰していって、人糞が道に溢れるようなことになった。
・この後、ひたすら殺し合いの1300年が続き、その果てに30年戦争があり、勝ったほうのスウェーデンのクリスティーナ女王が「異教徒だって殺さなくていいじゃない」と画期的なことを言った。それまでは「殺さなければならない」であった。ここからやっと近代が始まった。それがウェストファリア体制であった。
・古代、中世、近代は右上がりではない。中世で滝に真っ逆さまに落ちていった。やっと上がっていくのがルネッサンスであった。
・江戸時代まで日本は世界史に入らなくてよかった。世界史は殺し合いの歴史であったから。
・日本はこの千年間、ずっと先進国だったので、この千年間を書けば、そのまま世界史の頂点を尾根伝いに書くことになる。そうできたのは、日本が賢かったからで、内部争いをせず、唐や天竺の教えを消化して、追い越したからである。
・アメリカが正しいとか、イギリスが正当というものだけを世界史にするのは偏っている。中学校の教科書では、イギリスがインドを支配して文明を教えたとか、ヨーロッパにアメリカ大陸が発見されてよかったとか、ただ戦争が理由もなく始まったようになっているとかで、日本が加わった戦争だけは日本が悪かったと書いてある。戦後に日本がしたことも、すべて下から目線で書いてある。はっきり言って、岩倉使節団に言った連中の舶来崇拝がひどすぎた。江戸時代の人間は、自分の頭で考えていて、インテリジェンス能力は高かった。だから、ペリーが来たとき対応できた。
・ロシアは本当に悪辣非道な国で、条約は破るわ、日本人を皆殺しにしたりシベリアに連れて行ったりするわで、皆分かっていてやっている。いまのプーチンにしても、力関係を見ながらやっている。やはりヨーロッパでもまれた国であった。
・アメリカはグローバリゼーションと思って悩むことはない。アメリカこそが自分たちの歴史を書き換えて正当化を図っている。どこの国の国史もそんなものだともいえるが、アメリカのはひどすぎる。ほとんど架空の話である。
・日本人が上から目線に立った世界史を書くべきである。「日本が平和にやっていたとき、ローマではこんな殺し合いをしていた」「中華世界ではこんなころしあいをしていた」ということをきちんという。統一した世界観を作るということは難しいが。
・清朝のアヘン戦争前段階で、実質GDPの世界シェアは32.9%であった。このときの状況を考えれば、GDPの高い国が強国だったわけではなく、軍事力を整備し、相手を人間とも思わないようなやり方ができる国が強かったということだ。
最後に、どのような項目建てで世界史を書くべきかの提案がある。うーん、なんだかぴんと来ないものだが、こちらの勉強不足なのか、まだまだ練れていないのか。なんか無味乾燥ぽいのだが。 -
「情の力」で勝つ日本
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
この本の著者である日下氏を、社会人になったばかりの頃から読んでいます、このサイトへの登録も49冊目となりました、著者別では最も多いと思います。そんな私が、今年(2018)春頃に出されたこの本を見逃していて最近知ることとなり先日読み終えました。
この本においても、日本の強さを他の国との比較で説いています。私が社会人になったころにバブルがはじけて日本に元気がなくなりだしたころから、グローバル経営や成果主義というものが導入されてきたように思いますが、それを真面目にやった企業ほど、おかしくなったようですね。
人間を動かすには、この本の趣旨にあるように、情の力を使うことが大事である、と社会人生活30年間を通じて理解してきました。来年には新元号のもとで私達は生活していますが、変わらないと思います。もっとも新元号で生まれた子供たちが成長して10年経過した頃にも同じことを言っていると、彼らがどう思って聞いているかは、自分が子供の頃(昭和時代)に、明治の言っていた人のことを聞いた時のことを思い出すと想像できます。
日下氏のように後世の人にも聞いてもらうためには、それなりの実績を作って、それをなんらかの形に残しておくのが良いことなのかもしれませんね。
以下は気になったポイントです。
・ギリシア人は自分が考えたことを他人に伝える話し方に二通りあると考えていた、1)たとえ話(アナロジー=類推)、2)論理(アナリシス=分析)日本人はお互いに情がわかるから、たとえ話ですぐに話が通じる(p13、28)
・メンバーが固定している社会(日本)では、あとあとのことも考えるとそうそう悪いこともできない、この日本の特質が「情」でわかりあう素地を形成してきた(p16)
・日本人は、人間は神様・仏様から人間になっていくと考えられてきたので子供たちは情愛に満ちた育て方をされた。欧州では真逆で、動物から人間になっていく、と発想された。18歳になって家を出ていくまでは子供はいわば動物扱いされる(p19)
・情というものは、情景からでてくるものなので、自然の風景を描いて、直観的に子供たちにわかるようにした、脳裏に情景が思い浮かぶような教育(p21)
・日本陸軍の強さを支えていたのは、連隊が地区ごとに徴兵された兵で構成される「郷土連帯」であったから、方言がそのまま通じた(p31)
・ロゴス(論理)の積み上げをするのが大学であるが、その言動力となるのが「エロス(愛)」である、エロスがあって「パトス(情熱、情愛)」が出てきて、ロゴスが積みあがっていく。この3つを合わせて人間である(p48)
・エロス(愛)パトス(情愛)が育っている人のほうが相手の話をよく聞くようになる、心で感じるから深い理解ができ、相手と深いつながりができてくる、そのような相手だからこそ、論理の平面などを遥かに超えた高いレベルの仕事を成し遂げ得る(p50)
・現代の日本の子供たちが直観的に物事を理解できるのは、漫画・アニメのおかげ。ピクチャーから読み取り、キャラクターから読み取り、ストーリーから読み取るから全体的にわかる。情を学んでいる、このようなリテラシーに優れているのは、女性・高齢者・少年・遊び人である(p56、74)
・日本人の心でつくっていれば、いくらでもストーリーをつくれる、この代表が「サザエさん」である。スタジオジブリはイデオロギーが入っているので、素直なアニメにならない(p60)
・アメリカで和解が広がっている理由として、証拠開示制度ができたから、裁判の当日にだしてきた証拠はすべて無効で事前に出す必要あり(p70)
・情を大切にしている人の特徴、1)パワーより情報に頼る、2)人より早く情報のストックを完成させる、3)直観力を肯定し、データバンクよりもひらめきを重んじる、漫画やアニメで「情の力」を高めた人達のほうが、ガリベンよりも発想が豊か、ひらめきがあり、はるかに賢い(p76、89)
・日本人が大切にするのは、質または「絞(こう)」わかりやすい文字ならば「約」(p79)
・日本には寺も神社もたくさんいるので、「神仏習合=神様も仏様も元は一緒」という考え方を重んじるようになった、ここにも日本人特有の「約」の国民性が表れている(p84)
・質問にはコツがある、私達は仲間ですよ、という関係になれば質問が許される。相手はきちんと答えてくれる。(p93)
・アメリカに来るような白人は、欧州にいたときの先祖は「農奴」的な立場に近い人が多かったが、そうした人たちがアメリカにやってきて、今度は自分たちが有色人種を文字通りの「奴隷」にした(p103)
・日本型組織を大きく変える(降格人事等)ことを実施に移すためには、「情」が必要、情がわからなければ、必要な改革など進むはずがない(p113)
・プロは仕事に厳しいことは当然で、大切なことは「仕事に厳しく」ありながら「人に優しく」あること(p122)
・欧米では、とかく論理や理屈が重視されるが、欧州の貴族たちも、アメリカ建国時のエリートたちも、情が大事であることはわかっていて、クラブ・スポーツ・音楽など、情が育つような仕組みを作っている(p128)
・明治政府は革命であるかのようにいわれているが、元大名の財産を没収しなかった、それが人間関係の確立に貢献した(p136)
・目標とは「情」がなければ生み出せない、命令によって持たされた目標は自分の「情」がこもっていないので、本当の目標にはならない(p147)
・会社なり組織なり、エリートが自分のお金で御馳走できるくらいの給金を支払うべき、そこをケチると会社の経費を出せる人を探して飲み食いする下卑た組織になる(p153)
・伊達政宗の生命がけの芝居を痛快に思って、「伊達じゃない」=「本気だぞ」という意味で使われた(p161)
・日本は例外的に、工作機械だけはアメリカの会社を一切助けなかったので、アメリカ工作機械メーカは全滅した、工作機械は日本から買わないと製品がつくれない(p165)
・情を重んじている日本人は、一回は信じてあげる、しかし一度でも裏切ったら許しません、さらに攻撃を仕掛けてくるのなら全力で戦う(p178)
・日本ではアメリカでの公民権運動は黒人の運動と伝えられているが、実際には黒人とユダヤ人の連合であった、なので日本人とユダヤ人が手を組むのは自然な成り行きであった(p187)
・当時の日本は一丸となって戦争を戦い抜く状況ではなかった、陸軍も海軍も資材の取り合いで戦っていた、戦争に勝つよりも大事で、次は自分の出世であった(p191)
・アメリカ合衆国憲法の下では、各州は独立国、いつでも合衆国を離脱できる。それをリンカーンは離脱しようとする南部を止めて、連邦制を維持すべく、南北戦争を仕掛けた経緯がある(p195)
・日本は昭和18(1943)年11月に大東亜会議を開いている、これは日本が欧米の宗主国を追い出したことで独立したアジアの首脳たちを東京に招いたサミットであり、まことに意義深いことであったが、少し遅すぎた(p197)
・中国大陸で戦っている陸軍の軍人は、戦争が続いたほうが出世できると思っていた、中国相手であれば負けることは無い、実際に中国との戦争に踏み切ったことで、軍人たちはお金をもらえるようになり、勲章をもらい、出世した(p199)
・日本では、天照大御神がお怒りになると、日が昇らなくなってしまうと考えられていた(p216)
・一般に、王様や皇帝は「力」の存在であるが、日本の天皇は、国民のために祈る(あらゆる罪や厄災は私=天皇が一身に引き受けます)「情」の存在として国民の心の中に息づいている(p219、222)
・アメリカ独立革命、フランス革命など、建前やきれいごとでは、もうまとまらなくなった。欧州諸国も皆、建前に苦しんでいる、ソビエト連邦はつぶれ、資本主義というシステムも壊れた、アメリカ政府は公的資金を入れて私企業(GM,フォード)を救済し、日本の銀行も同様であり、資本主義ではなくなった(p225)
・どうも近代(現在)の次に来るのは、「中世返り」らしい、中世が復活してくる、欧州の中世とは「マリア信仰」である(p226)
2018年10月9日作成 -
Posted by ブクログ
この数十年間、新作が発表されるたびに読み続けている著者の一人である、日下氏による最新作(2018.3現在)です。かねてから日下氏は著作の中で、日本が一番先に多くの事を経験しているので、それを他の国が追いかけることになるだろう、と書かれてきましたが、それらの内容を集大成したような本がこれになると思います。
そろそろ彼も今までの意見を集約したような本を出してきているような気がします。「日本化」する理由を、7章(7つの視点)から解説して、章の最後に結論として理由を2~3つ述べる形で構成されています。
西洋文明と東洋文明の興隆は過去を見ると数百年で交代しているという本を以前読んだことがありますが、21世紀がその準備期間と考えると、その形を先取りしていくのが日本になるということでしょうか、これを正確に検証できるのは数百年後の研究者かもしれませんが、その始まりに私たちが立ち会っているとすれば楽しいものですね。あと彼の著作も何冊読めるかわかりませんが、私の残りの社会人生活の間、彼の著作からより多くの事を学びたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・安倍、トランプ両首脳の連携は、中国が難色を示していた北朝鮮への原油、石油製品に対する輸出上限を初めて設定できた、国連安保理の決議につながった。それに先立って、ウラジオストクでロシアとプーチン大統領と会談していて、協調を促していた、日本が米ロ両国の間に立って国際的な役割を果たしたのは、戦後初である(p25)
・1990年代のクリントン政権から株主利益が急上昇し、21世紀になると大企業500社の純利益の9割以上が株主が獲得、オバマ政権の最後の2年間は100%になった(p33)
・2002年に日本が駐留軍に対しての負担割合は、74.5%、サウジアラビア(64.8)、韓国(40)、ドイツ(32.6)を大きく上回る(p43)
・安倍首相の地球儀外交の成果で、中国・北朝鮮・ロシアなどを除けば、世界が日本の平和と繁栄に学びたがっている、日本の貿易黒字が続いていることが証明している(理由1)(p46)
・安倍氏は、2007年にインド訪問にて、東京裁判でインド代表をつとめた、パール判事の長男と面会している、パール判事は戦勝国が事後法による敗戦国を裁くことに重大な疑義を呈して、日本人被告全員の無罪を主張した国際法の権威である(p57)
・1890年に、ウーンデッド・ニーが殺害されたことで、インディアン諸部族の抵抗は終息した、1887年のドーズ法により20世紀初頭には解体された(p65)
・19世紀末までは、ハワイは「ハワイ王国」という独立国家であった、明治初年、最初に治外法権の撤廃を約束してくれ、日本からの移民も受け入れてくれた国(p72)
・米政府が、ハワイ王国領について不法に接収、利用してきた過去10年分として、150億円の用地借り上げ料を支払い、福利厚生に充てる「歴史への償い」を明らかにしたのは、併合100年後の1993年である(p80)
・バーニーサンダースがヒラリークリントンに対して46%もの票を獲得したのは、予備選に参加した白人の民主党員の6割が彼に投票したから(p86)
・白人の18歳未満の若年人口は2020年には5割をきる、2044年には多数派ではなくなる(p86)
・トルデシリヤス条約(1494)、サラゴザ(1529)により、日本列島は、近畿地方以北はスペイン領、以南の中国四国、九州はポルトガル領とされた(p101)
・スペインによる南米の植民地政策は、エンコミエンダと呼ばれ、新大陸の先住民に関する権利と義務をスペイン国王の主権のもとに特定の植民者に信託することを指した、権利は先住民に対する徴税権、義務は先住民を保護し、キリスト教に改宗させること(p102)
・アフリカでは、産業革命の進行と、奴隷制度の廃止によって、工業生産のための原料供給地と製品市場の両方を兼ねる植民地として考えられるようになった(p106)
・1)白人は略奪主義、2)キリスト教はそれを正当化する道具、3)この400年間に何が行われたか、この3点を書き切るだけでも世界史は違ったものになる(p127)
・ウェストファリア条約(1648)とは、原則として他の領地の宗教に口出ししてはならない、がポイントで、その結果、国家間の戦争で宗教が表立つことはなくなった(p128)
・一方だけに傾かない神仏習合になっていたのが日本、その始まりは、神社に付属して置かれた寺院である「神宮寺」の誕生で、奈良時代の氣比神宮寺が所見とされる、聖武天皇が大仏造営を発願、その成就を祈って742年に伊勢へ行幸したとき、天照大神は日輪であり、大日如来(廬舎那仏)にほかならないから、というのが、本地垂迹説(神仏習合)の始まりである(p143)
・貴族階級は没落、下層階級が上昇した基盤として、遠距離貿易の利益があって、その通商ルートを押さえていたアラブ人に対して白人が武力で勝利したという改革があった(p147)
・日本が文明開化時に持たざる国であったのは、蒸気機関・大砲・侵略思想であった(p148)
・アメリカは中世には価値を認められない(欧州を捨てた自分たちを否定する)ので、古代ギリシアに根拠を求めた(p150)
・昭和14年7月の国民徴用令公布により、20歳以上の頑健な男子が対象(160万人)、昭和19年から学徒動員で中学2年以上、昭和20年からは小学生も男女問わず、工場や農業労働へ動員された(p188)
・ギリシア語、ラテン語、フランス語が国際語として使われたのは、それらの国が豊かだったから(p236)
・専門会話の能力には実力が必要である、日本の何を発信するかという中身が問題(p238)
・禅問答とは、直接には答えず、当人が愚問を愚問と自得するように動作や仕種、たとえ話でわからせる。文章の情報伝達力には限界がある(p240)
2018年3月18日作成 -
Posted by ブクログ
平成元年に卒業して社会人になってから、ずっと読ませてもらっている日下氏によって書かれた本です。出版は今年(2017)初めですが、気づいたのが最近でした。この本では、これから日本を変えていくことになるだろう、新しい日本人について書かれています。
新しい日本人とは、皆一緒に幸せになれた高度経済成長時代には出現しにくかった、今の日本の環境下でも成長することができる人達です。最近、娘達と話していて気付くのは、私が若かった頃と違って、一度に多くのことをこなし、それを当たり前だと感じていて、違う人種だなと思います。
2020年には大学入試制度が大幅に変わり、2030年にはその制度下で大学で勉強・卒業した新しい日本人が活躍していることが予想されます。この本が今までの彼の著作と比較して特徴的なのは、多くの書籍が本の中で紹介されていることです。私が知る限り初めてだと思います、その中の何冊を実際に読んでみようと思いました。
以下は気になったポイントです。
・新しい日本人とは、1)歴史伝統の連続性を尊ぶ、2)学校秀才でない、3)優位戦思考を持っている、4)先入観・固定観念にとらわれない、5)物事をストーリーとして表現できる、6)一生懸命に働く(p6)
・事実に基づく報道・論評なのか、主義主張に基づく報道・論評なのかが大事(p23)
・旧敵国条項である、53・107条を簡潔に説明すると、旧敵国が加盟国の安全を脅かす行為を起こした場合、連合国によって構成された地位的な機構が安保理許可なしに、独自に旧敵国へ行動がとれる(53)、戦争の結果として結んだ協定は国連憲章の規定に優越する(107)(p29)
・滞納総額が当該国の国連分担金の2年分を超えると投票権を喪失するので、滞納期間を調整した支払っている(p31)
・日本海軍の軍人、軍属の人事記録「軍人履歴原表」を管理する厚生労働省に問い合わせが増えている(p37)
・日本はサウジアラビア政府の要請を受け、独自でカフジ沖の油井に至る航路の掃海を実施、爆破された34個の機雷のうち、直接手作業で爆破準備したのが29個もあった、この活躍によってクウェートで日本の国旗が新たに印刷された記念切手が発行された(p53、55)
・特定秘密保護法における特定秘密は、防衛・外交・特定有害活動(スパイ)・テロ活動防止の4分野で限られている(p57)
・国防動員法は、有事には中国国内で事業を営む外国企業も資産・業務を中国政府に提供しなければならない、これは外国に居住する中国人も対象(p81)
・潔いとは、強いて言えば、Manlyという古い言葉が近い(p98)
・安倍首相が中国のG8加盟を認めないといった理由として、1)軍事費が不透明かつ19年連続で2桁伸びている、2)スーダン政府を支援、3)多くの国際ルールを遵守していない、ことを挙げ、それに米独は納得した、これはルールと価値観を用いた安倍氏の優位戦思考の勝利である(p111)
・パール判事は、東京裁判でインド代表として判事をつとめ、戦勝国が事後法により敗戦国を裁くことに重大な疑義を呈し、日本人被告全員の無罪を主張した国際法の権威である(p111)
・インド訪問により、安倍首相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国、中東湾岸協力会議(GCC)6か国と合わせ、シーレーン沿岸国をすべて回った、これはアジアの民主的安全保障ダイヤモンドの形成につながる(p116)
・ガリオア・エロア資金は対米債務と考えるという国会決議(昭和36)を行って返済することを決めた、18億ドルのうち、5億ドルを昭和48年に返済した(p145)
・チャーチルは海軍、陸軍と相談することなしに、巨額の費用を投じて、「陸を走る船=戦車」を制作した、空軍の創設、さらには飛行機を軍艦の甲板から飛ばすこと(空母)を考えた(p152)
・優位戦は、攻めることも守ることも自在、戦いのルールから、勝敗や和平の定義まで決められる立場から仕掛ける戦い、劣位戦は、それらのイニシアティブがない立場からの戦いである(p153)
・トランプ氏、サンダース氏も名指しした「ウォール街」が象徴しているのは、民主・共和両党の主流派が推進してきた、経済のグローバリズムである(p162)
・「シン・ゴジラ」は、ゴジラの襲来という想定外の危機、国家の存亡にかかわる事態に直面した日本政府が、現在の法体系のもとでいかに対応していくかが克明に描かれた(p205)
・ポケモンと OnePieceは、仲間たちとの友情が基本テーマ、仲間をけして見捨てない、また戦い終わったら相手とも心を通わせるという物語、日本人がつくる物語の特徴を、この2つの作品はよく表している(p211)
・エクサスケール・コンピューティングが実現すると、1)世界のエネルギー問題、食糧問題が解決する、2)衣食住が完全にフリー化、3)生活のために働く必要がない社会が到来、4)老化から解放され不老の体が手に入る、エクサスケールの衝撃(p219)
・戦後は、国ではなく、三菱・IHI・川崎重工・戦前の中島飛行機を引き継ぐ富士重工などの民間企業が防衛産業を守ってきた。その裾野には町工場のような零細企業もある(p240)
・平成28年4月に、防衛省の発注で、三菱重工が製造した「心神」というステルス実験機が初飛行に成功した、平成のゼロ戦と言われている(p242)
・杉田女史も新しい日本人である、「歴史戦はオンナの闘い」(p255)
2017年5月1日作成