加地伸行のレビュー一覧
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日本をはじめ、東北アジアの人々に長く愛読されてきた中国古典『論語』。
孔子の名句などを引きながら、同書が論じる道徳、人生の知恵をわかりやすく解説する。
『論語』の大部分は、孔子と弟子、あるいは弟子たちの間の話が語り継がれ、書き継がれたもの。孔子の頃は話し言葉による表現が主であったため、文献は対話・語録・講義といった形式をとる。
孔子は人間を、物事がきちんとわかる人と、わからない人とに区別した。その後者を〈民〉とし、彼らには高度なことを教えることはできないと述べた。
孔子のいう民は、己の幸福を第一に求める。彼らは今の幸福な生活を失うまいとして、利己主義に走る。また、道徳的であることを忘れ、 -
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御年83歳のご老体(?)に鞭打ち(本書は昨年の出版ですが)、世にはびこる偽善的正義を叱る内容となっていますが、筆者の中国文学の素養も出し惜しみすることなく開陳しているお得な1冊です。
本書内容には概ね賛同できるという点もよく(ただし近藤誠先生以外は)、特に第6章「心そして道徳こそ」は死刑制度を被害者の立場から考察する鋭い論評も含まれています。
最終章は、具体的な政策提言を行っていますが、国家の根幹にかかわる初等教育についての内容(大都会の公立小・中校敷地に高層マンションを建て、3階以下は学校分とし、幼稚園、保育園も併設、学校生徒であれば格安家賃で入居でき、夜間の教育施設利用も塾やジムなど格安で -
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・人類は長きにわたり、家族が助けあって生きる「家族主義」の下で、農耕生活を営んできた。そして中国を中心とする東北アジアにおいて、家族主義の中から「儒教」が生まれた。
・儒教に対し、堅苦しいイメージを抱く人は少なくない。その背景には、江戸幕府が正統的学問とした朱子学の影響がある。
朱子学派は儒教を倫理・道徳として捉え、堅苦しい解釈をし、偏った解釈が広がり、定着した。
・儒教は、自分たちの祖先を祭る祖先祭祀を柱とする。家族主義から生まれた儒教において、祖先は家族や一族が共通して敬意を払う対象であり、精神的な支えとなるから。
・家族主義と祖先祭祀は古代ヨーロッパでも重視されたが、キリスト教が祖 -
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1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか?
・三十「而立」、四十「不惑」、五十「知命」(p26)
→今自分は「而立」できているか、数年後「不惑」になるのか?
・道徳的にきちんと生きることができた上で知識や学問をしなさい(p41)
→子供に教えたい内容。でも自分は本当にこれができているのか?
・教養人であれ。知識人に終わる無かれ。(p67)
→今の世の中でも教養人は少ないのでは。人の上に立つリーダーに必要なことを言っていて、これからの自分の仕事にも通じる話
・知識や情報を得ても思考しなければどう活かせばいいかわからない、思考ばかりで知識が無ければ独善的になってしまう(p91)
→私が読書 -
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なるほどなぁ、くらいな感想かな。
桐野夏生や島田雅彦ら好きな作家が取り上げられていたので手にした次第。
感想は?
と聞かれれば、なるほどなぁ。
自分は普段、こういう本をあまり読みません。
保守派の論客の話って、往々にして「正し過ぎて」つまらない。
だからって左筋の本を読むかと言うと、それもしない。
特定の政治的立場に立ってする話って、あまりワクワクしませんもんね。
せっかく忙しい時間を割いて本を読むんだから、新しい発見がしたいし、目から鱗を落としたい。
本書は徹頭徹尾、保守の立場から書かれています。
ですから安倍政権を支援ないし擁護、野党はケチョンケチョンに貶しています。
ただ、「沖縄と皇室と