加地伸行のレビュー一覧
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ネタバレ面白かった!
韓非子は学生の頃、教科書で読んだ時以来だった。しかも、記憶に残っているのは肝心要の内容ではなく、挿絵がイケメンだったこと、そして「法家」ってなんか格好良い響きだな、と思ったことだけである。いやはや、残念なほどにミーハーだ。
本書は「韓非子」の現代語訳、「韓非子とは何か」、韓非伝、中国における韓非子、日本における韓非子、の4本から成る。
賛否は分かれるだろうが、個人的にはこの竹を割ったような韓非子の論説は好ましく思うーー実際にこのような上司がいた時に嬉しいかどうかはおいといて。自分が優秀だったら嬉しいけど、そうでなければキツいなぁ、と。
人は利己的な存在である、というのは、最近 -
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漢文法基礎 本当にわかる漢文入門
講談社学術文庫 2018
著:二畳庵主人
著:加地 伸行
出版社:講談社
漢文読解とは、古代中国語を日本語として読むための技術を云う
そのためのルールを漢文法という
とっつきが悪く、難解です
そのプロセスはこうだ
インプット:①古代中国語
漢籍では、頁、縦書、数段組みの上、漢字が限りなく一列にならんでいる
これを数えて、史記、52万6千5百字などという
作業1:これを適切に長さに区切って記述する
アウトプット1:①漢文
読者が理解できる古代中国語ができる
ここが出発点である
作業2:古代中国の単語等の意味を調べる
漢和辞典等を参照して字句の意味 -
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本書では法家を代表する中国の思想家韓非の思想を学ぶことができます。
加地伸行氏は上で紹介した『孔子』や『儒教とは何か』の著者で、その面白さ、わかりやすさは折り紙付きです。今作でもその加地節は冴えわたっています。
私個人の感想ですが、以前読んだ『論語』より圧倒的に読みやすいです。そして少し皮肉が効いているというかいいますか、ブラックユーモアのような内容が語られるのも面白いです。まるでチェーホフの短編小説を読んでいるような気分になったのが印象に残っています。特に以前紹介した『仮装した人びと』は特にそれが当てはまるのではないかと思います。この一致は二人の冷静で徹底的な人間洞察のなせる業でありまし -
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ネタバレ『すらすら読める論語』に大幅な加筆を施し再編集したもの。
論語は学校教科書で触れた程度で、日本人たるもの四書くらいは読むべしという著者の想いには遠く及ばないが、論語や孔子の生涯と時代、日本への影響も含めて、各省の冒頭部分の説明が分かりやすかった。
論語の本文についても、テーマごとにピックアップした125文の原文、書き下し文、現代語訳、そして参考の解説では別解釈も含めて丁寧に、かつ分かりやすく編まれている。
著者の個人的見解というか、アクの強さも端々に感じられるが、それも潔いと好感を持った。
君子、小人、民の違い、日本仏教と儒教との関わりなど、初めて教えてもらった。
15-223 -
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自分が中国文学専攻に進学するきっかけを作った一冊(苦笑)。
かつてはZ会(増進会)から出された受験参考書だったが、長ら
く絶版となっていた為古書として高値で売られる状況を憂えた著
者が再販を決意し、講談社学術文庫の一冊として出版されるに
至った。
私が大学学部生のとき、何かの講演で加地伸行氏にお会いした
ので、「『漢文法基礎』を書かれたのは先生ですよね」とお尋ねし
たところ、微苦笑されたのを今でも覚えている(加地先生は、『漢
文法基礎』を書いたのが自分だとは長らく公言されなかった)。
助字の説明は本当に貴重。
漢文をしっかり読みたいという方には、本書を常に手元に置かれ
ることを強くお勧めし -
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ネタバレ我が学科の学生には遅くとも3年生になったらこの本を常に持ち歩いてほしいですね。授業の時はもちろん引きまくる。それだけじゃなくて、電車の中など通学の時に全書を通読してほしい。それも何度も何度も。
内容説明
本当の「漢文力」とは? あの名著が蘇る!入試問題や学校の勉強ができるようになるのはアタリマエ。お手軽な受験参考書に飽き足りない人、古典に親しむための基礎力を身につけたい人に贈る、待望の新版!
内容(「BOOK」データベースより)
訓読のコツとは。助字の「語感」をどう読み取り、文章の「骨格」をいかに発見するか―。漢文読解の基礎力を養い、真の「国語力」を身につけるために、1970年代より形を -
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伝説の漢文参考書二畳庵主人(加地伸行)著『漢文法基礎』が講談社学術文庫から改定再版されました。この本はZ会の大学受験生用に書かれたものを本にしているわけですが、単なる受験参考書という枠にとどまらず、漢文読解力の向上を志すものや漢文・漢詩に興味のあるものをも取り込む(むしろそっちの方が有益ではないかと思う)一大文法書となっています。それは「基礎」と銘打っているもの、その意味は著者も「私の言おうとする基礎とは、あれこれ経験を経たのちの最後の段階のフナつりに当たる。初歩的知識というのは、魚つりを始めるころのフナつりを指している。最後の境地のフナつりは、形こそフナつりで同じだが、その内容は、まったく異