ろびこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どうしてそれでも私たちは、誰かを求めるのだろうーーー
この物語の登場人物は、誰もが「器用に生きられない」人たちだ。彼らの生きることの下手くそさと言ったら、もういい大人の私からしてみると読んでいて歯がゆいぐらいだ。ギザギザの彼らはぶつかり合うことで少しずつ人と寄り添うことの喜びや苦しみを知り、寄り添い合うことのできる形になっていく。自分のことしか愛せなかった彼らは、自分の思いよりも優先したいと思う人を見つけ、傷つきながらも誰かを大切にすることを学んでいく。その姿を見て、応援したくなる人もいれば、自分が大切にできなかった誰かを思い出して胸が苦しくなる人もいるだろう。高校生の頃も、大人になった今も