あらすじ
「ネコは生涯の伴侶」「次の世には私は猫に生まれて来るだろう」と語り、七十五年の生涯で五百匹以上の猫を飼った文豪・大佛次郎。仕事に向かうと極端に無口で怒りっぽくなる心をなごませてくれるのが猫であった。猫は人間に冷淡なので好きだ──そう述懐する著者の猫への眼差しは、どこまでも暖かい。猫に関する小説、童話、エッセイを集大成した猫好き垂涎のロングセラー!
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Posted by ブクログ
初読みの作家ではあるが、若輩の頃に「だいぶつじろう」と読んで恥をかいたという意味では馴染み深い著者。猫エッセイということで購入し、戦前から戦後にかけての文章表現の移り変わりも楽しめた。家に最大で15匹の猫がいる生活があまりに飄々と書かれているが、たいへんだったろうと思う。巻末の小説、童話も味わい深い。
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前半は猫のエッセイ。後半は猫の短編小説。時代的には昭和初期から。猫に対して酔狂な雰囲気ではなくどちらかというと優しさとか短編小説の方は可愛らしさみたいなものを感じる。
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「沈黙の美しさが感じられるひとならば、猫を愛さぬわけはない。」
一時は、家に15〜6匹も猫がいたという、歴史時代作家・大佛次郎先生の、まるごと一冊、全部猫のエッセイである。
猫は大佛氏にとって、地上で最も高貴な生き物であり、同時に最も身近で日常的な存在でもあった。
昔の埃及(エジプト)人がどんなに猫を愛していたか、また、ヨーロッパでは「客間の虎」と呼ばれ、サロンの絹椅子の上に長々と寝そべっているが、日本の猫は田舎の囲炉裏端がお似合いである。
猫は大佛氏にとって趣味ではなく、生活になくてはならない優しい伴侶と言う。
戦時中に疎開しなかったのは、「住み込み」の猫のほかに「通い」でご飯だけ食べに来る猫がいたから、彼らが飢えないようにと慮ってのことだったというから頭が下がる。
猫は祟るという化け猫話に関しては反発があったようだ。
エッセイの他に、巻末には猫の出てくる小説と、いくつかの童話も掲載されている。
沈黙の美しさを愛する、猫好きには愛蔵をおすすめする。
Posted by ブクログ
とても親しみの持てる、大佛次郎氏による猫のエッセイと小説。WW2と時期が重なっていた、つまり戦時下の猫たちの様子も語られている。なんといっても良いのは、軽妙で味わい深く、「こいつめ」と愛情深く猫を見ながら語るような眼差しだと思う。大佛さんの猫好きはちくまの「猫の文学館」から知ったのだが、本著はそれで語られたよりずっと多くの、いとおしく面白く、小狡く、聡く、ときに滑稽な猫たちを見せてくれる。哀惜のようなものも漂っているが、読んでいて重石をかけられたように感じないのは巧みな筆致と文学的猫愛(?)のなせるわざだろう。
Posted by ブクログ
ねこねこねこ、でした。
猫好きさんならば、
ずーっと読んでいたい甘い蜜。
(ねこは私にとって甘い蜜)
筆者にとってねこは、同胞であり、
子供のようなものであったと思うけれど
(ここまでは私も同じ)
少し離れた場所から、
淡々とお話されるのが良いのでした
Posted by ブクログ
良質なエッセイだったかと思います! 巻末に収録されていた猫の目線からの短編も良かったと思います…。
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、エッセイなのでそんなに山あり谷ありといった感じのお話ではないのでアレですが…おまけに猫好きではない人が読んだら何が面白いのかもはや理解されませんね!
ヽ(・ω・)/ズコー
それでもまあ、僕は猫好きなので読みましたけれども…僕も猫と暮らしてみたいですけれども、実際暮らしたら暮らしたで色々と大変そう…それに大佛氏が生きた時代と今は違う…放し飼いとか今、されているんでしょうかねぇ? 猫の糞尿問題…昔の人はこれらの匂いは気にされなかったのでしょうか?
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、そんなわけで…推計500匹の猫と暮らした作家さんですけれども、猫との距離感は抜群だったそうで…あんましベタベタしない関係…良いですねぇ…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
大佛次郎記念館に先日行ったので。
猫に関するエッセイや短い物語、童話がたくさん詰まった本。
生涯に飼った猫の数500以上はすごすぎる…
私もねこに黙って囲まれながら死にたいなぁ。
猫への深い親愛が感じられた。
Posted by ブクログ
表紙買い。開いてみて文体の古さに驚く。
まさか昭和初期の雑誌に掲載されてたエッセイだとは思わなかったのでビックリした。
旧字体もあるため、さくさくとは読めなかった。
編集後書に、差別的だったり、今なら動物虐待に該当するような記述があるが、時世でもあるのであえて残したとある。
確かに子猫を産まれてすぐ捨てるとか、そういった記述もある。
でも猫好きの人間はどの時代でも可愛がるし、人様の家に子猫を勝手に捨てるとか自分勝手な人間もいたりと、変わらないんだなぁ、と思う。
猫が隣の家の鮭の切り身を取ってきちゃった事件でも、戦時中の食事事情(配給制だから)についてわかる。猫話なのに近代史の勉強にもなった。
話中の娯楽芝居とかでも化け猫という演目をあえてとりあげるとか、筆者の猫好き度合いがわかる。
シャム猫が好きだけど、飼ってしまったら他の猫(足が悪い猫とか人間に怪我させられた猫とか)をかわいがれなくなるから、我慢しているとか、読みにくいけど、読むとほっこりする( ´∀`)
高齢になってからのエッセイなので、最近はロックというものが流行ってるらしいとか、若者の流行りについていけてない感じとかがリアル(笑)
ビジュアル系バンドが出たときの父の反応とまったく同じだ(笑)