黒川裕子のレビュー一覧
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楽器奏者だったひとりとして、胸に抱えた情熱や信念、葛藤や言葉にできない感情を掻き立てられた作品。楽器の音色の描写、奏者の心中描写が真に迫る。同時に、「音を言葉にする」「言葉にできないから楽器や音で表現しているのに、その心情も奏者自体も小説化する」ということに惹かれたきっかけとなった。
全くの余談だが、私はこの作品で「リベルタンゴ」と出会い、ピアソラを好きになった。フルートでピアソラの曲を演奏するとこの作品を思い出す。作中にはほかにも、実際に存在する曲が登場している。本で受けた印象をきっかけとして実際の曲を聴くことで、情景がより鮮やかになるのも魅力の一つだと思う -
Posted by ブクログ
ネタバレともだちなら、けっして、そばをはなれちゃいけない。
だったら、ぼくもこいつを、だれかに笑わせたりしない。
でもそれって、みんなにとって、都合がいいやつってだけだ。
みんな1人ひとり違うはずなのに、なぜか同じだよねってことになっている世の中。特に学校。それが本当はおかしなことだと気づけることが大切。
なんでもかんでもOKではなく、同意したルールの上で、個性は認めていくべきである。
イスラム教という異文化をどう受け止めるか?まだまだ難しいことだろう。だけど、異文化はを認めることは、宗教とか国とかのレベルだけでなく、好きなものとか、性別とか髪のいろとか、顔とかでも同じことが言える。
みんな違っていていいはずなのにどこかで、このラインより下とか上とかを作って、ダメとかきもいとかに結びつけている。
それはそれで人間として本能的に仕方のないことかもしれないけど、そのことを絶対的ではなくて、いかようにも変化するものとして、柔軟に変えていかないといけないと思う。
そのために必要なことはやはり、ブラックボックスにちょっとの勇気を出して手を突っ込むことだ。
とてもいい本であった。これからの時代に必要な学級文庫として、すべての学級に置くことを強く推薦します。 -
Posted by ブクログ
サクォーリアンと南海が手を結び、ルドゥリア帝国と全面戦争に勃発。
帝国は蛭蟲をわんさか扱い、武力で鎮圧しようとしてくる。
シルッカと始原の竜(ファティオータ)は再び絆を結び合い、共に戦い始める。
ところが、敵味方関係ない皇帝の最大攻撃により始原の竜は囚われ、皇帝に心を支配されてしまう。
始原の竜を取り返すため、また平和な世界を取り戻すため、シルッカとリンゼイは動き出す。
皇帝がもうやばい。
第四界に行きたすぎて、敵も味方も全て自分の手駒。
自分さえ良ければ万事OK。
怖すぎる……。
そんな中、リンゼイの成長が止まらない。
気づけばあの狂気に包まれたサイコパスな性格はどこへやら。風格すら漂ってくる。
シルッカとリンゼイ、立場は違えど結んだ相棒以上の絆はこの先もずっと強く、互いの背中を預け合い続けるだろうな。
他民族、ドラゴンのいる世界、ふしぎな能力など、確かに王道ファンタジーではあるが、
二人の少年の成長ストーリーでもあった。