あらすじ
宮城県の田舎町に生まれ、身寄りのないイサオ。一方、医者の息子である雅彦は、小学生の頃から、自分が生きていることの意味についてひそかに、深く悩んでいた。二人が中学生になったある時、イサオは恩師の臨終の場で、人の魂を己に乗り移らせたかのような不思議な力を見せた。そして、次第にイサオに惹かれいった。雅彦は、高校入試の日に、二人で旅に出ることを決意する。目的は、イサオが産まれた瞬間に目撃したという神様のような存在=トモイを探すこと。これが、二人の長い長い旅の始まりだった。[連載第1話~10話を収録]
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Posted by ブクログ
そこには、確かに恐怖が存在していた。
不思議な能力をもつ少年と平凡な少年二人が、神様をさがしに行く話。
読み終わると手は汗でびっしょりで、心臓がおかしい感じがした。数分経ってもそれは続いていた。
自然と涙が出てくる頁がある。
前向きにはならない。前向きになろうという気持ちが沸いてきた。
イサオのことはよくわからない(というか全くわからない)が、雅彦の気持ちには殆ど共感できた。いがらしみきおさんが自分は好きだ。
Posted by ブクログ
最後まで読まなきゃなんとも言えないけど今のところいがらしみきおの並々ならぬ意気込みを感じる作品。見ればそうなる!
P186〜P187は理由がわからないけど見た瞬間に涙が出た。
あと、僕のこの本の匂いは生焼けのホットケーキと同じだった。
全巻購入済
Posted by ブクログ
読んでいくうちに、みるみる鳥肌がたつのを感じた漫画は初めてだ。
このマンガがすごい!2012で何となく気にはなっていたのだが、本当に買ってよかった。
神様の話、命の話、宇宙の話…それは突き詰めていくと全てつながっている。宮沢賢治の詩や小説、手塚治虫のブッダを読んだときと同じような感覚。「かむろば村へ」を読んだ時は消化不良気味かな、と思ったのだが、この作品を読んでいがらしみきおはすごい境地にきてしまったと感じた。
余談だけど、いがらしみきお、しりあがり寿、業田良家とシュールギャグマンガ家が哲学に辿り着いてしまうのはなぜなんだろう?
Posted by ブクログ
いがらしみきおの新たなるステージ。これは境地に達しつつあるのではないかという作品。神の存在、物理を超えた不思議なチカラ。主人公2人の旅は始まったばかり。これから一体何が描かれるのか、期待しかない!
Posted by ブクログ
いがらしみきおらしい作品。そう言い切ってしまえばそれだけなんだけど、この人の描く哲学的な漫画の世界、ストーリーがたまらなく好きな人にとっては、「キタコレ」な作品だと思う。「sink」が何かしら底知れぬ(コワイ?)ものを描いていたのに対し、「I」ははっきり生と死・神に挑んでいて興味深い。死んだ母親から産まれて来たのはベルセルクのガッツと一緒。東北と神探しがポイントだと思うんだけど、私にあまり造詣が無くてまだ楽しめる程ではない。逆に「sink」の新興住宅地の怖さが私にとってリアリティのあるものだったので、☆は4つ。まだ続く物語だし。見ること=認知すること、それによって(自分の)世界が生まれること。それをしつこいくらいに意識させられる。
Posted by ブクログ
生と死の意味を問う…帯のコピーからして面白そう。何かシャーマニズム的な内容は触れてはいけないようで正直恐い…でも、続きがむちゃ気になる。「誰かが見ることで世界がはじまる」に頷く。「私、死んでもいいの? おお。」の会話に何か癒される。
Posted by ブクログ
随所で話題だったので買ってみました
、、、難しい
ちょっとまだ私にはよくわかんなかったです
でも何度か読み返して「見たらそうなる」という意味が
分かってきました
神様を描くってどういうことになるんだろう
結末に期待したいマンガ
台詞がものすごく東北なまりなので、慣れてない人には
ちょっと読みにくいかも知れない
個人的にはラジオドラマにしたら面白いと思った
Posted by ブクログ
ついに、描き始めた…長い間、待っていた作品がこれなのだと思った。
一連の不条理四コマから、ぼのぼの、Sink、かむろば村へ…という著者の遍歴からすると、今作「I:アイ」は意外というより、当然のテーマなのかもしれない。長い間、温めてようやく描き始めた物語なのだろう。
私、とは何か、それを取り巻く世界とはどのように認識されるのか。四コマの頃から変わらないモチーフである。
この物語は「Sink」で確立したホラーの手法で描かれる。しかし「Sink」では、日常にふと紛れ込む不気味さを描いていたとすると、本作ではさらに深く、鋭く、読者の意識そのものに侵入してくる。
そして、認識され得ぬものとしての神。これは前作「かむろば村へ」でも採用されたモチーフだが、本作では再びホラー的な、読者自身に問いかけるものとして現れる。
もし、誰か芸術家の意識を見られるとしたら、というあり得ない問いがあったとする。僕にとって、いがらしみきお、という名前は筆頭にあがる。
つねに読者の認識を問いかける、いがらしみきお、という作家。被災地の仙台から描く、死と生、神と人の物語。ぜひ多くの人に手にとって欲しい。