橋迫瑞穂のレビュー一覧
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オカルト好きならお馴染みの「あの界隈」について、「はじめに」を呼んだ時点で良書と分かる、とても良い著作だった。理性的かつフェアであろうとしており、社会への鋭い眼差しがある。
女性がある程度は自身の選択で妊娠や出産をすることが可能になった世の中ではあるけれども、選択の余地があるからこそ尚、決断には困難が伴う。そんな中で妊娠や出産が(ひいては女性の身体性を持つことが)素晴らしいことであるという確信への希求が、スピリチュアル市場」の根底にあるのではないか。というのが私なりに理解したところ。
読みたくなる参考文献も色々出てきてホクホク。
引用:
したがって、「スピリチュアル市場」での妊娠・出産に関 -
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「死」を学際的に検討する過程で、よりよい「生」とは何かについて考えされさせられた。死とは生物学的な個体の絶命という意味を超えた観念であると感じた。死者を弔うのは他者であるが、その死者の存命中はもちろん、死後に至っても相互作用の中で誰かの自己と社会が形成されていく。そのような「分人」的観点で捉えると、「死」は自己完結するものではない。また、「弔う」ことの本質は儀式という表層的なものではなく、生成変化を伴う生者と死者の社会的な共生だと思った。
一方で、テクノロジーによって新たに生じる死者の権利、死後労働の観点は非常に悩ましい。生命はその有限性によってこそ輝くが、死後も残り続ける SNS 上の情報や -
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ネタバレ子宮だけが神聖領域なのだろうか?
そもそも子どもは両性によって存在しうるはずなのに。
何より子宮をやたらに神聖化しつつも、ジェンダーとしては女性蔑視に繋がる思想についても本書では触れられてた点が個人的には良かった。
子どものもう一方の親である父はどう、この本を読み解くのか。その点に興味がある。
p10
妊娠•出産をめぐるスピリチュアリティにはナショナリズムと親和性が高い傾向がうかがわれる。→まさしく。戦前のイメージ。
p24
2000年代に入ると「スピリチュアル•ブーム」が社会に到来した。→直前の90年代はオウムなどの事件もありスピリチュアル的なものは避けられてた印象がある。一気に逆ブレした -
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妊娠や出産に絡む精神性の問題をspiritualityとして議論しているが、何かピンと来ない.キーワードとして、子宮系、胎内記憶と自然なお産の3つを取り上げているが、非科学的な記述が見え隠れする本に焦点を当てて論評する形を取っており、その内容の評価は見えてこない.p182で、’’これまでの分析で明らかになったのは、「子宮系」や「胎内記憶」そして「自然なお産」のいずれでも共通しているのは、女性の身体性そのものに聖性を付与する価値観が貫かれているということである.’’ とまとめているが、これも何か的外れな感じがする.取り上げた本では、男性の存在についても無視している ようで大いに不満だ.
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スピリチュアリティとは、新興宗教のように教団や教義によらず、個人がネットワークを通して聖性を希求する運動のこと。そのうえで大きな役割を果たしているのが、スピリチュアリティに関する情報・モノが取引される「スピリチュアル市場」だ。そこで近年台頭しているのが、妊娠出産をめぐるコンテンツだという。
生死にかかわることから、もともと宗教との結びつきが強い妊娠・出産は、近代化とともに医療の対象とされ、またフェミニズムの影響もあって、個人の自己決定に属する問題となってきた。ところが近年になってふたたび霊性と結びつく傾向が強まっているのだ。
本書は「子宮系」「体内記憶」「自然なお産」などの代表的なスピリチュア -
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ネタバレスピにおいては、妊娠出産月経母になることが肯定的に位置づけられている。市場で自由に調達できる。初めてあくまで個人のものとしつつ、肯定的に聖化する機会を得た。女性の意識や価値観を適切に反映させた。
ジェンダーバイアスを前向きに受け止める。身体性と向き合う。至急の状態を整えておけば、リスクの比較的少ない時期にタイミングよく妊娠出産できるかもしれないという願い。
身体性に聖性を付与する。身体のケアと内面の安定の連動。努力型と開運型。古い女性観は保管する。フェミニズムとは連携してない。
私はこの運動の直前に産んじゃったんだな。お世話になった方が出てきてびっくりしたり。 -