加地伸行のレビュー一覧
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知的好奇心の赴くままに読んでみた。かなり分厚い本。
漢文の紹介や現代の漢文教育に関する批評に始まり、助詞の解説(大ボリューム!)、そして詩歌の解説やら文法規則など、さしあたり高校などで習う漢文をものすごく補強した内容。
『古文の読解』と同じく、その語が持つ元々の意味(中心となる意味)を探りながら語の使われかたを解説していく。これを知っていると知っていないとでは、おそらく漢文の理解も全然違うだろう。高校時代に出会っていれば・・・と思う本である。
本著を読んで思ったのが、やはり漢文も言語なんだな、ということ。漢文はガッチガチに文法規則が縛られているとずっと思っていたが、意外や意外とフレキシブルな部分がある、ということを本著で知った。「なぜこれは目的語なのに、主語の位置にあるんだ??」といったような疑問もすぅっと取れる。 -
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日本をはじめ、東北アジアの人々に長く愛読されてきた中国古典『論語』。
孔子の名句などを引きながら、同書が論じる道徳、人生の知恵をわかりやすく解説する。
『論語』の大部分は、孔子と弟子、あるいは弟子たちの間の話が語り継がれ、書き継がれたもの。孔子の頃は話し言葉による表現が主であったため、文献は対話・語録・講義といった形式をとる。
孔子は人間を、物事がきちんとわかる人と、わからない人とに区別した。その後者を〈民〉とし、彼らには高度なことを教えることはできないと述べた。
孔子のいう民は、己の幸福を第一に求める。彼らは今の幸福な生活を失うまいとして、利己主義に走る。また、道徳的であることを忘れ、法を犯さなければ何をしてもいいと考える。
孔子は何よりも徳性(人格・人間性・人間的常識・人生観等)を重んじた。
こうした徳性や道徳を重視するのが儒教であり、人間社会の規範(礼)を守れ、と説く。
『論語』は〈理不尽の世〉を生きていく上で用心すべきことを説いている。その代表例が「君子三戒」。
・青年期の用心は「色に在あり」:
若者は血気盛んであるが、知性や徳性が乏しく、性欲が行動の前面に出てしまう。
・壮年期の用心は「闘いに在り」:
壮年期になり、自信や見識ができてくると、財産や地位をめぐって競争となる。
・老年期の用心は「得(物欲)に在り」:
老年になると友人や財産を失い、人を信じず、物だけを信じることになる。
『論語』の言葉には、古今東西における普遍性がある。
だからこそ、東北アジア地域(中国・朝鮮半島・日本・ベトナム北部)で多くの人が同書を愛読し、知恵を共有してきた。 -
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御年83歳のご老体(?)に鞭打ち(本書は昨年の出版ですが)、世にはびこる偽善的正義を叱る内容となっていますが、筆者の中国文学の素養も出し惜しみすることなく開陳しているお得な1冊です。
本書内容には概ね賛同できるという点もよく(ただし近藤誠先生以外は)、特に第6章「心そして道徳こそ」は死刑制度を被害者の立場から考察する鋭い論評も含まれています。
最終章は、具体的な政策提言を行っていますが、国家の根幹にかかわる初等教育についての内容(大都会の公立小・中校敷地に高層マンションを建て、3階以下は学校分とし、幼稚園、保育園も併設、学校生徒であれば格安家賃で入居でき、夜間の教育施設利用も塾やジムなど格安で開放)は、マンションを1つの地域社会の縮図とする発想はユニーク。学校敷地内に育児施設もあれば、働く若い親には安心だし親同士も何かと協力し合える環境が実現できる。また、高校以上については、やはりやる気のあるできる生徒優先で進学させ、勉強の苦手な生徒には手に職をつける技術学校を併設するのもいいアイデアです。機会均等という名の偽善で、学ぶ意欲もない生徒に大学まで教育費無償化などは愚の骨頂です。
今やマスコミ芸者となっている左派筋への鋭い鉄槌をご堪能あれ! -
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・人類は長きにわたり、家族が助けあって生きる「家族主義」の下で、農耕生活を営んできた。そして中国を中心とする東北アジアにおいて、家族主義の中から「儒教」が生まれた。
・儒教に対し、堅苦しいイメージを抱く人は少なくない。その背景には、江戸幕府が正統的学問とした朱子学の影響がある。
朱子学派は儒教を倫理・道徳として捉え、堅苦しい解釈をし、偏った解釈が広がり、定着した。
・儒教は、自分たちの祖先を祭る祖先祭祀を柱とする。家族主義から生まれた儒教において、祖先は家族や一族が共通して敬意を払う対象であり、精神的な支えとなるから。
・家族主義と祖先祭祀は古代ヨーロッパでも重視されたが、キリスト教が祖先祭祀を禁じたため、いずれも消滅した。同地では祖先への感謝ではなく、神への感謝がすべてとなった。
・江戸時代、儒教派と仏教派は争っていた。仏教は檀家制度の下、安定した地位にあったが、儒教にはそうした基盤がなかった。また、仏教は儒教が生んだ墓や祖先祭祀を取りこみ、儒教の商売を侵食した。こうしたことが争いの背景にある。
・明治維新後、仏教は神道の台頭により衰退した。儒教は、学校教育において倫理・道徳として採用され、生き残ったが、太平洋戦争後は次第に色褪せた。
・明治になり、西洋文明が入ってくると、日本人の倫理規範は大きな影響を受けた。宗教においては、一神教、中でもキリスト教が最高形態であり、仏教や儒教はそれ以下とされた。このような理解が日本の宗教界を支配していった。 -
Posted by ブクログ
1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか?
・三十「而立」、四十「不惑」、五十「知命」(p26)
→今自分は「而立」できているか、数年後「不惑」になるのか?
・道徳的にきちんと生きることができた上で知識や学問をしなさい(p41)
→子供に教えたい内容。でも自分は本当にこれができているのか?
・教養人であれ。知識人に終わる無かれ。(p67)
→今の世の中でも教養人は少ないのでは。人の上に立つリーダーに必要なことを言っていて、これからの自分の仕事にも通じる話
・知識や情報を得ても思考しなければどう活かせばいいかわからない、思考ばかりで知識が無ければ独善的になってしまう(p91)
→私が読書会に参加しようとしたきっかけは本を読んでも考えて実行しなければ意味がない、そのために読書の結果をアウトプットする必要があると思ったから。まさに常日頃考えていたこと。
・父母に尽くし目上を敬うことが人間愛の根本(p143)
→人と関わらずに生きることはできない、家族を持つことの重要性、責任を再確認。
・どのようにすればと問うてこない者に対してはどのようにすることもできない(p169)
→受身になってはいけない。主体的にならなければならない。自分の今抱えている仕事はやらされてないか?と再確認
・為政者への信頼が無ければ国家も人も立ち行かない(p238)
→上司先輩は部下後輩からまず信頼得ることが重要。
2.本から得た事をどう生かすか? 自分語り
私の今年のテーマ:仕事での指導者・リーダー、尊敬される父親
・人望:人の信頼を得る為にはまず身近な人を愛すること、約束を守りまごころをわすれない、ということを確実に実行する。
・リーダー:主体的に問題解決。主体的に学ぶ。考える力とともに信頼が必要。両方備わっていないと人はついてこない。バランスが重要。
・子供の教育:道徳、知識両方必要。親、兄弟、家族、友人を愛すること、社会のルールを教える。そのためにまず自分が実践。
3.突っ込みどころ
・孔子の弟子たちが孔子の思いをどれだけ忠実に表現できているのか?弟子たちの思考のバイアスがかかってないのか?