加地伸行のレビュー一覧
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子供の頃から古文、漢文の類いは苦手。歴史も中国史はダメ。ということで、「論語」は避けて生きてきた。
しかし、それはなんと勿体ないことかと非常に後悔させられた1冊です。正直、もっと早く読んでいれば随分人生の糧になったろうにと思う。
この本は、非常に読みやすい。とても丁寧な分かりやすい説明が常に書かれているので、どんどん先に行くことが出来ます。
今の日本人の常識が、如何に孔子の考えに影響を受けているか、この本を読むとよくわかります。我々が日々発する言葉の節々に、孔子の言葉が隠れている。
紀元前500年の人が、こんなことを考えていたのかと実に驚かされる。また、同時にそんなレベルにも未だ達して -
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この本、書名のとおり、漢文法の基本を説明するための本です。副題として「本当にわかる漢文入門」とついています。「本当にわかる・・・」と銘打った本で、本当にわかったことはほとんどないと思うのですが、この本は、期待を裏切りませんでした。
元々は50年も前に書かれた本だそうです。説明している対象が、古典だからでしょうか、古臭い感じは全然しませんでした。20年も絶版になっていて、たまたま私が漢文に改めて興味を持ったタイミングで復活したようです。
全体が講義調のため、読みやすいです。漢文の素養のない方でも問題なく読み進められるのではないかと思います。ただ、軽い口調で話を進めていくため、私の場合は、し -
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恥ずかしながら、ほとんど論語も孔子も知らなかったので、初めてちゃんと儒教を理解できてよかった。紀元前六世紀の話がここまで伝わってきていること、抜粋されているとはいえ、今の時代に通じる、役立つような考え方や警句にあふれていることに驚かされる。
儒教って、親孝行っていうか目上を大事にしなさい、という説教くさいイメージがあったんだけど、そこにちゃんと、今まで繋がってきたものを大事にする、という背景があって、その連続性を重んじる、という姿勢は受け入れられるなと思った。
教養人となるのは並大抵のことではないけど、勉強や仕事と違って、道徳にはこれでよしというのがなく、年を取るほどに極めていきたくなる領 -
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司馬遷について、勝手な思い込みがいくつもあったことに気づかされた。
最大のものは、代々史官の家系で、若い時から史記を編纂するべく生活していたということ。
ところが、本書によれば、司馬氏は武官の家柄で、文官になったのは遷から六代前に過ぎず、「太史公」になったのは父の司馬談であるという。
太史公は武帝が初めて置いた官職であるから、世襲も何もない状況だったようだ。
本務は天文や祭祀を司ることであったという。
父、談は太史丞、太史令と昇進してきた、たたき上げの人。
息子の遷は二十三歳で「郎中」という近習の役職になるも、十三年後の父の死まで、その官にとどまり続け、昇進していないとは。
また、本書によ -
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知的好奇心の赴くままに読んでみた。かなり分厚い本。
漢文の紹介や現代の漢文教育に関する批評に始まり、助詞の解説(大ボリューム!)、そして詩歌の解説やら文法規則など、さしあたり高校などで習う漢文をものすごく補強した内容。
『古文の読解』と同じく、その語が持つ元々の意味(中心となる意味)を探りながら語の使われかたを解説していく。これを知っていると知っていないとでは、おそらく漢文の理解も全然違うだろう。高校時代に出会っていれば・・・と思う本である。
本著を読んで思ったのが、やはり漢文も言語なんだな、ということ。漢文はガッチガチに文法規則が縛られているとずっと思っていたが、意外や意外とフレキシブルな部