池上正樹のレビュー一覧
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高齢者の貧困率は統計的に改善を見る一方で、深刻化しているのが40代中年層と子ども。
高齢者の改善は、終身雇用で年金を満額でもらえる層の増加。でも、バブル崩壊後リストラの煽りを受けた方々も多いでしょうし、一概にそう言えるのかはよく分からない。
下流中年の背景には、就職氷河期に遭遇し、雇用の調整弁として使われてきた世代であるということ。派遣労働から抜け出せず、給与も年金も低いまま推移。
決して個々人の能力の問題でなく、社会が作り出した作られた下流。この世代が高齢化する中で、社会の助けを必要としてくる。
このツケにどう向き合っていくのか?重たい課題。 -
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下流老人よりも、下流中年の問題の方が深刻。
1度、非正規に落ちたら、戻ることのできない悲劇。上司からの罵倒や、職安からのダメだしなどの悲観的な話。コミュニケーション能力の大切さ。
差別や格差はいけないと言うけど、この先も解決されない問題と認識すべきではないのか。
非正規は正社員にならないといけないのか。もう10年以上も言われてる話だけど、なれないし、ならなくて良いのでは。
あまりにも、年配のひとたちの右肩上がりの時代の当然に付き合って、傷付かなくて良いのではないか。
誰かが何とかしてくれる。実際のところ、誰も何もしてくれない。結局のところ、自分しか信用できないと言うこと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレひきこもりは簡単なきっかけで起こり得るということ、ひきこもりが発達障害から来ている場合もあること、逆にひきこもりが新たな障害や病気を作っている場合もあること、対人関係・就職問題・貧困など様々な社会上の問題をたくさん抱えざるを得ない状況に置かれてしまうこと、などわかりきっていることから意外と知らなかったり、見落としがちだったりすることまで網羅されていると思います。
ハローワークの話はちょっと衝撃でした。
「ハローワークは何度も行くと大抵『こいつ前にここで会ってる』ってヤツに出くわす。何年経っても何回も出くわしてお互いに心の中で『ああ、こいつもまた仕事だめだったんだな』って思いあってるのがわかる -
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2014年10月発行。
自分のことだと思い読みました。苦笑。
先日読んだ「反貧困」にも通じる内容でした。
少し違う視点としてこの本は40代や50代のひきこもりが相当数いることを強調している点です。
後半からは、ひきこもりの人たちが、社会の輪に入りやすいコミュニティーや施設、大学の話が出てきます。
僕自身、仕事柄ひきこもりみたいなものなので人ごとではなく読めました。
自己責任という言葉。他人に迷惑をかけないという美徳。こういう考え方が当事者にとって社会に出る際に大きな足かせとなっているのは間違いないなと感じます。
自分の仕事を考えてみると、
ここ最近は、もっと社会に役立つ仕事をしたいな -
Posted by ブクログ
他人事では済まされない危機感と他者への優しさを再認識させる本である。
ヒキコモリは他人事ではない。調査はあてにならない。40代以上が把握の対象になっていないからである。社会との関係を絶ってしまっているし、光も当たっていないようだ。それ故根深い。
原因の言及もあるが、銀の弾は無い。風邪をひいたからといって薬を飲むが特効薬ははいのと一緒である。唯一のカギは、身の廻りの人と関係を続けていくこと。配偶者や子供だけでなく、同じ志の同年代、世代を超えた関係を常に持ち続けることが大事である。
当事者がイチバン辛いのだろうが、自らの殻を破る事が大事である。ある医者は「歩くとこ」が大事だと言っていた。もともと動