成田悠輔のレビュー一覧
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印象に残ったのは、政治家は必ずしも「人間」だけとは限らない。猫やゴキブリにだってなれる。妄想の話ではなくノンフィクションであり、実際に世界で動物が当選した事例も多々あり。
ただ、現実問題言葉も話せない動物が政治家になるのは不可能であろうと私は思うが、その考えを一変させる少し現実離れした内容ではあった。
政治家のデータやあらゆるデータをアルゴリズムというデータ管理に基づき管理して透明性を保持する。無意識的民主主義というものが近い将来訪れるかもしれないと頭の片隅に芽生えたお話でした。
莫大なデータから蓄積し、最適な答えを出せるようになれば、政治家は猫でもゴキブリでもなれる世界が訪れ、叩けば叩くほど -
Posted by ブクログ
サンデルの「実力も運のうち」から成田悠輔に。共通するのは多くの持たざる人達をいかに救済するか。ただ、著者の場合は、救済するとかいう能動的な話ではなく、そうなるという話。資本主義に疲れお金という一次元の価値尺度でなく、個人の履歴に基づく測定できない価値の交換の社会になると。徳を積めと?22世紀の話なので誰も真偽は確かめらない著者の妄想 (保険を掛けた) とも言えるが、皮肉たっぷり、斜め上からの視点、見識の広さは健在でファンとしては面白い。
1章は結構事例を交えて論拠を語られていて「へー、そんなのあるんだ」と勉強になる。General Magicとか、懐かしい会社も。ただ、2章のバーチャル世界的 -
Posted by ブクログ
格差も加速度的に広がり、いまの資本主義社会のシステムに終わりが見えてきたのは事実。また、お金以外の何かが生まれることを、自分が子どもの頃には考えもしなかったことを考えると、お金が絶滅することもあながちあり得るのかも・・。とはいえ、まだまだ未来の話であり、具体的な例もあまり多くなく、読んでいてなかなか頭に入って来なかったのが正直なところ。
小説も含め、わりとふりきった設定?内容?の作品が好きなので、最後まで読むことができたが、そうでなければ、ちょっとキツいかもしれない。あくまでも22世紀(2101年〜)の資本主義はこうなるのかも、と思って手にするのが吉。 ★3.4 -
Posted by ブクログ
読みやすかったけど、資本主義の本のあとに読んだら、またそのパターンかと感じてしまった。
要は人間が担うと色々物理的に制約ができて平等性とか公平性にかけるので、アルゴリズムで解像度が高いままのデータで自動化できるようにしましょうという話に聞こえた。
なんとなく言いたいことは分かったが、本書の中でも語られている、アルゴリズム化することの現実的な問題点について、もっと深く考察してほしかった。予想ではなく予測と言っていたが、夢物語のような内容にしか聞こえなかった。
とはいえ、読み物としては非常に面白くボリュームも程よいので気持ちよく中だるみせず最後まで楽しく読めた。
次回作に期待したい。
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Posted by ブクログ
現在の選挙制度のなかでいくら投票に行こうと呼びかけて頑張るより、選挙や政治、民主主義というゲームのルールをどう作り変えるかを考えるべきだ、という主張は強く共感できた。
一般庶民には少々難解な表現も多いが、鋭い着眼点や様々な参考文献を用いた説得力のある文章と、シュールなユーモアは流石だなと思った。
⚫︎ インターネットやSNSの浸透により、民主主義の劣化は民主的な国であるほど加速している。
⚫︎ シンガポールの大臣の給与は成果報酬型で、給与の30〜40パーセントはGDPなどの指標の達成度に応じたボーナスになっている。
⚫︎ 教育の過剰によって、有権者は高学歴になる程独善的になり、議論と反 -
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作者の主張: 民主主義が劣化している。その原因は、現在の選挙制度は、数年に一回、すべての論点の判断を委ねる政治家を選ぶという極めて大雑把なものなので、各種の政治的判断についての人々の民意を汲み取り、実際の政治運営に生かす制度としての性能が低いからだ。
作者の提案は、選挙制度に代えて、SNSなどの人々の欲望、意向が反映されている社会内の情報をインターネットを使って汲み取り、AIを使って分析し、各種の論点・テーマごとに、民意を反映する制度を導入すること。
そして、人間の政治家に何が残されるかというと、政治家には運営がうまくいったときに誉めるためのアイドルや運営がまずく行ったときに責任を押し付ける -
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明日世界が滅びるとしたら
もう少し違う本を読むかも。
でも今日はわたしはこの本を読んだわけなんだけど。
でも明日世界が滅びるとわかっているなら、宮沢賢治の詩集とか,もう少し違うものを読んでいるかも。
…人の無意識というのは人が思っているよりもずっと深いんでないかなという気がする
フロイトさんを思い出すわけではないけど、文脈的に当然そういう含みもあって、無意識民主主義と言われても全然楽しい未来に乾杯できる気分になれはしない
SF?のわりにはあまり良い気分にならず
なんとなく直感的にはすでに現実になりつつあると思うところはあるけど(選挙に行かないのも無意識のなすところじゃない?)
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成田さん
・不真面目に、遊びや趣味の延長線をフラフラと生きている人の方が、競争力を持つ社会になる?王道人生を歩む道からズレるように工夫した方がいいなと思った。
斉藤さん
・アメリカと日本の比較。格差の大きいアメリカ→資本主義は間違っているのでは。
・問題の外部化。時間・場所的軸において。先進国が利益追求、環境配慮するために、遠く離れた後進国から搾取している→商社で働く上で、そうなのか実際に自分の目で見て、それを改善する、そうしないで日本を豊かにできるようにしたい。忘れてはならない視点。
・更なる豊かさを求めることが目的になっている。資本主義に組み込まれている私たち。特に会社で働く上では気をつ -
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ネタバレ編集中
本書に関しては成田先生のTwitterで紹介されていたのを見て、購読するに至った。
私自身システムエンジニアとして働いている身でAIについては一般の方よりは多少詳しいと自負していたが、アメリカやインドでの実像については本書でかなり勉強になった。
思想としては社会学的な要素が多く、解決策として協同することの意義を推している印象を感じた。
私個人としてはオンデマンドワークの良いところには目がいっていたが、生活基盤的な補償の観点は大きく見過ごしていたと理解した。
これからの働き方にはオンデマンドワークは必要になってくることは世の中の少子高齢化や格差社会などの流れ的にも想像できそうだと感 -
Posted by ブクログ
本書に興味をもったきっかけである成田氏と斎藤氏に関しては、それぞれの著作やYoutube動画などを通して、研究内容と主張は理解していた。
本書ではその再確認といった感じだったため特に大きな発見はなく、
一方で自分が知らなかった小島氏と内田氏の研究などについては興味深く楽しく読めた。
日本で注目される天才たちの先端研究を、まとめてサクッと読める点には強いメリットがあるので、それぞれの著作を読んだことがない人にはとても良いだろう。
なんせ読みやすい。
成田氏から小島氏までの章を通して読んで特に気になった点は、
「重大な意思決定を行う人も、基本的に自分のそれまでの経験をもとに判断を下す」という事実