【感想・ネタバレ】身近な鳥のすごい巣のレビュー

あらすじ

身近な鳥たちの巣から見える
ヒナや卵を守るための工夫が、神秘的な進化の歴史が...すごい!!

「巣づくりは誰にも教わることのない鳥の本能」
「同じ巣は1つもない」
「恐竜の進化の過程が鳥の巣からわかる?」.
鳥たちの巣には、驚くべき生態の神秘と不思議が詰まっている。

36種の鳥を豊富なイラストとともに
鳥の巣の研究第一人者であり絵本作家でもある著者がユーモラスに解説した一冊。


【著者メッセージ(「はじめに」より抜粋)】
鳥の巣は、一番大切な卵とヒナが襲われないよう、発見されにくい場所につくると同時に、小さな生命を守るという任務を課せられた、鳥にとってなくてはならない重要な物だ。

鳥の巣を知ることは、鳥やヒナのことを知るだけでなく、その鳥の住む環境を知ること、周囲の生物との関係、さらに人が生きるうえで欠かすことができない家や服など、人の暮らしとの関係を知ることにもつながるだけでなく、本能とは何なのかという哲学的なことまで教えてくれるものなのだ。
恐竜が鳥へ進化したこと、恐竜が絶滅し、鳥が今の世界に生きていることなど、今までの科学では解明できていなかったことも、鳥の巣から知ることができるのである。

よく「鳥が先か、卵が先か」と言われるが、鳥の巣が先なのである。

親にも学校の先生にも教わることなく本能の力でつくる鳥の巣。その生成の秘密を知ることは、人も持っているであろう本能の力を再発見することにもつながることだ。

本書から読者の方が、鳥や自然の新たな不思議を感じたり、それぞれの生きかたを再発見し、この混迷した世界に対応して生き抜くことの力になったりしてくれれば本望である。

【目次】
はじめに

一章 鳥の巣とはなにか?
一 なぜ、鳥は「鳥の巣」をつくるようになったのか?
二 どうやって鳥は「鳥の巣」をつくるのか?
三 なぜ「鳥の巣」は今まで人に知られていなかったのか?

二章 家につくる すごい巣
スズメ/ツバメ/コシアカツバメ/ムクドリ/セグロセキレイ

三章 木につくる すごい巣
メジロ/ヒヨドリ/キジバト/カワラヒワ/エナガ/サンコウチョウ/サンショウクイ/ハシブトガラス

四章 穴の中や隙間につくる すごい巣
アオゲラ/フクロウ/カワセミ/ヤマガラ・シジュウカラ・巣箱/キセキレイ/オオルリ/キビタキ

五章 やぶの中や地上につくる すごい巣
ウグイス/ホオジロ/セッカ/オオヨシキリ/モズ/コジュケイ/カルガモ

六章 水辺につくる すごい巣
カイツブリ/カワガラス/カルガモ/オオハクチョウ/コチドリ

番外編 海外のすごい巣
セアカカマドドリ/オオツリスドリ/アフリカツリスガラ/キムネコウヨウジャク

おわりに
索引

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Posted by ブクログ

挿絵がすばらしい。鳥の巣マニアの絵本作家鈴木まもる氏の鳥の巣エッセイ。この方の鳥の巣系絵本も蔵書しているが、このサイズの新書で文字多めなのがありがたく楽しい。
スズメ/ツバメ/コシアカツバメ/ムクドリ/セグロセキレイ 
メジロ/ヒヨドリ/キジバト/カワラヒワ/エナガ/サンコウチョウ/サンショウクイ/ハシブトガラス
アオゲラ/フクロウ/カワセミ/ヤマガラ・シジュウカラ・巣箱/キセキレイ/オオルリ/キビタキ
ウグイス/ホオジロ/セッカ/オオヨシキリ/モズ/コジュケイ/カルガモ
カイツブリ/カワガラス/カルガモ/オオハクチョウ/コチドリ  
セアカカマドドリ/オオツリスドリ/アフリカツリスガラ/キムネコウヨウジャク
鳥の巣以外の鳥の話もでてくるし、
なんといっても、絵がたまらない。
そして、鳥や鳥の巣以外の”絵”もとても良くて
効果的な挿絵となっている。
以前、鈴木まもる氏の鳥の巣の講演を聞いたことがあるんだが、その時の鈴木氏が脳内で動き出すような気がする1冊であった。
ゆうても鳥の巣に対する熱がすごい。
好きってすごいな、って感じる1冊。
全世代の方におすすめ



>よく「鳥が先か、卵が先か」と言われるが、鳥の巣が先なのである。

0
2023年07月21日

Posted by ブクログ

小鳥のイラストが可愛い!
一生懸命巣を作っている鳥たちの姿を想像すると愛おしくなった。
特に、裁縫する鳥がいることには驚いた。
暑い時には羽を使って仰いであげたり、巣の中で我が子を育てている小鳥の姿、可愛すぎるに違いない。
鴨の巣くらいなら私でも見つけられないかななんて思ってしまった。

0
2023年12月22日

Posted by ブクログ

どこにでもいるスズメ、ハト、カラスですら、「あそこに巣があるな」と気づいても、巣自体をちゃんと見たことはない。
ちゃんと見たことがある野鳥の巣は、ツバメ、ヒヨドリ、キジバトくらいでしょうか。
まあ、バードウォッチングは流行っていても、鳥の巣を探している人はほとんどいないですもんね。

キジバトの巣は見た目いい加減なもんで、作ろうとして途中で放棄したか、雨風で崩壊した後の名残だと思っていた。
「えっ!それで完成?」といった感じ。そこにキジバトがいても巣だとは認めたくない出来です。
"キジバトの巣"で検索してみてください。皆さんも見たことあるかも知れません。

野鳥の巣が見つけにくいのは、木のこぶに似せたり、巣のまわりにコケをつけてカムフラージュしているせいでもある。
ヘビやサルやカラスなどに見つからないように巣を作るので、人にも見つかりにくいのは当然ですね。
造る場所や形状を知らないから見逃しているということもある。

十姉妹などを飼っていると、鳥の巣って体を休めたり寝たりする場所のようにも思えるが、(多くの)野鳥の場合は子育てをするためだけに使うそうだ。

鳥の巣は、ヒナが巣立ちをするまで育つ場所という認識でいて良いと思う。
いろんな場所、材料、形、その鳥にとって最も安心して子育てができるように造られるのが巣。

ハトのヒナは虫を食べない。
親が体内で生成する「ピジョンミルク」で育ち、オスも生成できるためオスもヒナにミルクを与えられる。
虫の少ない季節でも子育てができるので、1年中繁殖ができ繁殖回数が重要なのだそう。
だから、巣作りにコストをかけないらしい。

カラスが巣作りにハンガーを使うことはよく知られているが、理由は針金が曲がることを利用して木に巻き付け、巣をしっかり固定するためらしい。
力があるのでハンガーくらい曲げられるのだ。

筆者は美術館などで、鳥の巣の展覧会もしているようだ。チャンスがあれば見てみたい。特にエナガの巣。
それにしても、誰に教わることもなく本能だけで立派な巣を作るんだから鳥って凄い。

0
2023年07月19日

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