五十嵐太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レポートの題材として手にとった本書。
個人的には日本橋の上を走る首都高速の景観がどのように考えられているかを知りたかった。
そもそも美的感覚は極めて主観的なものである。
その「美しさ」をまち・景観に当てはめる際には相当な注意を払う必要がある。
他の書籍の表現を借りるのであれば、
”景観とはある一つの建造物をさしたものでもなければ、単に視覚的な印象に立脚するものでもなく、周辺の諸環境との調和を第一義的に考える必要がある”
とのことである。
その点を鑑みれば、
欧米の都市は○○の点がよく、日本にはかけているので導入すべきだ的な物言いには疑問を感じる。
単なる無い物ねだりである。
いくらパリのシャンゼリゼ通りが美しいからといって、東京で同じ物を求めるのは不可能である。
景観の個別性の強さを考えた上で、議論する必要がある、
とまとまらないながらにも感じました。 -
Posted by ブクログ
建築学科の1年生に美しい景観の写真をとってこさせると、はりぼての結婚式場とか、カミソリ3階建戸建てをとってくる話が始まる。
それ自体、びっくりするが、僕自身はきちんとした建築の教育もうけていないのに、建築学科1年生がとってきた写真は全部×だなと思う。それも自分でなぜかなと思う。
その一方で、渋谷の雑踏とか、今はちょっと駅前がきれいになったが秋葉原の問屋街とか、香港とか上海の旧市街は好きだし、なんか圧倒されるアジアの息吹を感じる。それを景観上だめという伊藤滋先生の指摘もついていけない。
五十嵐先生は、平壌までいって徹底的に統制のとれた都市計画、建築を説明して、これがいい景観かといわれると、先生同様納得できない。
でも自分で大事にしたいという景観というポジティブリストはある。三陸の山並みや海岸の自然、鎮守の森、そういうのを緒雑な造成計画などでこわんさないでほしいこと。また、上村さんが指摘した保育園の隣の高層マンションなど。
概して、自然については自分も断固とした判断ができるが、建築物の景観については、自分も悩むし、自己中心的になってはいけないなと思う。
勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
日本橋の首都高移設や景観法制定など、「美しい国」をつくる動きが始まったが、「美」とは何か?
新世代の論客が、平壌取材からアニメの中の未来都市まで、縦横無尽に検証する。
写真多数。
[ 目次 ]
第1部 二十一世紀の景観論(醜い景観狩り 景観を笑う 日本橋上の首都高速移設を疑う 渋谷のドブ川とソウルの清渓川 テーマパーク化する都市 東京の色彩と広告)
第2部 計画とユートピア(アジア・メガロポリスの建設と破壊―香港・上海・深〓(せん) 押井守の未来都市 幕張はいかにつくられたか 管理空間が生みだす“都市伝説”―ディズニーランド・筑波・都庁舎 ユートピアとしての平壌 過防備都市・再論)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前、五十嵐太郎氏の過防備都市を読んで、「集まって住むことの窮屈さと安心感のバランスが重要」というメッセージを受け取りました。
今回受け取ったメッセージは、この巻末の一文がすべてを語っているように感じました。
口当たりのいい復古的な景観の言説に流されず、現実の多様さをそれぞれが深く考えるきっかけになれば、幸いである。
私は「自らのライフスタイルを度外視して、冷凍保存のような景観を生み出すガイドラインなどつくるべきではない」と思っています。しかし一方で、本書に出てくる普通のまちの「笑えるようなだらしない景観」は、なにか拠り所を求めている気がしてなりません。例えば、先日紹介したまちなみ住宅のススメはひとつの拠り所です。ひとつの建築や建築群がしっかりとした意志を持ってライフスタイルに呼応しながら設計されたとき、そのまちは生まれ変わるきっかけをつかむのではないでしょうか。
景観を語るに、私のベースのイメージはいまだに陰影礼讃のこの言葉です。
美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、
暗い部屋に住むことを余儀なくされたわれわれの先祖は、
いつしか陰翳のうちに美を発見し、
やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。
(谷崎潤一郎)
生活から逸脱した「美」は劇場的で、刺激を与えてくれる要素ではあるとは思いますが、直輸入した瞬間から陳腐化してしまう宿命にあると感じています。
現実は多様で、その多様性が明日への活力へつながっていくのであり、その生活の実際の中であるべき景観を論じるべきです。色や高さや高速道路といった極論だけがクローズアップされるような状況に流されて、思考停止するような世の中だけにはなってほしくないものです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「日本的なるもの」に対する昭和の建築家たちの様々な意見を集約した感じの本。
最後の方にありましたが、「歴史を学ぶのは各時代に何故その様式が生まれたかを知るためである」というのがすごく良かった☆章ごとにある建築物に対する評価がコロコロ変わるのでちょっと専門外の人にとっては分かりにくいところもあったかも??ただ、デザイン的には余り良い評価では無い赤坂離宮に対し、「赤坂離宮は、日本人が外国人に依頼せずとも日本の建築家や美術家が結集したオール・ジャパンで西洋に匹敵する格式が高い建築をつくりだすプロジェクトだった」という記述があり、やっぱり芸術はその作品だけでなく当時の時代背景や歴史がセットで楽しむものだなとしみじみ思いました♪
※もちろん、感性で楽しむ人もたくさん居るとは思います^^;