荻原規子のレビュー一覧
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源氏物語の最後の方、「宇治十帖」と呼ばれる若い世代の話を、荻原規子が編み直して現代語訳したもの。
陰鬱というか、うじうじというか、ややこしいというか、そういう話で有名なあたり。
ああでもない、こうでもないと右往左往する恋愛心理は、当時の時代相を映してもいるのでしょう。
ある意味では、意外と近代的でもありますね。
光源氏は、波乱の人生を表向きは栄華のうちに終えました。
薫の君(憧れをこめた通称)はその末っ子です。
じつは最後にめとった女三の宮(天皇の三女という意味の通称)が、柏木と不義の関係になってしまい、生まれたのが薫。
薫は薄々そのことに気づいて、誰にも言えない暗い秘密を抱え、まだ若く恵 -
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おもしろい、と、思う
恋とは、権力争い、とは、そして知恵を持つ人間が人間の都合で動物を絶滅させるのを防ぐための手法の一つが壮大に描かれています。
けれど、行き着くところはハッピーエンドの恋愛物語で、ほっこりとした物語です。
また、ある意味、現実の女性の世界観を知ったような気分になりました (^〜^;;
逆にいうと男性の本質を見事に描いているような… -
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エチュード春一番のシリーズ2作目。
女子大生が一人暮らす家に、小犬の姿で神様が現れ‥?
美綾は「モノクロ」と名付けたパピヨンと一緒に、祖母の家に帰省します。
実は八百万の神の一神だというモノクロだが、ふだんは可愛らしい白黒の小犬の姿。
従弟の家庭教師をしている神官の娘・弓月は、きりっとした女性。
美綾たちに、夜の神社を案内するから見に来るように誘います。
そこで美綾たちが見たものは?
神社は、神気がある所に人間が勝手に建てたもの、とはモノクロの弁。人間とは桁違いの感覚で物事を捉えている神は、人間のことなどあまり気にしていないのだそう‥?
神にも色々なタイプがいるってことらしいですが(笑)
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少年少女の成長が瑞々しく、ぐいぐい読めた。
恋と断定する前のやわらかな心の振動を描くのが上手い作家さんだけに、進展の遅ささえ楽しむことができる。
アニメ版だとかなり詰め込み過ぎでよく分からなかった部分にも合点がいって、ようやくスッキリ。
ただ、「二人の奮闘ははじまったばかり」エンドだったので、続きが気になる。
でも、たぶん一番面白いのは心を通わすまでの過程だという気もしているので、続編があってほしいような、なくて良いような、複雑な気分だ。
主人公のとりまく環境の変化は、「西の善き魔女」と似通ったものを感じた。
自覚ないままに、特別な出自を持つ主人公が運命に翻弄され、望まぬ闘争に巻き込まれてゆ -
Posted by ブクログ
宇治十帖、実はちゃんと読んだの初めてかも…かも。
正直、源氏の君も頭の中将もどっちもどっちやなぁと思ってるのですが、こっちを読んでも薫も匂宮もどっちもどっちやなぁと。
あえて選ぶなら、夕霧だな。うん。夕霧&雲居の雁がいちばん好ましいカップルだ。
女性なら、朧月夜だな。物語的には葵の上が好きなんだけど。
で、宇治十帖。
んーまぁ現代の良識で読んでも意味ないしそういう話ではないけど、もうまどろっこしいわ!ってなりますな。
はっきりしないくせにプライドの高い薫と、結局自分のことしか考えてないナルシスト匂宮。
人の噂より自分で確かめろ、世間の評判や周囲の目を気にし過ぎ、ってもだもだ具合にあーってなる