鈴木まもるのレビュー一覧
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鳥の標識調査が始まって、100年になるという。
そんなに長い歴史があったのかとまず驚く。
口絵写真に続いて現れたのは、鈴木まもるさんの鳥の絵と「はじめに」という文章だった。絵本作家として知られているけれど、私には「鳥の巣研究家」としての鈴木まもるさんの方が身近だ。ここに持ってきたか、とまずニンマリする。
内容は、それぞれの研究者が報告をする形なので、どこから読んでも完結した短い内容になっている。しかし、中身はとても濃く、しかも一般の人にもわかりやすく書かれているので鳥に興味がある人、環境に関心がある人なら誰でも読むことができる。
1羽の鳥がどれだけ生きるのか、またどれだけの距離を飛び、どこで繁殖しているのか、鳥たちの人生、いや鳥生がドラマチックに浮かび上がってくる。私は学者ではないので、そこに感動する。
バンディングは、法律で許可された範囲で網を張って鳥をとらえ、足環など必要なものを装着したのち放鳥する。種の保存、絶滅の危機、環境の変化など、足輪をつけた鳥たちからもたらされる情報は、貴重で不可欠なものばかりだ。
そして、バンダーを養成する過程は最近「ダーウィンが来た!」で見たばかり。一見乱暴に見えても、熟練した技術を持つ人たちは、最小限のダメージにとどめて素早く足環を装着する。そして、ささやかなお礼にと、小鳥につくダニをとってやったりもする。(ダニは小鳥にとっては致命的になりうる)
地球環境が加速度的に温暖化に向かい、人の営みによっても脅かされていくなか、足環をつけた鳥たちがもたらす情報は、より重要なものになっていくに違いない。 -
Posted by ブクログ
タイトルと表紙を見て「猫が主役の話ね」と思ってましたが、ページを開いてすぐの描写が現代日本で男の子が主役のようだったので表紙を見返してしまいました。笑
はっきりと見やすいフォント、行間をあけたレイアウトが低学年の教科書に近く、子どもに渡しやすいのではと思います。1人で読み通すには小学校中学年以降でないと難しいかな。
主人公はおそらく小学校低学年だと思うのですが、優雅な1人電車旅から一転、猫に誘われ宝探しの旅へ向かう、ロマンあふれるストーリーが男の子にオススメです。
ここまでしっかり、男の子!、のことを考えた児童文学は「電車で行こう!」以来だったので、ようやく探していたジャンルを見つけた思いです。続編も読みたいな〜。 -
Posted by ブクログ
感嘆しながら読んだ。それほどに、生きものが紡ぎあげる家(巣)は素晴らしい。芸術作品のようだった。さまざまな生きものの巣事情を著者本人のイラストを交えて解説している。作った生きものの紹介を「作り手プロフィール」としており、親しみやすく、より生きものの生態を調べたくなる。実際ニワシドリの事を少し調べた。「庭師鳥」と書くほどのあずまや作りの職人で、「そうなっている」とはいえまるで意思を持ってせっせと作っている姿を想像するのはとても楽しいひとときだった。蜘蛛の糸で葉を縫い付ける、籠のように編んでいく、などができる生きものの驚くべき生態を知り、人間顔負けの建築家たちに頭が下がる思いだ。
本書は2015年出版の改訂版である。今まで知らずに読んでこなかったことを後悔するほど、良い本だった。地球で住んでいる生きものは人間だけではない、という著者の言葉が大きく響いた。 -
Posted by ブクログ
挿絵がすばらしい。鳥の巣マニアの絵本作家鈴木まもる氏の鳥の巣エッセイ。この方の鳥の巣系絵本も蔵書しているが、このサイズの新書で文字多めなのがありがたく楽しい。
スズメ/ツバメ/コシアカツバメ/ムクドリ/セグロセキレイ
メジロ/ヒヨドリ/キジバト/カワラヒワ/エナガ/サンコウチョウ/サンショウクイ/ハシブトガラス
アオゲラ/フクロウ/カワセミ/ヤマガラ・シジュウカラ・巣箱/キセキレイ/オオルリ/キビタキ
ウグイス/ホオジロ/セッカ/オオヨシキリ/モズ/コジュケイ/カルガモ
カイツブリ/カワガラス/カルガモ/オオハクチョウ/コチドリ
セアカカマドドリ/オオツリスドリ/アフリカツリスガラ/キムネコウヨウジャク
鳥の巣以外の鳥の話もでてくるし、
なんといっても、絵がたまらない。
そして、鳥や鳥の巣以外の”絵”もとても良くて
効果的な挿絵となっている。
以前、鈴木まもる氏の鳥の巣の講演を聞いたことがあるんだが、その時の鈴木氏が脳内で動き出すような気がする1冊であった。
ゆうても鳥の巣に対する熱がすごい。
好きってすごいな、って感じる1冊。
全世代の方におすすめ
>よく「鳥が先か、卵が先か」と言われるが、鳥の巣が先なのである。