成田悠輔のレビュー一覧
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データ科学を応用して、今のいまいちな民主主義に対して次のスタイルを提案している。
素晴らしいのは、具体的な案を提案していることだ。
投票して代表を選ぶシステムではなく、未来の機械が人間の無意識を読んで自動で理想の政策を運用していく世界。
票の重さを変えるなど。
理想論を展開し、どれも合理的で良い方法だと思わせてくれる。
ただ、あくまで民主主義ではある。
民主主義自体の弱点として、衆愚政治のリスクがある。
特に民衆の考えをコンピューターが自動的に読んで、人々の想いを実現していく、つまり究極の民意の反映は、民衆は根本的に馬鹿なので上手く機能しなくなるんじゃなかろうかとは思う。
何よりも代表を必 -
Posted by ブクログ
「どうせ最後は“AIで社会を良くしよう”って話でしょ?」――そう思って読み始めた自分を、成田悠輔『22世紀の資本主義』はあっさり裏切った。
本書は、政治・経済・倫理の“前提そのもの”をリセットしにくる刺激的な思想書だ。
成田さんは、社会を動かす三つの仕組み――共同体・国家・市場――を「再配分の装置」と定義する。
そしてそれぞれが限界を迎えた今、第四の仕組みとして「アートークン」を提示する。
これは富や承認を集めるための道具ではなく、「贈与と解消の循環」をつくるための仕組み。
信頼を“蓄積”するのではなく、“流通”させることで社会の硬直をほぐしていくという発想だ(資本主義の苦しみからの自由)。 -
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先に「22世紀の資本主義」を読んでから本書を読んだ。例によってBOOKOFFオンラインにて購入。副題の「選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」の意味が読み終わってよくわかった。
そもそも著者の成田悠輔という人をあまり知らなくて、そういえばフレームが右は丸くて左は四角い(あるいはその逆)変な眼鏡をかけている人がテレビに出ていたな…という程度の認識だった。
本の著者略歴を見て、学者であり実業家であり社会課題に取り組む人だとわかった。新進気鋭の、というところか。
そもそも選挙という旧態然とした制度が必要か?ということについて、テクノロジーが進んでいる現代においては「民意」というものをデー -
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「『お金で幸せは買えない』と言う人はどこで買えるか知らないだけだ」
ー作家・詩人ガートルード・スタイン
はい、成田悠輔さんと22世紀を夢想する
今回は資本主義についてのお話
今回も色々ぶったまげた妄想を展開してくれますが、やっぱり妙な説得力
ちょっとありそう
いやあったら面白いかも
「お金」についての成田さん流定義は、(めちゃざっくり言うと)ぼんやりとした記録であるとのこと
そしてデータ化とその記録の精度や保存が爆発的に増えた現在すでに一物多価が始まっていて、将来的にはさらに増えて行くと夢想
これが面白いんよ
あ、一物多価ってのはひとつの品物に様々な値段が付くってことね
例え -
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成田さんが政治のYouTubeでよく出てくるようになり、まともなこと言ってるなーと思って本を手に取ってみました。
うーん、お金と資本主義嫌いすぎない?笑
本人は好きとか嫌いじゃなく、今の資本主義は破綻してるよねと思ってると私は勝手に思ってるけど、文章読んだら嫌いそうだなーと感じました笑
とはいえその通りだと思うし、お金を稼ぐゲームが好きじゃない人にとって生きにくい世界だなと前から思ってたので、きっとそうなっていくんだろうなーと思いましたよ。SFっぽく感じるけど。
めちゃくちゃ読むのが難しいけど、紐解いてみると100%正しく書くとそうなるんだろうけど、80%くらいなら簡単に言えるのにな〜 -
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市場でも国家でも共同体でもない、高次元の共同形態を目指す。今後全てがデータ化し経済化する中、どこかの臨界点でお金、測れる経済が蒸発する瞬間が来る。
今の不平等は再分配の問題でもなく、測れること。お金が交換価値以外の価値を持ち始めたこと。
大胆な未来予測だけど、贈与と資本主義経済、福祉国家それぞれの課題を解決するものとしての妄想としては十分興味深い。
前提として、プロックチェーンなどがあれば、特定の誰かに情報を管理される監視社会にはならないとしているのか?
あと、関係性の価値をデータが単純に設計できるかは今時点で疑問。たとえば、孫が祖父母の家に下宿することで、家賃と家事を孫が祖父母に寄生 -
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選挙の日に成田悠輔さんと民主主義について考えてみた
成田さんは「選挙に行って政治を変えよう!」というスローガンを真っ向否定
選挙に行っても何も変わらん!と断言します
いや極論すぎひん?と思ったんだが、読んでるうちにちょっと納得させられちゃいましたw
でも確かに「民主主義」というシステムが老朽化して腐り始めてるって意見は全くその通り
だからって「専制主義」は勘弁願いたいので「民主主義」に革命的変革が必要!
そして成田さんの構想とは…詳しくは読んでもらいたいのだが、感想としては「バカなこと言ってるなぁ〜」だ
だが、そのバカなことが非常に面白く、まるっきり夢の話でもなさそうで、しかもなんだかそ -
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ネタバレ【総評】
- インターネットの普及に伴う社会変容と、民主主義における意思決定の遅れとのギャップはますます深刻化している
- この課題にどう向き合い、どのような未来を描くべきかを考えるための重要な視点を提供する一冊
- 著者が提唱する「無意識民主主義」は、現行の民主主義の限界を鋭く指摘し、興味深い構想を提示している
- 100年後には、類似のシステムが実現する可能性があると感じさせる
- 思考を更新したい人や、民主主義の未来に関心がある人におすすめ
〜以下、内容メモ〜
【0】民主主義の衰退
- インターネットの普及が民主主義を危機的状況に追い込んでいる
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最近成田悠輔さんが気になって仕方なくなって著書読んでみました
民主主義の劣化を指摘した後で考えられる提案を3つ提示
⑴現存の民主主義と戦う
⑵民主主義から逃走する
⑶アルゴリズムで選挙と政策決定を管理するという新しい民主主義を構築する
提案の内最初の2つが機能しない理由、最後に残ったSF的提案の根拠
科学的根拠のあるSF小説を読んでいる気分でした
次世紀には実現してそう
時代遅れな参院選のお祭り騒ぎの中2022年6月に脱稿した、と書いてあったけど2024年の都知事選で5位だった安野さんはこの本を実現しようとされたのかな
ご自身は政治学の専門家ではない、と言っておられるけど論文や書物の -
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これまでの日本はそれはそれで良かった。ただ、いつまでも良い訳ではなく、最近ではそれにしがみつくことがこの国の足を大きく引っ張ってきいるとも言える。そんな状況下で過去からの流れに影響されることなく自由に研究してきた人達が目の前の問題、将来の課題に対する意見や解決策を述べている。非常に頼もしい意見ばかりだ。
社会に役立つための研究をしている訳ではなく、自分が取り組んできた研究が社会のこういうところに役立つはずだ、という考えがとてもいい。こういう人達に任せたいと思ってしまう。
絶対的安心がないと採用しないという日本独自の安全策に見切りをつけて、この人達の考えを試しに一度取り入れてみるという方法はない -
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4人の天才たちとは,成田悠輔,斎藤幸平,小島武仁,内田舞。それぞれ,外国でも注目されている日本の知性たちです。
このうち,わたしが著作を読んだことのある人は,斎藤幸平さんだけ。
どの方の意見も,説得力に富んでいて,なかなか刺激的でした。
本書の編集者である高橋弘樹氏は,「おわりに」で次のように述べています。
この本はぜひ,ゆるめのBGMのかかったカフェや,ヒーリングミュージックのかかった寝室でゴロゴロしながら,読んでいただければと思います。(本書,207ぺ)
わたしは,テレビが鳴っている様な場所では本は読めないのですが,自宅の炬燵に寝っ転がって,延べ4時間くらいで読み終わりま