西炯子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
疑似恋愛と孤独が具現化した様な嶽野。本人は息してちゃんと生きてるんだけど、周囲の人間に「手の届かない皆を喜ばせる楽しい人」と言うか、みんなの○○さんになっちゃって、1対1の関係性に踏み出して貰えない人気者の孤独を持ってるキャラだなー、って。独立独歩の人ですよねぇ…器用貧乏とも言うかもしれませんが。孤独じゃないだろう、と誤解されがちと言いますか。独に慣れてる人だなー。人がいないから寂しいではなくて、もうそう言うの、だいぶ前にないものだ、って知ってる人なんだなぁ、って。おタケさんの話ってこの「ここにおいで」「水が氷になるとき」「もうひとつの海」「Teenage」の4作だけだったろうか…記憶が曖昧に
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Posted by ブクログ
当時、今で言う所のBL的なものを摂取しようと思うと、元祖のJUNEか、プチフラワーに掲載される作家さんを張っているしかない、と言う状況だった。プチフラワーと言う雑誌は、それだけ当たりが来る確率の高い雑誌だった。少女漫画のジャンルのくくりに独自性があって、好きな人間にはタマランものがあった。西炯子さんのコミックスは出る度に買った。今回再読して、何より記憶に残っていたのは、1話1話と言うよりは、読んだ当時、舐めるように見た「止め絵」だった。おタケさんの丸ピアスの描き方とか、もう、本当に穴が開くほど見つめた。
今読むと、現在自分が読んでいるBL作家さんの絵の方が抜群に上手い、上手いが、当時、一見線が -
Posted by ブクログ
どこにでもある地獄。 そして天国。
という4巻の帯がつきささる。秀逸。
主人公の過去の鬱屈した初恋の記憶も、現在の不倫の結末もどこにでもきっとある話。しかし、そんな現実にすら夢を見たい女子のためのこれはファンタジー。
男のひとと切れた瞬間からなんとなく服が雑になって、化粧も適当になって、なんとなく仕事に身を入れてみたり、若い妹を遠目で眺めてみる40前未婚女子、愛に恋にと生きてはいけないヨリ姉さん。しかしヨリさんはあくまで美しい。主人公が愛される不倫相手は変態だが最低限誠実でやっぱりキレイ。
そんなファンタジー。
はらはらと主人公がひとりきり流す涙に、あっ、こういう地獄ってあるよね、と心えぐられ