黒川裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
児童書というのはとても考えられて書かれているので、どれもこれもいい本ばかりです。
この本はイスラム圏の子供が転校して、異文化との交流を描いている作品なのですが、リアルだなと思うのが、言葉が分からない、片言である事でその人を一人の人間として見ず、子供のように扱ってしまうことありますよね。特に片言で話す人をかわいく感じてしまったりしますが、母国語を完全に扱えて、多国語を片言というのは僕ら言語弱者からすると上手なはず。それなのに半人前の人間と相対しているような錯覚が生まれてしまいます。
ブレイディみかこさんの本の中で「他人の靴を履いてみる」という言葉がありますが、共感ではなく、自分からその境遇になる -
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ネタバレ6年3組のクラスに転校してきたのは、パキスタン人でイスラム教のアブドゥル、通称アブダラくんだった。
イスラムの教えを守るために
学校でお祈りの時間を作ったり
豚肉は食べられないから給食はもっぱらお弁当持参
人物の絵は描けないから一人だけ消しゴムの絵を模写し
修学旅行で行ったお寺に参拝出来ないといって
一人でバスに戻って行ったアブダラくん。
肌の色も目の色も言葉すら通じないアブダラくんに
クラスのみんなが困惑し、不公平だと不満が募った。
アブダラくんのお世話を先生に命じられた
ハルすらも、最初は不満こそ抱えていたものの
ハルがみんなに隠している大好きな編み物を
アブダラくんはすんなりと認 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「異文化を学ぼう」という子ども向けの、若干お勉強的な本としてはとてもよくできている。異文化を持っている子に対する衝突と共感から、今度はそれをとりまくまわりにたいする衝突と受け入れへ、という流れは王道だけれど、それで良いのではないか。こういう小説がたくさん出てきたら、また新しいパターンが生まれていくだろう。
ただ「宗教による違い」だけが特別扱いされていて、個人の好みの多様性は許されないのはどうか、という「一般の親」の見方は理解できる。もし多様性の理解に舵を切るなら、そういう好みの多様性も受け入れるべきではないか。女子が肌を見せるのがいやだから、短パンはいやというのはダメで、宗教で禁じられている -
購入済み
モート母さん恰好良い!
独特の世界背景が作品に深みを出していて、キャラクターが無理なく活きている感じ。年頃の娘の筈のモートがお母さんみたいに働いてしまってるのには苦笑。駄目な男共に活を入れてやってくれ。
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Posted by ブクログ
面白かったけれど、戦の部分か多いのと視点が定期的に変わるので読むのがゆっくりになってしまった…
戦略を練る部分は大事なの分かるけれど…小難しく多くの登場人物の名前が出てきて段々とどこかどいつで誰と戦う…?みたいな感じに迷子になり正直読むの苦戦した
ほら、登場人物説明に載らない人達いるじゃない
そういう人がね、誰だこいつ?ってなるのよ←人覚えるの苦手な私が悪い笑
でも下巻の中盤から最後にかけては興味が尽きず、寝なきゃいけない時間にも関わらず一気に読み進めてしまった!
中盤以降展開が早いのが印象だったが、その早さがとても良かった
四界に行きながき眠りの竜を目覚めさせている間に、二界の物語悪役である -
Posted by ブクログ
天と呼ばれる「第一界」、地上の「第二界」。海は「第三界」で、もう一つの地上と呼ばれる「第四界」は海のさらに下にあるという。
この世界は四つの界で出来ていた。
第二界の先住のアリシャーラン。第四界からの血脈を引くサクォーリアン。
共に第二界に住み、海の中で突如現れる「トゲウオ」という大きな生物に悩まされてきた。
主人公はシルッカという男の子。船の騎士見習いとして日々頑張っている。
そして、その相棒は皇帝の息子のリンゼイ・ヴォー。
小さなトゲウオの幼生を捕獲した頃から、二人の運命は変わっていく。
自信がなく、おどおどしたシルッカ。
サイコパスのごとき、狂気の持ち主のリンゼイ。
このリンゼイが