橋迫瑞穂のレビュー一覧

  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    オカルト好きならお馴染みの「あの界隈」について、「はじめに」を呼んだ時点で良書と分かる、とても良い著作だった。理性的かつフェアであろうとしており、社会への鋭い眼差しがある。

    女性がある程度は自身の選択で妊娠や出産をすることが可能になった世の中ではあるけれども、選択の余地があるからこそ尚、決断には困難が伴う。そんな中で妊娠や出産が(ひいては女性の身体性を持つことが)素晴らしいことであるという確信への希求が、スピリチュアル市場」の根底にあるのではないか。というのが私なりに理解したところ。
    読みたくなる参考文献も色々出てきてホクホク。

    引用:
    したがって、「スピリチュアル市場」での妊娠・出産に関

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    2023年05月08日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    とても良い本。誰も踏まないように書かれている。日本のフェミニズムが妊娠出産、子育てという不安な気持ちに寄り添ってこなかったこと、そのことについて考えさせられた。

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    2022年06月11日
  • RE-END 死から問うテクノロジーと社会

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    「死」を学際的に検討する過程で、よりよい「生」とは何かについて考えされさせられた。死とは生物学的な個体の絶命という意味を超えた観念であると感じた。死者を弔うのは他者であるが、その死者の存命中はもちろん、死後に至っても相互作用の中で誰かの自己と社会が形成されていく。そのような「分人」的観点で捉えると、「死」は自己完結するものではない。また、「弔う」ことの本質は儀式という表層的なものではなく、生成変化を伴う生者と死者の社会的な共生だと思った。
    一方で、テクノロジーによって新たに生じる死者の権利、死後労働の観点は非常に悩ましい。生命はその有限性によってこそ輝くが、死後も残り続ける SNS 上の情報や

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    2022年06月05日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    スピリチュアルな言説に衝撃を受けました。ずっと寒気を感じてました。とんでもなさすぎるだろと、、、
    どうしてスピリチュアル市場が成り立つのかを良く考えないといけないなと。

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    2021年09月28日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    ネタバレ

    子宮だけが神聖領域なのだろうか?
    そもそも子どもは両性によって存在しうるはずなのに。
    何より子宮をやたらに神聖化しつつも、ジェンダーとしては女性蔑視に繋がる思想についても本書では触れられてた点が個人的には良かった。
    子どものもう一方の親である父はどう、この本を読み解くのか。その点に興味がある。

    p10
    妊娠•出産をめぐるスピリチュアリティにはナショナリズムと親和性が高い傾向がうかがわれる。→まさしく。戦前のイメージ。
    p24
    2000年代に入ると「スピリチュアル•ブーム」が社会に到来した。→直前の90年代はオウムなどの事件もありスピリチュアル的なものは避けられてた印象がある。一気に逆ブレした

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    2024年01月14日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    ホメオパシーやスピリチュアリズムと、産婦人科の関連がわかる。ジェンダーなどに疎い人でも理解できる内容。

    産婦人科に限らず、代替医療や医療読み物、エビデンスなどが気になる方にオススメ。

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    2023年02月19日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    妊娠や出産に絡む精神性の問題をspiritualityとして議論しているが、何かピンと来ない.キーワードとして、子宮系、胎内記憶と自然なお産の3つを取り上げているが、非科学的な記述が見え隠れする本に焦点を当てて論評する形を取っており、その内容の評価は見えてこない.p182で、’’これまでの分析で明らかになったのは、「子宮系」や「胎内記憶」そして「自然なお産」のいずれでも共通しているのは、女性の身体性そのものに聖性を付与する価値観が貫かれているということである.’’ とまとめているが、これも何か的外れな感じがする.取り上げた本では、男性の存在についても無視している ようで大いに不満だ.

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    2022年12月05日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    スピリチュアリティとは、新興宗教のように教団や教義によらず、個人がネットワークを通して聖性を希求する運動のこと。そのうえで大きな役割を果たしているのが、スピリチュアリティに関する情報・モノが取引される「スピリチュアル市場」だ。そこで近年台頭しているのが、妊娠出産をめぐるコンテンツだという。
    生死にかかわることから、もともと宗教との結びつきが強い妊娠・出産は、近代化とともに医療の対象とされ、またフェミニズムの影響もあって、個人の自己決定に属する問題となってきた。ところが近年になってふたたび霊性と結びつく傾向が強まっているのだ。
    本書は「子宮系」「体内記憶」「自然なお産」などの代表的なスピリチュア

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    2021年12月04日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    ネタバレ

    スピにおいては、妊娠出産月経母になることが肯定的に位置づけられている。市場で自由に調達できる。初めてあくまで個人のものとしつつ、肯定的に聖化する機会を得た。女性の意識や価値観を適切に反映させた。
    ジェンダーバイアスを前向きに受け止める。身体性と向き合う。至急の状態を整えておけば、リスクの比較的少ない時期にタイミングよく妊娠出産できるかもしれないという願い。
    身体性に聖性を付与する。身体のケアと内面の安定の連動。努力型と開運型。古い女性観は保管する。フェミニズムとは連携してない。
    私はこの運動の直前に産んじゃったんだな。お世話になった方が出てきてびっくりしたり。

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    2021年11月09日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    妊娠出産は女性にとって人生の重荷である。それを戦略として前向きに立ち向かう知恵としてスピリチュアリティーの存在感が増している。
    子宮系、胎内記憶の詳しい分析、フェミニズムとの関連など、わかりやすい説明で頭の中が整理されて良かった。

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    2021年11月03日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    まず、このいびつな概念についてこれだけのページ数書ける作者に感心。流石研究者。
    そしてひとつの宗教団体かのようにも見える妊娠・出産のスピリチュアル…女性の期待や不安から来るものなんだろうけど、面白くて怖い。

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    2025年05月16日
  • 妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

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    スピリチュアル市場が盛り上がった時代に妊娠・出産した者としても、それを学問として扱ってくれる本書は有難い一冊でした。
    男性によるスピリチュアル分析よりも当事者的で、そこが気になってた!というところに触れてくれています。
    事例は少なく、傾向や分類というアプローチで、少し物足りなくも感じるが、その辺りも当事者的な優しい関わりかたの現れかもしれない。嘲笑、攻撃にならないよう配慮されているように感じます。

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    2022年11月24日
  • RE-END 死から問うテクノロジーと社会

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    死生観は時代と共に変わるものなので、今生きている人たちが死後CGで作られて何かに使われることに対して、良い気がしないというのであればそれがやっていいところとそうでないところのラインなのだと思います。
    テクノロジーの進化の前に、死が身近でなくなっているから、CG作ったりマインドアップロードとかそういう発想になるのかなぁと。
    技術の進化はそれはそれで出来ることが増えるのはすごいけど、ひとの気持ちや歴史も踏まえた上で取り入れないと道を踏み外しそうなこわさがあるなと思いました。
    しりあがり寿さんの漫画は短いながらもゾッとしました。

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    2022年02月13日
  • 占いをまとう少女たち 雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ

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    目の付け所はよく、題材も興味深いのだがなんだか微妙に文章が読みにくく頭に入ってこない…でも占いとおまじないは現代の女性たちにとっての新しい宗教という視点は目からウロコだった。

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    2020年12月01日
  • 占いをまとう少女たち 雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ

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    なるほど。もうすこし他の雑誌やマンガやテレビ番組などと結びつけられたんじゃないかという気がするけど、最初はこういうものかもしれない。

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    2021年01月05日