あらすじ
俗情におもねり、時流に乗りたい政治家とコメンテーターを重用する新聞・テレビの無責任、無知、無節操への寸鉄!
東洋思想の第一人者が徒然なるまま、物知り顔の人物の真贋を見抜く痛快エッセイ。
深刻そうに「その時だけの絶対反対」を永遠に繰り返すマスコミ人を嗤(わら)い飛ばします。
「老生、ここ十年、世の姿や人の説について、あれこれ書き留めてきた。そしてなにやら得たものを中国古典の心に重ね、下手な絵画風に描いてきた。わが老残、いや老害の日々ゆえにこそ、言いたきことを言うまでよ」(序章より)
<目次より>
序章 薄っぺらな国家批判
第1章 教育
第2章 貧困・格差と社会保障と
第3章 マスコミ
第4章 憲法
第5章 戦争
第6章 政治家
第7章 宗教と儀礼と
終章 老生の立場について
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こういうのが老害なんだろうな、と強く思った。政治家の読んだ漢詩のここが良くないとか、発言に使った言葉の本当の意味がわかってないとか、そこ突っ込むの?ちっさ
Posted by ブクログ
メディアに登場するコメンテータ、文化人をこれでもかというほど批判する本。よくこれだけ悪口が言えるなあという感じ。どちらかというと朝日、毎日系のリベラル寄りの人たちが責められている。今の安倍政権には批判はない。
Posted by ブクログ
なるほどなぁ、くらいな感想かな。
桐野夏生や島田雅彦ら好きな作家が取り上げられていたので手にした次第。
感想は?
と聞かれれば、なるほどなぁ。
自分は普段、こういう本をあまり読みません。
保守派の論客の話って、往々にして「正し過ぎて」つまらない。
だからって左筋の本を読むかと言うと、それもしない。
特定の政治的立場に立ってする話って、あまりワクワクしませんもんね。
せっかく忙しい時間を割いて本を読むんだから、新しい発見がしたいし、目から鱗を落としたい。
本書は徹頭徹尾、保守の立場から書かれています。
ですから安倍政権を支援ないし擁護、野党はケチョンケチョンに貶しています。
ただ、「沖縄と皇室と」という1編だけは、安倍政権に苦言を呈していて注目しました。
「明治5年に琉球を吸収し、さまざまな過程を経ての沖縄県の設置という一連の政策、すなわちいわゆる琉球処分以後において、沖縄は日本国になったのであって、それ以前は日本にも中国の清王朝にも両方に深く関わっていたのは歴史的事実」だとして、次のように述べます。
「にもかかわらず、その辺りを一切考えずに沖縄県民に対して〈本土〉人と同じように考え、同じように行動せよと言うのは、かなり無理がある。特に保守派の論調において。」
日本史の教科書に、本土の歴史と並行して、古代から琉球処分までの沖縄の歴史を記すべしという提言には、諸手を挙げて賛成です。
にしても、「護憲チンドン屋」とか「安物インテリ」とかって、ちょっと言葉が悪いのでは…。