あきのレビュー一覧
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仕立屋『薔薇色』を訪れた少年エド。クリスは彼にそっくりだという姉シャロンのドレスを依頼される。屋敷を訪れたクリスは、シャロンの恋の相手を選んでほしいと頼まれ、恋をゲームのように弄ぶ姉弟に困惑する。『薔薇色』のドレスで本当の恋に目覚めたシャロンにエドは反発するが・・・。一方、シャーロックは闇のドレスとクリスの母の関わりに気づき、クリスと向き合う決心をする。姉妹の住む庭を訪れたシャーリーと再会したクリスは、怖かった男性と違い彼のそばにいるとほっとしてくつろげることを告げる。
そっくり姉弟の取り替えっこはよくある話ですが、ドレスが似合う男の子なんて・・・これで性格よければツボだったんですが惜しい!シャロンはいい子だなーと思った。闇のドレスでやってはいけないことをしたのは確かだけど、彼女を空気のように扱う父親も問題があるよねとつい同情してしまいました。親は選べないだけに、理不尽な思いをしてしまうのはいたたまれない。そして少しずつ歩み寄っている主役二人ですが、どちらも身分の差を越えられる段階にはないですね。これから少しずつ頑張っていってほしい。 -
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仕立屋『薔薇色』は恋をかなえるドレスをつくると大評判。仕立て人のクリスと売り子のパメラは、とある公爵のカントリー・ハウスに住み込みでドレスを仕立てることに。公爵の愛娘アップルは気球で飛ぶことを夢見る少女。着飾ることを嫌い、採寸を拒むが、その理由は亡くなった彼女の母親と関係があるらしい。悩むクリスの前に、クリスが密かに思いを寄せる青年貴族・シャーロックが現れて・・・。
今回のお客はちょっと不思議でおてんばな少女アップル。人の痛みを分かれる貴族には珍しいタイプなのではないかと思います。リルと気があって良かったね!肝心の(?)クリスとシャーリーの関係ですが、進むようであまり進んでない。そのうちにシャーリーが暴走すればさらっと進展すると思うんだけどねー(笑)パメラは人を見る目があるなと思う。迷ってるシャーリーの内面をちゃんと分かって、でも悪人じゃないから拒めずにいる彼女なら、意外と将来シャーリーのいい相談役になるかも。 -
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幼い頃に一度会っただけの人に恋するファニー。両親の決めた相手との結婚が目前にせまる中、彼女は婚約者に対し愛を感じられずにいた。ドレスを仕立てに来たファニーの初恋の人がシャーロックだと知ったクリスは、それをシャーロックに話すが彼は不機嫌になってしまう。弁護士のケネスはひょんなことからファニーに興味を持ち、婚約者バルトとその愛人だというイレーネについて調査することになる。ついにファニーがケネスへの思いを告げ、バルトとケネスの間で決闘が行われることになってしまい・・・?!
ケネス、いい男ですね!裏表がないほのぼのした感じの人好きです。にしてもシャーリー・・・何でこんな余裕ないんですかって感じ。一人であせって空まわってますな。ついにクリスは自分の気持ちを自覚しましたが、シャーリーはまだちゃんと自分の恋を意識してませんね。貴族って皆こんな感じなのかな。まさか彼女が先だとは思わなかったです。闇のドレス関連では、リンダが生きているかもという話があってどうなるのか気になります。闇のドレスとはいったい何なのか、リンダの秘密にも絡んでくるのかも。続きが楽しみです。 -
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仕立屋『薔薇色』の店主クリスは内気な少女。着る人の心をドレスに映し出すことができるが、自分の恋には臆病。再起を賭ける女優マーガレット・ベルの舞台衣装を仕立てることになったクリスだが、心の闇を引き出す「闇のドレス」の存在に怯えてしまう。クリスに思いを寄せる公爵の令息・シャーロックは彼女をそっと見守るが、華やかな舞台の裏では事件の兆しが・・・。公演の当日、マーガレットに闇のドレスを着せて自殺させようとするアイリスに遭遇したクリスは倒れてしまう。
とりあえずクリス倒れすぎ。そして頑張りすぎ。パメラより目立たなくても、こうして必死で頑張っている姿をそっと見ている人もいるのよーってほのぼのしました。それにしてもシャーロック・・・何で彼はこんな乙女なの!(笑)いちいち思考が恋する女の子で噴きました。見た目は表紙でもカッコいい男の子なのに。どんなときでもクリスを信頼して頼ってくれないことをもどかしく思ってる彼が好きです。大事に思ってるのはお互い様。これから少しずつでも二人の距離が縮まればいいなぁ。 -
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《第8作》
ー短編集ー
●「恋のドレスとプリンセス・リボン」
:フリル(伯爵令嬢)
…おしゃまなフリルとクリス達との出逢いの話。緑のリボンが結んだ可愛らしい友情が微笑ましい。
●「黄色い花の法則(ルール)」
:ジェイン(経営者の娘)、ダイム(詩人)、ロディ(ジェインの恋人)
●「さびしがりやの王子」
:エル(工場主の娘)、キース(俳優)、カリナ(脚本家)
●「あなたに眠る花の香」
:ダイアナ(ポプリ作りが好きな娘)、エイミ(ダイアナの母)、ミルトン(新聞社の社主)、ヴァージニア(花売り娘、ミルトンの亡くなった恋人)、ドロシー(雑貨屋の女店主)
…ダイアナが恋をしたのは50年もの間姿が変わらない男性。亡くなった恋人を想う彼は何者なのか。
ふわりとポプリの香りが漂うような優しい物語。短編の中に色々な人が出て来てちょっと忙しかったので、もう少し長い中編くらいでもよかったのかも。
●「扉をあけるマリア」
:パメラ
…クリスとパメラの出逢いの物語。
2人の想像以上に壮絶な過去に驚く。パメラがあんなにもクリスを想う理由がわかった気がする。2人とも本当にがんばったんだね。短編にするにはもったいないくらい読み応えがあった。今回の短編の中では一番好きなお話。 -
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《第4作》
●ゲスト:アップル(公爵令嬢・愛人の娘)、モアティエ公爵(父)、メアリ(メイド)、ブライアン(農場主・隣人・幼なじみ)、ラヴィニア(愛人・母)、ケイン(気球少年)
●ドレス:『まだ小さい薔薇ーベイビー・ローズ』、『秘密の森』
●内容:着飾ることを嫌い父親の愛情と自らの出生に疑惑を持つ賢いアップル。愛人の娘である彼女を身分ある家に嫁がせたいモアティエ公爵の親心。
クリスとパメラはアップルのドレスを仕立てる為にケイパビリティハウスというマナー・ハウスに長期滞在する。そこにクリスの滞在を聞きつけたシャーロックが現れる。
●感想:ゲストの話が親子問題中心なので、クリス達の恋物語が光った。アップルとクリスのやりとりがもどかしいけど理にかなっていて好き。パパさん狡い人ね。でも娘を愛する気持ちはわかるよ。
クリスとシャーロック、逢えそうで逢えない2人の距離がいいね。同じ屋敷にいるのに…。ヤキモキするシャーロックが面白い。この人若干へタレなのかしら?笑)2人の心情が珍しく素直に描かれている。特にクリスの気持ちって新鮮。
ピンクのドレスを着るくだりが好き。見たかったね、シャーリー。最後らへんで自問自答するシャーロックは素直でよろしい。大変なのね、貴族様も…。
気球少年の結末にびっくり。こう繋げるかと。若干無理くりな気も…。
アップルは今後また出てきそう。今度は彼女の恋の話なんて読みたいかもね。 -
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《第3作》
●ゲスト:ファニー(男爵令嬢)、ケネス(弁護士)、ノラ(メイド)、バルト卿(農園主)、イレーネ(愛人)
●ドレス:『空の涙』
●内容:初恋の人の為にドレスを仕立てにきたファニー。ひょんなことからファニーに興味を持ったケネス。爵位が欲しいバルト卿。バルト卿を愛するイレーネ。「薔薇色」をきっかけに絡み合う恋模様。明らかになる真実。愛しい人を巡って決闘も…。
●感想:バルト卿嫌なヤツ。最後スカッとする。ノラ、グッジョブ。愛すべき田舎者。ファニーとケネスのその後が気になる。イアン先生ファイト。階級差って大変なのね。
ローストビーフが食べたいぞ!
拗ねるなシャーロック。でもそんな余裕のない君も好きだぞ。 -
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《第2作》
●ゲスト:マーガレット(女優)、カリナ(劇作家)、キース(俳優)、ロバート(父・劇作家)、フリル(伯爵令嬢・いとこ)
●ドレス:舞台『楽園』ルミナの衣装・第一幕「」第二幕「黄色」第三幕「赤色」、『開幕の鐘ーオープニング・ベル』
●内容:マーガレットの再起を賭けた舞台『楽園』の舞台衣装を仕立てることになったクリス。カリナとキース、マーガレットの恋がドレスをきっかけに動き出す。それぞれの出した答えとは…。
一方、華やかな舞台の裏では闇のドレスが関わり事件が…。
●感想:クリスがんばる。フリルかわいい。ナイスキャラ。ピーターいい人。舞台衣装ということもあって、ドレス描写てんこ盛り。キラキラひらひら。
キースの狡い性格嫌いじゃない。もうちょっと彼についてちゃんと描かれていればもっと感情移入できたかも。まぁ、主役はあくまでドレスを着る婦人ですしな。 -
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《第1作》
●ゲスト:シャーロック(公爵子息・侯爵)、フローレンス(公爵令嬢・妹)、アンディ(貿易商)、アイリス(メイド)、イアン(医者)
●ドレス:『声ーvoice』
●内容:足の悪いフローレンスとその原因を作ったアンディ。2人の心がドレスを通じて変化していく。
クリスとシャーロックの出会い、闇のドレスとの戦いのはじまり。
●感想:ゲストの恋中心なので主人公の恋物語はゆったりまったり。これだけではいまいち掴みきれない感じ。
高慢ちきな性格のシャーロックと、地味であろうと頑な性格のクリスが設定的に好み。脇を添えるパメラの明るいキャラもいい感じ。
ドレスが人をっていうのがいまいちピンとこないけど、今後また印象変わりそう。ドレス描写は好き。次が楽しみ。 -
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“(本当に下手な探偵ね、あなた。あたしは体を売ったことなんかない)
パメラは、ロンドンの『薔薇色』は知らない、と言っていた。
もしかしたら、パメラは――パメラとクリスが出会ったのは、この街だったのではないか。それは、母に利用されて働かされていた優しい少女と、たまたま美貌だったためにどこかから売られてきた賢い少女との、すがるような出会いだったのではないか。
パメラは少女にしては達観しているところがある。ときどき、つい年下であることを忘れてしまうほどだ。パメラを好きになる男性にはことかかないだろうに、恋人はいない。”
毎回毎回依頼人たちの抱えている問題の根本が巧みに隠されていて飽きない。
緩やかに二人の恋は進展中、と。
“「……きみの恋人になる男は、幸せだろうな」
話を変えると、クリスは首をかしげて、目をまばたかせた。髪がさらりと揺れて、片方の耳から首までを隠した。
「わたしのですか?」
「そう。きみといると、とても安らぐよ。そんなふうに誰かに言われたことはない?」
「ありません。あの――パメラは、男の方からいろいろ言われたりしているみたいなんですけど、わたしには」
だが、いずれ、あるのだろう、とシャーロックは思った。” -
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19世紀のイギリス。ロンドン郊外の町リーフスタウンヒルにある仕立屋「薔薇色」(ローズ・カラーズ)。店主クリスの仕立てるドレスは恋をかなえてくれると大評判。噂を聞いた公爵の令息・シャーロックは立つことのできない妹フローレンスのドレスを頼む。採寸のため屋敷を訪れるクリス。恋のドレスはフローレンスの心を映し出す。そこには思いがけない秘密が隠されていて・・・。婚約者アンディたちとともに晩餐会に出席することになったクリスは、そこで闇のドレスの威力を思い知る・・・。
身分差恋愛の王道っぽいけど、主人公が超受身で自分の気持ちになると分からなくなるってところが面白いです。これからシャーロックに対してだんだん心を開いていく(はず・・・!)だろうし、その辺はコバルト文庫だし心配ないし(笑)ドレスやら晩餐会やら、伯妖に似た世界観で、ヴィクトリア朝はいいですね。この時代の華やかな様子を思い浮かべると憧れを感じずにはいられません。次巻以降、闇のドレスについてまた事件が起こったりするのかしら。クリスの過去話もまだ出てきそうですね。気長に読んでいきたい。 -
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“パメラはため息をついた。
店の利益よりも人の想いを大事にするのはクリスのいいところだし、だからこそ『薔薇色』のドレスは恋のドレスとして有名になったのだ。ここで、仕事なんだから、もっと割り切っていきましょうよ、と提案することはできない。
ことにクリスはこのところ――青年貴族のシャーロックのことを意識しはじめてから――かなわない恋に身を焦がす少女に対してやけに同情するようになっている。
『薔薇色』の売り子兼経理担当としては困ったものだ、と思いながらも、親友としては、クリスの気持ちを大切にしてやりたい。
「ミスター・ミルトンが来るのは水曜日なのね。だったら、あたしが今度見てくるわ。ミス・ドロシーの話もきいてくる。どうせ買い物のついでだしね。大丈夫、あのおばさんとは仲がいいのよ」
パメラが言うと、クリスはほっとしたようにうなずいた。その顔をみて、ついよけいなことを言ってしまう。
「あんたは、シャーロックに訊いてみたらどう?ミスター・ミルトンは新聞社を経営しているんでしょう。シャーロックなら知っているかもしれないわよ」
とたんにクリスがうつむいた。
ペメラはあきれて紅茶を飲みほした。言うまでもなく、いちばん恋のドレスを着るべきなのはクリスなのだ。
ついでに、自分のことをどう思っているのか尋ねてみたらどう、と言ってやりたいのをぐっとこらえる。”
短編集。
「あなたに眠る花の香」が一番良かった。
ハッピーエンドすぐる。
パメラの過去がちょっと意外。
“「では、もしよろしければ、あたしに、花を飾らせていただけませんか」
ミルトンの足がついにとまり、ダイアナをじっと見つめる。ダイアナはそっと顔をあげた。やわらかな花の香りがたちのぼる。
「ポプリなら、冬でも花びらを楽しめます。もし、あなたのおとうさまのお好きな香りを教えていただけるなら、あたし、いっしょうけんめい、つくります」
ミルトンは、ダイアナをじっと見つめていたが、やがて、答えた。
「実は……ぼくも、あなたにそうお願いできたら、どんなに素敵かと思っていました」
ダイアナは、にっこりと笑った。ミルトンが、照れくさそうに笑い返す。顔いっぱいに、笑いじわが寄った。” -
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“クリスはかすかに笑った。
この人は強い、それは事実なのだろうと思う。けれど、弱い、とも思う。
妹に対して、親友に対して、あるいは祖国や家、愛するものに対して――見せる弱さは誇りと自信の影に隠れて、本人さえ気づかないから、よけい、もろい。もろくて、優しい。
「何がおかしい?」
シャーロックの声がけげんそうになる。否定されることに慣れていないのだ。
「あなたが、おかしいのです」
クリスは素直に言った。シャーロックが心外な、といった顔になる。
「俺が?」
「そう。それに、わたしもおかしいんです。わたしはこれまで、ずっと、とても怖かったのに。男の人は、怖くて、ずるくて、女の人の心をさらっていくものだと思っていました」
地面を踏みしめる音が、幸せだった。シャーロックはクリスのために、歩調をゆっくりにしてくれている。怖いどころか、ただ守られて、安心するだけだ。
ああ、きっとシャロンと同じなんだわ、とクリスは思った。知らないから、怖かったの。怖かったから、見ないようにしてきたの。
必死の思いで目を閉じて、自分の心を隠してきた。恋をしないように。恋をしたら、わたしの心は知らない、怖い、醜い世界に行ってしまう。もう、恋のドレスをつくれなくなる、そう思って。
それなのに、今、目を開けてみると、この人がいる世界は、見たこともないくらい美しい。”
エドとシャロンが二人とも闇のドレスを着てしまった…の件がいまいちよくわからなかった。
うーん、読解力の低下?
パメラとイアン先生もっとくっつけばいいのに……とか。
他人の視線があると、クリスは駄目なのかな。
“「……期待していたのは、確かだね。問題は、ぼくが期待に応えられなかった、ってところだよ。一年たってもやっぱりぼくが小さくて、体も弱いってことを知ったら、きっとジョンはがっかりするだろうよ」
エドはうつむいて、くっと笑った。
「ぼくが、女の子だったらよかったんだよね。それで、シャロンが、男の子だったら。シャロンと、よくそう話したよ。……シャロンも、そうだったらいいって言ってた。わたしなら、ジョンの怖いおしおきなんかにも、耐えられるだろうって」
「おとうさまのことは――おとうさまのような男の人のことは、シャロンさまも、怖がっておられましたわ」
「シャロンは、ぼくがされたことを自分がされたように思ってしまうんだよ」
エドはそれだけ言って、ぐったりと背もたれに体をもたせかけた。
「どうして、ジョンのことなんか訊くの、クリス」
エドがぽつりと言った。”