いがらしみきおのレビュー一覧
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久しぶりにグッとくる巻だった。どの話も結構好き。
アライグマ君が決心する話。
①しっぽを切ってスマートな自分になる決心をする。
②顔を洗わないで過ごすことを決心する。
|ω・`)なんのために…。いや、理由なんてないのだろう。
あと、シマリスくんが寝るときに掛けるものを探す話とか、みんなの変な夢の話も好き。シュールです。
シマリスくんが、行きたくないのにおじさんの家に行かないといけなくて、憂鬱している話もかわいいです。「行かないとお父さんにおこらりる…」と超ブルーで、おなかが痛くなるキノコまで用意して溜息してるシマリスくん。ああ、こんな経験あるよね。あるよ。憂鬱だよね。
でもつらいことは必 -
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ぼのぼのとアライグマ君が海「と」遊ぶ話。
シマリス君がおねいちゃんと、お使いに行く話。
シマリス君が犯人を捜す話。 …など。
短いお話が多めだった気がするけれど上の3つがお気に入り。
特にお気に入りは「おねいちゃんとお使い」。
心配して、用心して、思案して、苦慮して、懸念しているのに、割と命の危険に晒されるお姉ちゃん。なのに「無事だった」というお姉ちゃん。「どこが無事なのでぃすか!」と怒る弟。
でもやっぱりお姉ちゃんは、お姉ちゃんだった。というオチがすごくいい。
自分にも弟がいるのですが、弟は「お姉ちゃんだなぁ」と思った「思い出」ってあるのかなぁ。あるのかしら。 -
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ネタバレこの世界では刑に服すというかたちで罪を償うことが制度として認めてられている。
そう僕たち(彼らは)ははやり直すことが出来るのだ。
でも現実はどうだ?
務めを終え出所した彼らに一般的な暮らしを過ごす場所は用意されているのだろうか。
自業自得とはいえそこにはあまりにも辛い人生が待っているのだ。
キレイごとでもなんでもなく制度として僕たちはやり直すことが認められているにも関わらずだ。
彼らの唯一といってもいい受け皿であるその筋への規制がますます強まるなか、現実的に起こりうる問題。
その解決策として実験的に国は出所した凶悪犯罪者たちの素性を隠し一般人として、ある一つの町に住まわせるところから物語は始ま -
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ネタバレいがらしみきおらしい作品。そう言い切ってしまえばそれだけなんだけど、この人の描く哲学的な漫画の世界、ストーリーがたまらなく好きな人にとっては、「キタコレ」な作品だと思う。「sink」が何かしら底知れぬ(コワイ?)ものを描いていたのに対し、「I」ははっきり生と死・神に挑んでいて興味深い。死んだ母親から産まれて来たのはベルセルクのガッツと一緒。東北と神探しがポイントだと思うんだけど、私にあまり造詣が無くてまだ楽しめる程ではない。逆に「sink」の新興住宅地の怖さが私にとってリアリティのあるものだったので、☆は4つ。まだ続く物語だし。見ること=認知すること、それによって(自分の)世界が生まれること。
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アライグマ君の両親の話が完結。
変なお父さんばかりだなぁ。笑
アライグマ夫婦は可愛らしいと思います。
大人って何か、というアライグマ父とぼのぼのの会話が深い。
楽しくてもやらなきゃならないことがあるのが大人。
やりたくない、つまらない、でもやる、っていうのが大人。
子育てとか、仕事とか、きっとそうなんだろう。
「嫌になった」でやめられないんだものね。
勉強とか行事とか面倒くさいようなことでも、将来役立つのかよくわからないようなことでも「頑張れ」って大人が言うのは、それが大人になるための準備だからなんだろうなぁ。
しまりす君のお父さんの謎の宝物の正体を追う話がスタート。 -
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ついに、描き始めた…長い間、待っていた作品がこれなのだと思った。
一連の不条理四コマから、ぼのぼの、Sink、かむろば村へ…という著者の遍歴からすると、今作「I:アイ」は意外というより、当然のテーマなのかもしれない。長い間、温めてようやく描き始めた物語なのだろう。
私、とは何か、それを取り巻く世界とはどのように認識されるのか。四コマの頃から変わらないモチーフである。
この物語は「Sink」で確立したホラーの手法で描かれる。しかし「Sink」では、日常にふと紛れ込む不気味さを描いていたとすると、本作ではさらに深く、鋭く、読者の意識そのものに侵入してくる。
そして、認識され得ぬものとしての神。これ -
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シマリスくんのダイねえちゃんの秘密の泥団子の話。
アライグマくんが家出しようとする話。
ボウズくんがスタンドバイミーする話。
3つ目が良い。すごくいい。ボウズくんはまだまだチビッ子なのですが、一人で湖を出て川から森へ、友達のシマリスくんに会いに「スタンド・バイ・ミー」します。
自分が一人でどこかに行ったり、一人ぼっちで不安になったりしたことなんてもう覚えているはずないんだけれど、ボウズくんの、「自分が何かしたら周りが何かしてくれるはず」が裏切られる「あれ?」みたいな気持ちってなんとなく経験として記憶にある。
そうして自分が一番チビッ子だったはずなのに、いつの間にか自分の方がお姉ちゃんになっ