成田悠輔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本から得た学びは2つ。1つ目は、この社会では許される自由と許されない自由があることを再認識することが出来たこと。2つ目は、権威やルールに反発して盲目的に自由を主張することと、多数派の意見や慣習を鵜呑みにしてそれを「正しい」行動だとみなすことは本質的には同じだと理解出来たことだな。
1つめの学びについては言語化すると当然のことのようにも思えるが、どこに線を引くかは非常に難しい。特に昨今では、多様性という言葉が飛び交い自由な意見や考えを表明できるからこそ、極端な自由までも認容されている気がする。自分自身も少なからずそのような風潮に影響を受け、何者からも束縛されない自由を求める気持ちが芽生えるときがあるが、自由は程度問題であると断言してもらえると、少しばかりか救われた気持ちになった。
2つ目の学びについては、自由になりたい本能を理性で制御することが当然ながら正しいものだと考えていたが、主流な考え・行動の根拠を知らないままに、盲目的に慣習に従うことの危うさを再確認できた。自分の信念が今の世の中において主流なものであればあるだけ、その根拠を理解するために反対意見に耳を傾けると、自分の信念もより強固なものになりそうである。
この本では、社会が主体者となって、社会や国家がどの程度個人の自由を制限してよいかということをテーマにしている本であるが、主客を逆にして個人はどこまで自分の自由を行使してもよいのかと読むことも出来る。個人vs社会の関係性においては「危険原則」が自由の原則になるわけだが、1vs1の関係性における自由、例えば夫婦におけるそれぞれの自由など、個人間の自由の話となると、論点はまた変わってくるだろう。このあたりについては『自由論』で触れられていなかったため、個人的にもっと知りたいところである。 -
Posted by ブクログ
データ科学を応用して、今のいまいちな民主主義に対して次のスタイルを提案している。
素晴らしいのは、具体的な案を提案していることだ。
投票して代表を選ぶシステムではなく、未来の機械が人間の無意識を読んで自動で理想の政策を運用していく世界。
票の重さを変えるなど。
理想論を展開し、どれも合理的で良い方法だと思わせてくれる。
ただ、あくまで民主主義ではある。
民主主義自体の弱点として、衆愚政治のリスクがある。
特に民衆の考えをコンピューターが自動的に読んで、人々の想いを実現していく、つまり究極の民意の反映は、民衆は根本的に馬鹿なので上手く機能しなくなるんじゃなかろうかとは思う。
何よりも代表を必要しなくなるのは、利権をとっている人々に反対される。
人間の社会システムとして不平等は大前提で成り立っているので、やはり成立は難しいだろうと思う。
このあたりは、成田氏の22世紀の資本主義にも通じる。
ただ、そういった部分をなしにして、仮に民主主義で民意をダイレクトに反映させてくれるような政治体制を実現するなら、という前提で考えると、とても素晴らしい本だと思う。 -
Posted by ブクログ
「どうせ最後は“AIで社会を良くしよう”って話でしょ?」――そう思って読み始めた自分を、成田悠輔『22世紀の資本主義』はあっさり裏切った。
本書は、政治・経済・倫理の“前提そのもの”をリセットしにくる刺激的な思想書だ。
成田さんは、社会を動かす三つの仕組み――共同体・国家・市場――を「再配分の装置」と定義する。
そしてそれぞれが限界を迎えた今、第四の仕組みとして「アートークン」を提示する。
これは富や承認を集めるための道具ではなく、「贈与と解消の循環」をつくるための仕組み。
信頼を“蓄積”するのではなく、“流通”させることで社会の硬直をほぐしていくという発想だ(資本主義の苦しみからの自由)。
読みながら感じたのは、これは単なる経済書ではなく、人間の“信頼の使い方”を再定義する哲学書だということ。
税金でも投票でもない、新しい再配分――それは「信頼を軽くする技術」なのかもしれない。
読後には、政治も市場も「いらないかもしれない」とすら思えてくる。
イデオロギーを破壊的に更新したい人へ。
この本は、22世紀の未来をのぞき見る思想の方舟だ。 -
Posted by ブクログ
先に「22世紀の資本主義」を読んでから本書を読んだ。例によってBOOKOFFオンラインにて購入。副題の「選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」の意味が読み終わってよくわかった。
そもそも著者の成田悠輔という人をあまり知らなくて、そういえばフレームが右は丸くて左は四角い(あるいはその逆)変な眼鏡をかけている人がテレビに出ていたな…という程度の認識だった。
本の著者略歴を見て、学者であり実業家であり社会課題に取り組む人だとわかった。新進気鋭の、というところか。
そもそも選挙という旧態然とした制度が必要か?ということについて、テクノロジーが進んでいる現代においては「民意」というものをデータ化しアルゴリズムによって政策決定した方が的確では、ということが書いてある。
実際、他の分野ではデータとアルゴリズムによる分析が進んでいるという例に軍事分野や政策金利設定などが挙げられている。そういうテクノロジーの進化は着々と進んでいるようだ。
不完全な人間になんか任せないで、アルゴリズムによる民意を汲んだ方がよほどいいのかもしれないけれど、全てがデータ化された社会というのはなんとなく息苦しい気もするし、SFチックだ。
面白かったけれど、そんな未来には私はどこかデータ化の手が届かない国へ移住したい。 -
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選挙の日に成田悠輔さんと民主主義について考えてみた
成田さんは「選挙に行って政治を変えよう!」というスローガンを真っ向否定
選挙に行っても何も変わらん!と断言します
いや極論すぎひん?と思ったんだが、読んでるうちにちょっと納得させられちゃいましたw
でも確かに「民主主義」というシステムが老朽化して腐り始めてるって意見は全くその通り
だからって「専制主義」は勘弁願いたいので「民主主義」に革命的変革が必要!
そして成田さんの構想とは…詳しくは読んでもらいたいのだが、感想としては「バカなこと言ってるなぁ〜」だ
だが、そのバカなことが非常に面白く、まるっきり夢の話でもなさそうで、しかもなんだかそんな「民主主義」もありなんちゃう?と思わせる
すげーな成田さん
そしてそしてこの本を読みつつ選挙の日に思ったのは、改めて自分の思っていること望んでいることとまるっと一致する候補者や政党を見つけだすのは、やっぱり無理なので、どこで妥協するかってのが、今の選挙なんよな〜ってこと
なのでなんかもっとこうグラデーションをつけた、政策ごとに投票できるようなシステムは無理なんかな〜?って
成田さんの言うアルゴリズムを使えば出来そうなんだけど
「黙ってる」みたいな意思表示とかできんもんかね?
例えばLGBTに関する制度とかさ
わいはそういった本を読んだあとのレビューでもよく書くんだが、LGBTの人の気持ちは理解できんのよ、全く
でもそういう人がいてもぜんぜんいいと思うし、そういう人もちゃんと幸せに暮らしてほしいな〜とぼんやり思うわけ
で、そのためには今の制度では足りないところがいっぱいあるってことはそうなんだろうと思う
じゃあどういう制度がいいの?ってなったときに、わいはそういう人たちが何を望んでるか分からんので、分かる人にお任せして「黙ってます」いいようにして下さいちょっとくらいのマイナスだったら引き受けますという考えなんだが、そういう細かいところまで反映させることできないかなぁ
成田さんの言ってることが実現したらできそうなんだよなぁ〜
アルゴリズムにちょっと期待してみてもいいかもな〜 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【総評】
- インターネットの普及に伴う社会変容と、民主主義における意思決定の遅れとのギャップはますます深刻化している
- この課題にどう向き合い、どのような未来を描くべきかを考えるための重要な視点を提供する一冊
- 著者が提唱する「無意識民主主義」は、現行の民主主義の限界を鋭く指摘し、興味深い構想を提示している
- 100年後には、類似のシステムが実現する可能性があると感じさせる
- 思考を更新したい人や、民主主義の未来に関心がある人におすすめ
〜以下、内容メモ〜
【0】民主主義の衰退
- インターネットの普及が民主主義を危機的状況に追い込んでいる
- SNSがイデオロギーの分断を加速
- 社会の急速な変化に対して、従来の民主主義による意思決定が遅すぎる
【1】闘争
- 選挙のUI設計や液体民主主義導入など、民主主義を改善する動きが存在
- しかし、現行の制度内で当選した政治家が改革を進める可能性は低い
【2】逃走
- 民主主義に対する失望から、一部のエリートが政治から距離を置く傾向
- ただし、この個別的な動きでは社会全体の変革には繋がらず、根本的な解決には至らない
【3】構想 〜無意識民主主義〜
- 人間のデータをセンシングし、政策ごとの重要度を明確化
- アルゴリズムに基づき政策を決定し、社会の意識や行動データを反映
- これにより、従来の民主主義の遅れを克服し、社会の変化に即応できる可能性
- 結果として、民主主義の質と速度を向上させる可能性を秘めている -
Posted by ブクログ
これまでの日本はそれはそれで良かった。ただ、いつまでも良い訳ではなく、最近ではそれにしがみつくことがこの国の足を大きく引っ張ってきいるとも言える。そんな状況下で過去からの流れに影響されることなく自由に研究してきた人達が目の前の問題、将来の課題に対する意見や解決策を述べている。非常に頼もしい意見ばかりだ。
社会に役立つための研究をしている訳ではなく、自分が取り組んできた研究が社会のこういうところに役立つはずだ、という考えがとてもいい。こういう人達に任せたいと思ってしまう。
絶対的安心がないと採用しないという日本独自の安全策に見切りをつけて、この人達の考えを試しに一度取り入れてみるという方法はないのだろうか?
変わっていく気がするのだが…