麻生海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
893と刑事とか、893と交渉人とか、893と教師とか、いろんな893cpがありますが、税理士受って異色でどんな展開になるんだろうかと興味津々で手に取った前作。待望の続編登場です。
893と言っても加賀美は中古車会社経営で、そのスジからは遠ざかっていた男。そんな彼に発破をかけたのが、経営建て直しに身を粉にして尽くした税理士の黒崎です。常識的に考えると本末転倒な気もしますが、立場は違えど似たような辛酸を舐めている者同士、互いに共鳴するものがあったんでしょうね。
加賀美が組に復帰する覚悟を決めた経緯が男前だった前作に引き続いて、今回は黒崎が覚悟を決める番。この手のストーリーの鉄板です。加賀美の恋人でいる以上、カタギだとは断言できない微妙な立場になる黒崎です。
そして、ただの税理士だった黒崎が、北川組の組長と対面したり、加賀美の好敵手である東條から仕事を依頼されたり、かなりリスキーな問題が畳み掛けるように襲ってきます。
そういう場面で、黒崎のクールでちょっと意地っ張りなツンデレが最大限発揮されていて、これがたまりません。さすが黒崎!と読んでいて胸がすっきりするというか、拍手を送りたくなるというか。
お仕事ものとしても読ませてくれるし、それほど難解でもないので、そのホドホドな本格感がまた心地良いかんじ。黒崎の厳しい指導に随分慣れてきたミラー中古車店の社員も相変わらずで嬉しくなります。
でも、一番はやはり加賀美と黒崎の親密度が更にアップしているところです。互いを思いやってすごく大切にしているのが、言葉がなくてもわかるくらい、なのです。ベッドシーンはツンな黒崎が心の中でものすごーく焦ってドキドキしているのがかわいい。ふだんは容赦ない態度なのにベッドでは攻様にメロメロなんです。それだけ加賀美がカッコいい、ということの証明。
これはまた次回作がアリということでいいんですよね? -
Posted by ブクログ
この方の作品はいつも面白くて読み応えがあるのですが、このストーリーはさらに「税理士」というお仕事ものの話だとうっかり思い込んでしまう出来ばえ。そのまま、BLシーンなしでも気付かずスルーしてしまえるくらいお仕事に関しての描写も手抜きナシで充分面白い。でも、カタギ以上893未満の中古車販売会社を相手に孤軍奮闘する玲司の仕事ぶりに目を奪われるうちに、気がついたら彼の切ない片想いの行方を追いかけていることになります。
玲司が好きになった相手は、その中古車会社の社長である加賀美。経営に興味もなさそうで、かと言って893に返り咲く気もない昼間から着流し浴衣姿の男です。
従業員ひっくるめていい加減なその会社の経営を一生懸命立て直そうとするうちに、実は聡明で優しくデキる男の加賀美に玲司は惹かれてしまいます。
玲司が破綻しそうな会社を立て直すだけじゃなく、過去に捕らわれていた加賀美の中の「漢」を取り戻すきっかけも作ってしまうというのが面白い展開。その変化が加賀美の服装に表れるのもニクい演出です。玲司の服装についてもそう。表題にも黒衣とあるように、玲司がなぜいつも黒いスーツを着ているのかという疑問が、読み進むうちに理解できてとても切なくなります。クールに仕事をこなしツンツンしていても、実はろくでもない経営事情の会社相手に親身になって頑張っているすごく情のある玲司です。
そんな本心をちゃんと解って素直に従っている加賀美の器の大きさにも惚れ惚れするし、従業員が個性的で皆イイ奴だし。
顧客という事務的な関係からもっと深く関わるようになって、玲司は加賀美も自分同様理不尽な事がもとになって父親を亡くしていることを知り更に親近感を持つようになりますが、ゲイじゃない!と自分の気持ちを完全否定しながらの片想いという複雑な恋心。それが玲司をツンにしているのがちょっとかわいくてコミカルだったりします。
エロ的には、後半気持ちが通じ合ってからがいきなりなベッドシーンに感じられて駆け足っぽい感じ。ノンケ同士相思相愛になってそれに納得できていたので、無理に体繋げなくても満足だったのですが、読者サービスだったんでしょうか? -
Posted by ブクログ
愛と混乱のレストラン 完結編
攻め:久我修司
受け:鷺沼理人
久我がなぜフランスに渡ったか、料理人になったのか、そしてそれまでの父との葛藤など久我の過去を通して現在の久我を描いている。
理人とは年末から連絡が取れないまま、年明け、新年初めての営業の日、本社に移動になったと後任を連れてきた叶が告げる。
理人はその年末年始、叶の家でほとんど意識を無くし眠り続けて。
本社のMBOを通した理人の葛藤、叶の気持ち。
結局、なるようになっちゃったし、理人にとって“壊される、そして作り変えられる”は必要な事だったなとは分かる。うん、そうだよね。
ああ、でも。
私は叶のファンなので。
もっと早く、久我に会う前の理人に、いや、会ってすぐでもいいけど、叶が強引に理人に迫っていればなぁ。
もちろん、そしたら久我との話は無くなるんだけど(笑)
叶が優し過ぎたのが敗因かと。
理人が久我に「好き」と伝えるまで、理人の気持ちの何が久我を好きなのか、ニュアンスとしてしか私には伝わってなくて、まあ、この流れならそうなんだけど、私的には“自覚”したという記述が欲しかったかも。
二人が結ばれたHシーンは理人の恥ずかしさと戸惑い、久我のはしゃいだ感じ等が良かったと思います。
このシリーズで初めて高遠先生を読んだのですが、細かい情景や心理や、細部に渡る情景描写がとても丁寧でじっくり読ませる作家さんだなぁと、これを通してまた是非高遠先生の作品を読みたくなりました。 -
Posted by ブクログ
愛と混乱のレストラン 第二弾。
まかないをみんなと同じ席で食べるようになった理人。少しずつ、レストランのメンバーが理人の事を分かってきたような。
そんな中、修司のフランス時代の元恋人の出現に何故か心をざわめかす理人。
1作目で少しは歩み寄ったような気がした二人の関係は、理人の頑なさ、そして自信の無さから相変わらず修司を理解出来ない。
いつも修司に対しては“怖い”と感じる。その“怖い”は、ただの恐怖心だけではないのだけれど理人はそれを何か分かっていない。
淡々と文章は綴られるのに、とにかく切ない。もう、何とかしてあげたくなって、読む私もずっーと落ち着かなかった。
もう、叶にしちゃいなさい(いや、叶の気持ちも分からないけど)と何度思ったことか。
私の好み的には大人で穏やかな叶の方が理人は楽でいられると思う。本人もそう言ってるし。
で、理人の合意はないまま、キスはされるわ、強姦紛いに襲われるわ、理人受難。
修司も不器用過ぎ。欲しいとしても、やり方があるでしょう。
あ〜次巻が気になる。一応それで最後らしいのだけど、こんなに表面上の気持ちがすれ違っている二人が纏まるのか?! -
Posted by ブクログ
続編も読み応えありました。
自分でもわからない、理人に対するおさえようのない感情が修司の心を占領しちゃってます!ひどいことしたくなったり、振り向かせたくなったり…教えてあげたいですよね?読んでる方は全員修司の気持ちがまるわかりなんですが。
修司みたいに、俺様で倣岸不遜な男が恋で弱るのって、たまりません。読んでいて、すごく楽しい。どんどん、理人に傾いています。
理人も、鎧を着込んでいた感があったのが、ちょっと前向きになってきた部分があって、レストランの将来とともに気になります。総支配人を続けるのか、修司とはどうなるのか、叶さんとは??全部未解決で続いているので。
修司、理人に無茶していますね。でも、そうしたくなる心境は理解してあげたくなります。
絡みシーンは少ないけれど、なんか異様に萌えた。 -
Posted by ブクログ
フレンチレストランの総支配人×引き抜かれてやってきたシェフ。
読み始めは、総支配人、理人の「人は見かけが九割なんだ」とか、夢を食わせて金を落させるとか、不遜な態度に絶句。
そんな奴が修司に土下座すれば、やっぱり溜飲が下がるかも。なんて、読んでいてそんな気になったけど。
そうじゃなかったんですね。
理人の今までの人生を修司目線で知ることによって、何故彼がそんなに虚勢を張って生きているのか、やっと理解。あぁ、そうだったのかと、ものすごくやるせなくなります。
修司も同じく、理人が必死に求めているものを理解したから、店を辞めなかったんですね。
不覚にも、BL要素以外のところで感動してしまいました。
修司の料理や食事に対する心構えとか、厨房内の活気あふれる光景とか。
次回に期待大です。