大佛次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「沈黙の美しさが感じられるひとならば、猫を愛さぬわけはない。」
一時は、家に15〜6匹も猫がいたという、歴史時代作家・大佛次郎先生の、まるごと一冊、全部猫のエッセイである。
猫は大佛氏にとって、地上で最も高貴な生き物であり、同時に最も身近で日常的な存在でもあった。
昔の埃及(エジプト)人がどんなに猫を愛していたか、また、ヨーロッパでは「客間の虎」と呼ばれ、サロンの絹椅子の上に長々と寝そべっているが、日本の猫は田舎の囲炉裏端がお似合いである。
猫は大佛氏にとって趣味ではなく、生活になくてはならない優しい伴侶と言う。
戦時中に疎開しなかったのは、「住み込み」の猫のほかに「通い」でご飯だけ食べに来る -
Posted by ブクログ
良質なエッセイだったかと思います! 巻末に収録されていた猫の目線からの短編も良かったと思います…。
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、エッセイなのでそんなに山あり谷ありといった感じのお話ではないのでアレですが…おまけに猫好きではない人が読んだら何が面白いのかもはや理解されませんね!
ヽ(・ω・)/ズコー
それでもまあ、僕は猫好きなので読みましたけれども…僕も猫と暮らしてみたいですけれども、実際暮らしたら暮らしたで色々と大変そう…それに大佛氏が生きた時代と今は違う…放し飼いとか今、されているんでしょうかねぇ? 猫の糞尿問題…昔の人はこれらの匂いは気にされなかったのでしょうか?
ヽ(・ω・ -
-
Posted by ブクログ
TVドラマと2024年頃の新一万円札で話題の渋沢栄一の若い頃の小説です。渋沢というと明治に数々の企業を立上げて日本の経営者の祖でその功績は様々な書籍等知られていますが、本書は田舎百姓だった渋沢が一時武力を持って攘夷を計画する危険な思想の持ち主だったが、平岡円四郎と出会い重用され思考や行動が変化して行き、一橋慶喜やフランス留学等、日本の近代産業の立役者という華々しい活躍の萌芽となった幕末期の渋沢の運命を決めた大事な時期の物語です。
平岡との出会いで一橋家の家来となり頭角を現し財政危機だった一橋家を次々と改革して行く。後に様々な企業の経営を行ったのもこの辺りの経験が活かされたと思います。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙買い。開いてみて文体の古さに驚く。
まさか昭和初期の雑誌に掲載されてたエッセイだとは思わなかったのでビックリした。
旧字体もあるため、さくさくとは読めなかった。
編集後書に、差別的だったり、今なら動物虐待に該当するような記述があるが、時世でもあるのであえて残したとある。
確かに子猫を産まれてすぐ捨てるとか、そういった記述もある。
でも猫好きの人間はどの時代でも可愛がるし、人様の家に子猫を勝手に捨てるとか自分勝手な人間もいたりと、変わらないんだなぁ、と思う。
猫が隣の家の鮭の切り身を取ってきちゃった事件でも、戦時中の食事事情(配給制だから)についてわかる。猫話なのに近代史の勉強にもなった