いがらしみきおのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ぼのぼの36巻目にして、最高傑作の一つでしょう。間違いなく。長かった。長いトンネルを抜けて、現れた凄まじい作品。
もう、一言一言に魂がこもっていて泣けてくる。
そのなかの一つ
『思い出は何かを救えるだろうか』
これは欄外というか、見出しの一言なので本編には関係のないもの。
どこまでも個人的な思い出すという行為。
その思いが何かを救うこと、つまり他者へ何かしら作用するという。
この発想は凄いことなんじゃないだろうか。私は、ぼのぼのの世界の感覚は、古代人の感性であると思う。我々が失ってしまった外部世界との関係性なのだ。暗く言えば呪術的な世界観。そんな暗さは動物だらけのこの作品にはないが。そこも魅力の一つです。
みんなで集まって、やることは思い出すこと。祈るんじゃない。ただ単に思い出す。このささやかさも良い。この世界に神様はいないのかも。だから祈るという行為は存在しない、ということなのかもしれない。そう考えてみれば、結局、思い出すことも祈ることも同質なものかもしれない。
そして住人たちは、思い出すことでこの対象[木]を救えるのではないか?と考える。私たちでは、それは思い出を整理することで自分を救うための利己的な行為でしかないと思う。しかし、ぼのぼの世界の住人たちは、完全に他者のためと信じているように見える。これは自己と他者が未分化で有った頃の、純粋な愛なのではないか。そんな突飛なことを思う。その純粋性が、どうにも羨ましい。
すべてのものごとに『なぜ』をバカみたいに繰り返し尋ねて来たぼのぼの。突き詰めれば生死の問題に発展するのは時間の問題できた。やっと作者が真っ向から書く時期が来たのですね。再びファンになろうと思った今日この頃。おすすめです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ連載当初から読んでいた本作も、ついに完結。山上たつひこ氏、いがらしみきお氏の両氏にお疲れ様でしたと言いたい。人間の業の表現の追求や、ある種の「社会実験」風の設定が興味深かった。
誰かがよかれと思ってやったことが、その逆の結果になることもある、その逆もしかりということを表したエピソードが、色々な意味で光っていた。
「おっかあ」さんは気がついたらあんな光景を見ることになって、本当に驚き、恐怖したことだろうと思う。しかし、漫画的には迫力のある絵だった。
海で思いがけない壮絶な光景を見て、生きる気力を取り戻した少年の警官とのやりとりのシーンも良かった。「壮絶な光景」も迫力のある絵だった。
ある人物のところまで車を飛ばす際の市長の形相が凄かった。
200年ほど前に遡る市長らの先祖の因縁、新住民の個性、三田村の正体、市長の若い頃や妻のことなど、興味深い素材が沢山あるので、もっと早い段階で掘り下げて書いてほしかった。江戸時代~の歴史ドラマ的要素もあれば嬉しかった。
やや消化不良の感。 -
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神はどこにいるのか。神を探し求めた物語の終焉が描かれた最終巻。
神はいる。この最終巻では神に会うことができた雅彦を描いていました。神はどこにいるのか、多くの作品でそんなことがつぶやかれていますが、大体は自分の中にいるなんて答えがざらです。この作品ではそういった押し問答を1巻から通して繰り返して描き続けました。神は幻想なのかそれとも自分なのか、他人が見たものを自分が見ることによってその人の世界を知る。そうして、他人の目を介して見てきた世界を知り、雅彦は自分の作った世界でたったひとりで生きている自分こそが、また誰しもが神であると言い放ちます。それでもイサオはまたそれと少し違う答えを出します。人間が創りだした言葉によって認識され、見ることによって存在するそれが神様であると。自分で見て感じたものこそ神であると言うならやはり神はいるんでしょうか。僕はまだわかりません。
正直なところこの作品の押し問答に答えはあるのかと読み終わってから幾分か考えましたが、まるで答えが出る気がしません。けむにまかれているように思えて、自分の中で会話してみると不思議な説得力もでてきてしまう。不思議でいて説得力のある作品。だけど、すべての人間が神の中にいるのならいつかはそこから出ていかなければいけないんじゃないかとも思いました。色々複雑なだけに自分でもわかった風に書いてる文章なのかもしれないが、言葉にしておかないと思い書きました。もう少し年をとってから読むとまた違う作品なのかもしれない。 -
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スナドリネコさんがかっこいい。突然森からいなくなったスナドリネコさんをみんなで探すというお話がとてもいいです。かっこいいなぁ、スナドリネコさん。無言実行なところが良いです。
旅人の話も素敵だった。
あらいぐまくんが、ペットを見つける話も素敵だった。
太ると何が嫌なのかという話は深かった。哲学だ。
そして今回のパラパラ漫画は一夜にして太るぼのぼのちゃんと、あらいぐまくん。急激にむくむく膨らんでちょっと面白い。何回もパラパラする。
クズリ父子はあまり好きではなかったのだけれど、今回クズリくんに手を焼いているお父さんはちょっと好き。ていうかクズリくん、もうちょっと頑張れよ。