中村佳子のレビュー一覧

  • ベラミ

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    ざ・俗。ばかばかしすぎて楽しいです。さsyがにスピード感とか、展開の面白さ表現の良さは古典だけあります。

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    2013年07月26日
  • 闘争領域の拡大

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    初ウエルベックなので読み方が手探りだった。
    主人公の「僕」と醜男ティスランが主流になり、恋愛という自由主義を求めて彼らの世界が「拡大」していく。
    そう信じていたにも関わらず、その拡大の仕方が頑張れば頑張る程に良くない方向へと転落してしまう。
    ウエルベックを読むにあたり、登場人物に同情(共感)する事によって読み手の世界も拡大していくとあとがきで分かった。
    仕事、恋愛、性生活とテーマが3つあるけど、登場人物全てが日常に潜む人間ばかりでよりリアリティを帯びる。
    主人公は観察者であり、観察する事により自分の内部で噛み砕いて分析をするけれど、取り込むことはせず、だけど敏感に感じやすい体質なのかマイナス面

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    2024年03月24日
  • エタンプの預言者

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    面白かった
    社会についていけないおっちゃんのあれやこれや
    私も30年後これになってるかもと恐れ慄きました

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    2024年02月09日
  • ゴリオ爺さん

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     19世紀パリの貴族社会と経済的下層社会の様子がつぶさに窺えた。主人公の学生ラスティニャックは、社交界デビューを果たしつつも同じアパートに住むゴリオ爺さんの二人の娘への献身的な愛に心を動かされていく。ゴリオ爺さんの行動は自身も行き過ぎが娘たちを駄目にしたと反省もしているが、他の生き方もできなかったように思える。親子、家族の問題はどこの国でも変わらないであろう。肉親がいなくなる前に後悔のない接し方が大切だ。2022.11.29

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    2022年11月29日
  • 闘争領域の拡大

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    服従を読んでコイツとは全く理解し合えない、と突き放しかけたんだけどちょっぴりそうなのねって寄り添えた

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    2021年12月08日
  • 闘争領域の拡大

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    ネタバレ

    現代フランスの作家ミッシェル・ウエルベック(1958-)の第一作品、1994年。資本主義的な「自由」が到り着いている地点を描く。

    資本主義社会では、すべてが同一平面上に並置させられてしまう。すべてがフラット化してしまう。超越的なものが引きずりおろされてしまう。即物的無価値(金、力、快感、効用)へと還元されてしまう。世界がひとつの巨大な商品陳列棚、ランチプレートに成り下がってしまう。則ち、一切のものが貨幣という統一の尺度で比較され計量化される商品と化す。コミュニケーションは互いに商品ラベルと値札を貼り付け合うだけ。外部はありふれた商品として内部に繰り込まれ、消費されるだけ。一切の出口は予め塞が

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    2020年07月12日
  • ある島の可能性

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    期せずして最近の読書傾向をなぞった形に。老いと性の話。老いに抗わず、否、抵抗した結果の選択?人間の究極の目的は、、

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    2019年12月24日
  • 闘争領域の拡大

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    フランスを代表するベストセラー作家であるミシェル・ウエルベックのデビュー作。フランス現代思想のような衒学的なタイトルであるが、その意味するところはシンプルであり、痛切なものだ。

    近代の資本主義は、企業やそこで働く個人を市場という絶え間ない闘争領域に追い込んでいく。最初は生産・販売などの経済的活動が闘争領域で繰り広げられたが、止む事のない資本の自己増殖能力は徐々に闘争領域を拡大させていく。その結果、恋愛そしてセックスまでもが闘争領域に飲み込まれていく。

    身の回りを見渡してみれば良い。良いセックスができる人間はますますそのチャンスを増大させる一方で、そうした機会が与えらない人間はますますそのチ

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    2019年10月22日
  • ある島の可能性

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    やっと読み終わったー。がんばった。
    最初はSFと思っていたのです。ネオヒューマンがいかな人生を送っているのかという興味から購入したのです。でも実際は、ネオヒューマンに至る新興宗教に肉薄した皮肉を扱うコメディアンの人生記に対して、ネオヒューマンたるが為にその人生記につけた未来人の注釈を読む物語だった。
    ゆえにネオヒューマンの生態というより、コメディアンの皮肉、人生や戦争、なにより老いと性生活への皮肉と批評がメイン。この辺は読み手の読み間違いもあるのでなんとも言えない。
    ただ主人公は本文中で指摘されてるとおり、感性が特別豊かなわけではない。ただただ正直なんだ。この世の欺瞞に対して。そうしてその欺瞞

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    2019年05月31日
  • ゴリオ爺さん

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    フランス文学を読んだのは30年程前に高校生の時にレ ミゼラブルを読んで以来だろうか。
    内容は、お昼のメロドラマ的な印象。ゴリオ爺さんが可哀想過ぎて見てられない。私も娘のことを爺さんと同じようにかわいがってるけれど、こんな仕打ちを受けたらさすがに怒るだろうな。。

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    2019年01月24日
  • プラットフォーム

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    往来堂書店「D坂文庫2015冬」から。選んだ理由は選者の「日本にこんな意地悪な小説家は絶対いない!」というコメント。
    さして取り柄のない仏人公務員ミシェルは、親の遺産でタイ行きのパッケージ・ツアーに参加し、少女を買う。そして、周囲のひんしゅくを買いつつ、そのツアーで知り合ったヴァレリーと恋に落ちる。帰国後はヴァレリーと一緒に彼女が勤める旅行会社で売春ツアーを企画するが、最後は…。
    この小説の中でミシェルとヴァレリーは、もう数えきれないくらいセックスをして、その度にミシェルは西洋の性の退廃を、ひいては西洋文明の没落を嘆く。
    少々乱暴なつかみ方ではあるけれど、西洋の高度資本主義への批判・警告を性を

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    2018年11月18日
  • 闘争領域の拡大

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    ウェルベック先生的要約は

    「自由が進むと、経済的な落伍者が出るように性的落伍者がでるよ。」

    「それってとっても苦しいことで、メンタルもやられちゃうよね。」

    うん、つらい。

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    2018年08月01日
  • 闘争領域の拡大

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    これがウェルベックのデビュー作らしい。テーマというか作者の姿勢は本当に一貫していて清々しさすら感じる。これと後の作品を比べると(全部読んではいないが)、変えていっているのは読者層を広く取り込むための工夫の部分だろうか。遡ってデビュー作が文庫化されるくらいなのだから、その努力は上々の成果を上げている。この作品自体は、面白いのだけど、まあウェルベックの作品として一番に薦めることはないかなという感じ。

    最後はあの後、自殺したのかな?してないのかな?どちらもあり得ると思うが…。雄大な自然の中にいてもむしろ虚無感を感じるというのは自分にも覚えがある。個人というものの枠組が根源的には「死によって世界から

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    2018年05月20日
  • プラットフォーム

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    所々で唐突に西洋型社会に対する毒舌が出てきて、何度か吹き出してしまった。ペシミスティックでいてユーモアがある。この作家は初めてだったが、読みやすく感性も合う気がする。

    厭世的でありながら性に関しては屈折もなく、初めから素直というのはある意味新鮮だった。おかげで、作中で主人公が展開する性の捉え方を結構面白いと感じながら読んでしまった(笑)。

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    2018年02月03日
  • プラットフォーム

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    ウェルベック 4作目の小説(邦訳は『素粒子』に続いて 2作目)。資本主義と自由主義が行き着く先をポルノ紛いの筆致で描くとともに、イスラムに対する嫌悪感を隠そうともしない表現でスキャンダラスな話題を撒き、ウェルベックの名を世界に知らしめた一冊といってもいいだろう。どちらかというとムスリムからの脅迫とか、怒り狂うフェミストからの批判とかの話題が先行してしまっている印象で、今まで読んだ 3作の中では一番面白くなかった。ただし、享楽的なリゾートが一瞬で暗転する、その瞬間は見事だ。

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    2016年12月04日
  • ベラミ

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    某読書ブログで面白いと絶賛されていたため手に取った。
    確かに面白い。
    老人の話は心に残る内容だった。
    ただ、女性の私はベラミのとる行動が反感を覚えることばかりだったため、面白いが内容に難あり…という感想である。

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    2014年12月11日
  • ベラミ

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    田舎出のデュロアは元アフリカの騎兵隊下士官だったが、一旗挙げようと軍隊を辞めフランスに。しかし鉄道会社勤めでお金がなく、日々を窮していた。ある日、アフリカでの騎兵隊仲間だった新聞記者フォレストに会い、チャンスをつかむ。人一倍ハンサムなディロアは、フォレスト家に集まる上流社会の女性達に愛されて、その助けを受けながらチャンスを広げてゆく。愛と資産と名誉を求め、次々と成功の階段を上ってゆく。そのたびに女性の愛を裏切り、別の愛に求め、移ってゆく。//愛人たちとそれらの夫とデュロアの関係がとても面白い。新聞業界やフランスの上流社会のモラルと倫理のなさがリアルに描かれていて興味深い。でも、物語としては面白

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    2013年06月17日