佐藤秀峰のレビュー一覧
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これは!
この新生児の話が最もグッときたし、バランスも取れているように思えた。 リアリティ色が強いながらも、あくまでもエンターテイメント作品である、という大前提を踏まえればこういうプロット、登場人物、キャラクターで正解だったと思う。不妊治療、ダウン症など、まずは「知ってもらう」という第一歩がこのお話からスタートできるはず。
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これは!
1から3まで読み続けていますがなってたってすばらしいのは佐藤先生の取材力。台詞ひとつをとっても医者でなければかけないのでは、本当は前職が医師だったのでと思うくらい医師会の裏側がかかれていたりしてすばらしい。最初は原作があって描いているのではと思ったのですが佐藤先生が一人でかいているようです。人生の損得を考えるのあれば主人公のような医師は理想であって本当はいるはずがないのではあるが、これだけ調べて描いているとそうなのかと思ってします。
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これは!
医者という職業は、命を預かる職業だけに特に手術に関してはもし失敗すれば「医療ミス」と非難されることもあるだろうし成功したからと言って特別な報酬を得られるわけでもないし、たいへんな職業であると思います。漫画の中でではいろいろな医者の心情が描かれていますが作者の佐藤秀峰さんはその辺をよく描写していると思います。
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これは!
まず、非常に優れた作品であることは間違いありません。医師研修生の主人公を通して、医療界の構造的問題、その中で葛藤する医療関係者の姿をするどく描き出します。 ただ、何か重い荷物を手渡されたような読後感がいなめず、読者を選ぶのもたしかだと思います。
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無知
登場人物ひとりひとりの葛藤、思想、行動に至る背景が細かく、感情移入がしやすい。
随所に散りばめられた戦ってほしい場面で主人公が非力ながらも立ち向かい心が動かされる。
救急医療の在り方、治療の在り方、子供と家族の在り方、末期がんへの告知、精神病とは。
自分が無知だと自覚し、自分が知らないことを知る為に行動しなくてはならない、そう思えるきっかけになった作品。 -
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走り続けて
一部ご紹介します。
・「読者の興味を引く事だけが全てですか?他社との競争に勝つ事だけが全てですか?」
・「統合失調症とは、『自分』と『そうでないもの』との区別が曖昧になる病気である。私たちは自分の手が自分の一部であり、目の前のテレビが自分でないことを知っている。たとえるなら、私たちの『自分』と『そうでないもの』は見えない膜のようなのもので隔てられている。
しかし、この病にかかると、その見えない膜に穴が開いてしまうのだ。膜に穴が開き、『自分』が外に漏れだしてしまうと、周りにあるすべてのものに『自分』が感じられる。そして全ての自分以外のものが、暴力的に膜の中に侵入してくるようになるのだ」
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統合失調症
一部ご紹介します。
・「統合失調症とは、脳という臓器の病気です。世界中どの国でも、およそ100人に1人がなる病気で、原因についてはまだ、はっきりとは分かっていません。つまり、あなたがなってもおかしくないし、私がなってもおかしくない。しかし、両親とも統合失調症であった場合、子供も病気になる割合は4割。あるいは一卵性の双子の一人が病気だった場合、もう一人も病気になる確率は5割。病気の原因に遺伝が関係していることはおそらく事実です」
・「アメリカは先住民族や精神障害者に対し、かつて断種を目的とした去勢などの強制不妊手術を行いました。
ドイツでは第二次世界大戦中、ナチスがユダヤ人や精神障害者を虐 -
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精神病患者のその後
一部ご紹介します。
・「精神安定剤とは、文字通り精神を安定させるためのものです。それによって幻覚や妄想が激しくなったり、暴力に結びつくことはほとんどありません」
・「再犯の可能性がなくなるまで治療すると言っていますが、可能性のあるなしなど誰にも判断できませんよ。少なくとも医者にはね」
・「私はただ、淡々と患者を治療し退院させます。仮に彼らがホームレスになろうと、自殺しようと、それは医者の責任ではありません。社会の問題だと思いませんか?」
・「僕にはまだよくわからない。だけど、僕はあの二人の姿を町の中で見かけたい」
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風評被害と覚悟
一部ご紹介します。
・「この後世界がどう動いていくか分かりますか?男には精神科の入院歴があるようです。テレビでは既にこのことを繰り返し報じています。今後、事件は精神障害というキーワードと共に語られていくでしょう。ワイドショーにはマスコミ受けのいい精神科医が登場して、実際には診察もしていない男の心理を無責任に語るはずです。それらのニュースをみた人たちは、精神病患者は怖いと思うかもしれません。なぜそんな危険人物を野放しにしたのか、という意見が出てきます。精神病患者が全て犯罪者予備軍であると考える人も出てくるでしょう」
・「精神科の治療の基本は薬です。きちんとした投薬治療を受けていれば、症状はあ -
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同情心と差別感情
一部ご紹介します。
・「精神障害というのは、人と交わる事の障害なんです」
・「私、気づいちゃった。先生、かわいそうな人が好きなんでしょう?障害があって親に受け入れてもらえない赤ちゃんとか、癌で治る見込みがなくて苦しんでいる人とか、先生、かわいそうな人が好きなだけなんでしょ。
…私、かわいそうだよ。好きな人がいるんだけど、その人、私のことなんか好きじゃないの。付き合っている人がいるのに、その人は私と向き合ってくれないの。先生、私、かわいそうだよ。
…ちゃんと見てよ、私のことちゃんと見てよ!」
・「先生、あなたは患者をかわいそうな人たちだと思っているんじゃないんですか?弱くてかわいそうな -
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残された時間
一部ご紹介します。
・「もしも真剣に生きることができたんなら、どうして死ぬときに後悔なんかしますか。必死に生きようとすることと、死を受け入れることはそんなに違うことですか?生と向き合うことは、死と向き合うことと同じことではありませんか?」
・「僕はガンで亡くなる人をかわいそうだとは思いません。ガンは死と向き合い、残していく人たちに別れを告げる時間のある病です。もしもきちんとした終末期のケアを受けられるのなら、その死は決して不幸ではありません。最後まで寄り添ってくれる医者がそこにいる限り、僕はガンで死にたいです」
・「手の大きなお医者さんはね、きっといいお医者さんになれるんだって。…先生は -
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告知
一部ご紹介します。
・「何が正しくて、何が間違っているかなんて誰に決められるんですか?」
「決められないからこそ、ルールが必要なんじゃないのか?」
「先生は僕を否定できますか?答えがないなら、否定も肯定もできないはずです」
・「彼…強いよ。だって弱いってどういう事か知っているから」
・「絶望ってすごいのね。私、知らなかった。絶望ってもっと暗くて色のないものだって思ってた。まぶしいのね。絶望って、いつもの風景をまぶしく見せるのね」
「喜ぶと思っていました。暗闇に糸を垂らせば、飛びつくに決まているって、そんな傲慢な気持ちがあったんだと思います」
「君は人の気持ちが分からない男だものね -
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生きる
一部ご紹介します。
・「生きるって何ですか?答えてください。そんなことに答えられない人が、どうして医者なんてしているんですか?」
・「先生、自分がもうすぐ死ぬってわかっていて、それでも生きることがどんなに怖いか分かりますか?…生きたいに決まってるじゃないですか。少しでも長く生きられるなら、生きたいと思うに決まっているじゃないですか。だけど死の恐怖と引き換えに得た延命に、どれだけの意味があるんですか?」
・「私、嬉しいです。癌が小さくなったって聞いて、私やっぱり嬉しいです。嬉しいけど怖いです。怖いけど嬉しいです。…私、…そんなに強くない」
・「告知をするというのは、その人の人生に踏み込む -
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キャパオーバーのなかで
一部ご紹介します。
・「非常に残念な結果となってしまいましたが、あの時点で我々はどうすることもできませんでした。」
「本当にどうすることもできなかったんですか?」
「一夜明けた今、何を言おうと、全ては結果論です。目の前の患者に責任を果たせない者に医者である資格はありません。受け入れは物理的に不可能でした。努力や根性で解決できる世界じゃない。要するに君は、自分がそんな事に加担したと思いたくないだけじゃないんですか?」
「…違う!」
「僕を否定することで自分を正当化するのなら、それはただの自己満足です」
・「先生はどうして小児科医を続けているんですか?」
「僕がやらなければ、誰がやる -
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無関心と無知
一部ご紹介します。
・「親子ですら利己的にしかなり得ないのら、どうして他人同士が互いを思いやれるのですか?無関心が人を傷つける。無知は罪だ。悪意はなくても全員が共犯者だ。そうは思いませんか?」
・「どうして僕には何にもできないんだ。力が欲しい。今を変える力、全てを壊す力。強いってのは悪いってことだ。」
・「どうして誰もやらないんですか?」
「大人は武器を持たない。なぜなら、武器をもてば、戦わなければならないと知っているからさ。もう何十年も変わらないままだ。その結果、多くの子供が見殺しにされているというのにな」
・「人間に完全も不完全もない。もしもあなたが、社会に差別を受けたのなら、そ -
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可能性
一部ご紹介します。
・「医者はくだらないかい?たとえ医者の世界に失望したとしても、人の命を救うのはくだらない事かい?僕はこのままじゃ嫌だ。だから闘ってやる。理屈なんてどうでもいい。自分の感情を信じる。僕は医者が好きなんだ」
・「病気やけがを治すことだけが、医者が患者にできる何かじゃない。命を救うだとか、最先端の研究だとか、そんなことだけが医者の仕事じゃない。何十年も一人の患者を診続けることだって、死にゆく患者を看取ることだって、手を合わせる事だって、…ただ医者であり続ける事だって」
・「大凶って決めてかかれば、大凶にしかならないのよ。本当は無限の可能性があるのに」
・「みんな、何も考え