あの甘々で一線越えそうな雰囲気の中で桜志の件を持ち出すとか、雪は勇気があるし逸臣もよく受け止めたものだ…
てか桜志は桜志で逸臣に何があったか報告していたのね
3人共、相手に対し誠実であろうとするから恋心に溺れてしまいそうな空気の中でも自分を保っていられる。そういった空気が雪を取り巻いているから、逸臣が好きになった雪の形も保たれていると言えるのかな…
そんな折に逸臣から提案された同棲の件、恋人関係として一歩進むそれを雪も逸臣もとても慎重に考えているね
考えるのは引き返せないとかそういう事ではなく、同棲が相手に負担を与えるものになるのではないかという恐れが有るからか
街中での逸臣の知り合いとの邂逅はその点に関わる部分を改めて提示するものかも
雪は耳が聴こえないから、その事実を知らない人と会話が不通になってしまう。それは雪自身に難儀を齎したり相手に不快感を齎したり。これは前巻でも似たような事態が描かれていたけど、どちらも逸臣が両者の架け橋となっているね
逸臣が通訳になって雪の会話を手助けしつつ、自分達以外に伝えたくない話はストップを掛けていた。これはとても優しさと彼氏らしさに満ちた遣り取りだったね
また、そうした耳が聴こえない為の難儀を逸臣が居ない場面でも描きつつ、一方で聴者同士でも同棲には難しさがあると示唆する作りは丁寧で好感
互いが慎重に考えた上での再びの対話。逸臣は卒業後の事を考えていましたか…
付き合い始めてそれ程経っていない状態でこのような話を切り出されたら、その時点で疎遠になってもおかしくない
雪が逸臣のそのような選択を受け入れたのは、逸臣がどのような人間であるか正しく理解しているという点の他に同棲への覚悟を固めていたからなんだね
聴覚障害の自分と同棲する事で直面するネガティブな部分、それを自覚し逸臣に伝えた上で、それ以上の幸福を伝え「一緒に住みたいです」と伝える雪の様子にはじ~んと来てしまったよ
逸臣の瞳に涙が浮かぶのも納得の展開というものですよ!
雪と逸臣の関係性が深まる裏で始まる白雪姫奪還計画はどういう方向へ進むんだ……?
前巻の心情暴露を契機に妙に優しくなった桜志、すっごい不器用な少女漫画みたいな事を始めているけど、雪に痛い思いさせたり、「彼氏いるから」ブレーキ掛けられたり
不器用にも程が有りすぎて、この逆転狙いが実を結ぶか甚だ疑問なのだけど、親友を信じて自分の恋心を前進させようとする桜志のこれからがどうなっていくかは気になるね
あと、特装版のブックレットに収録されている番外編は前々から見たいと思っていた桜志と雪の過去
今では幼馴染みたいな雰囲気を出しているものだから、昔から多くの触れ合いがあったのかと思いきや、桜志の一方的な関係だったのね
音が伝わってこない世界に住む雪を少しでも理解するために試行錯誤したり、周囲が判ることが判らずに不安そうな雪の表情だったり。そういったものを見て手話を学んだ桜志はやはり一方通行なのだけれど、それ故に純粋な想いで雪を孤独にならないようにしようと考えてきたのだろうと判る話だったよ