石井淳蔵のレビュー一覧
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『ブランド 価値の創造』は、ブランドがどのようにして価値を持ち、それが維持・発展していくのかというメカニズムを深く掘り下げた一冊です。本書では、ブランドを単なる商品の名前ではなく、企業経営において独特の重要性を持つ存在として捉え、その本質に迫ります。
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### ブランドとは何か?
著者は、ブランドに関する二つの主要な意見を提示しています。一つは「市場で消費者に選ばれた商品」という見方、もう一つは「制作者や経営者の思いや夢、世界観やビジョンが内在する」という、いわゆる**ブランド・パワー説**です。本書の核心的な問いは、「ブランドという名前が、どうして価値をもつようになるのか」という -
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マルクスは資本論にて、社会の富は「膨大な商品の集積」、個々の商品は富の基本形態と記載。現代なら、ブランドの集積と書いただろうかと始まる。この出発点は、なかなか痺れる。
ブランドとは買い手の期待を反映するものであると同時に、買い手自身の生活や歴史や人生の意味を形成するものとして存在している。だからこそ他に何も変わりようがないものというのが根源的なブランドの価値である。コカコーラが新たな味に変更した時、その味は高く評価されたが、それ以前の低い評価の味を買い手は求めた。この事例と説明が非常にしっくり来た。
買い手と売り手には、情報量に差がある。買い手は、それを使ってみるまで、製品の性能を詳しく知 -
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神戸大学大学院教授によるブランド論。
ブランドとは、製品に従属するものではなく、製品がブランドに従属するものである、という主張は日本の電気製品メーカーの製品に対するネーミングを例に挙げられており、説得力がある。たとえば、松下電器はかつて、テレビに「画王」、「横綱」といった名前をつけたが、これは製品の特性をネーミングで説明しており、ブランド名が製品に従属している典型的な例である。こうした例は、電気製品に限らず日本のメーカーに多くあり、製品が入れ替わると自動的にそのブランドは消滅し、次の製品ブランドに入れ替わられる。たとえば、P&G社のIvoryという石鹸は誕生してから100年以上の歴史をもち、今 -
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ネタバレマーケティングマネジメントに関する本。
SMP MMというフレームワーク的な話ではなく、
顧客を見たもっと本質的な点から話が展開されている良本。
<メモ>
・市場をの関係を自分の意思が反映できるよう、マネジメントできるようどうデザインするか。そのためには戦略上の工夫、組織上の工夫が必要。
・市場関係のデザインは 1生活者顧客志向の戦略づくり2戦略に合わせた組織づくり3市場接点のマネジメント4組織の情報リテラシーの確率の4点で構成される。
・スプーンとはそもそも何かという根本的な価値から考える。
・向き合う消費者を絞り、彼らの欲しい価値を知るところからビジネスは始まる。生活者はドリルを求めてい -
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「ポッキー」や「コカ・コーラ」、「無印良品」といった例を取り上げながら、ブランドによる価値の創造の謎に迫る試みです。
著者は、ブランドの価値を単に消費欲望の共時的な布置によって説明するのではなく、ブランドを作り出す側に自分たちのブランドを育てていこうとする持続的なブランド・マネジメントがあることに注目しています。その上で、ブランドのアイデンティティを確立する通時的なプロセスは、そのつど「命がけの跳躍」によってなされていることに、詳しい分析を加えています。
記号論的な消費文化論の通説を超えて、実在のうちに根拠を持たない価値の創造の通時的な側面に切り込んでいるところに、本書の一番のおもしろさが -
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ネタバレ一見、新製品開発プロセスは、消費者ニーズの発見をもとに、それを解決する製品コンセプトが生み出されるという、直線的で論理的な製品コンセプト形成プロセスを沿うように思えるが、実際はニーズもあまり見えておらず、ピボットを繰り返す中でようやく見えてきた「売れる製品」であり、無秩序なものである。
このように、巷では市場需要プル型の成功事例が喧伝されるが、技術プッシュ型も多そうだ。実際には、その中間的なプロセスを沿っていると言える。ここから、ニーズとシーズは鶏と卵であることがわかる。ゆえに、「ニーズに合わせて製品開発が行われた」は神話だし、「製品能力はひとかたまりで成立し、定義不可能」である。
以上は、 -
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本書は、事業の様相を大きく飛躍させるイノベーション的着想をビジネスインサイトと定義し、その着想が生まれるメカニズムについて探求している。一般的には「(先天的な)センス」の一言で片づけられてしまいがちなテーマに対して真理を暴き出そうとしていて、またその探求した内容が非常に納得できる内容で興味深く読み進めることができた。また、その一環として事業戦略における既存のフレームワークや理論の落とし穴についても言及しており、非常に勉強になる。
惜しむらくはその着想を得る頭を育てるためにケーススタディによる学習等を紹介しているのだが、創造的な着想を得るクリティカルな方法である印象を持てなかったこと。
おそらく -
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属人から組織へ。結果からプロセス管理へ。
顧客との関係性構築に主眼を置いた営業のあるべき論が展開される。
自社を常に頭に置いて読んだが、色々感じる点が多かった。
日本の有名な企業の実例も多く、納得感も高く、理解しやすい良書。
ソリューション営業は進めていくべきなのは分かるが、
自社の利益と顧客の利益とのトレードオフをどうバランスを取るのか?
この解決の方向性があると尚良い内容だったと思う。
組織営業の中で、場合によっては開発や生産への警告を発するべきとあった。
この点かなり重要ではないかと思う。
営業に任せきりのスタイルではもう通用しなくなっている。