内橋克人のレビュー一覧
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ネタバレ2015年10月7日第1刷分。
この日付より後だから2016年になってたかもしれないけど、浜矩子さんと柳沢協二さんそれぞれをお招きしての講演会に行った。そのどちらかの時に、会場で購入したものと思う。
私が比較的、政治について語れるようになったのは、去年の参院選からだけど、それまでにも安倍政権に対する不信はずっと持っていた。そんな中、この方たちの講演会にも出かけて行ってたのだ。当時はまだわからないことが多かったけど(今だってまだ不十分だ)、わからないなりにいろんな知識や考え方を身に着けようとしていたのだなと思う。
このブックレットは、同年5月に行われた「鎌倉・九条の会」主催による「憲法のつど -
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シリーズ最終巻。この巻では、IBMとホンダがとりあげられています。
大型コンピュータの製造をおこなってきたIBMが小型機を開発するにあたり、企業内ヴェンチャーのしくみを活用していたことが紹介されています。個人向けのパソコンが普及する情報化社会の黎明期におけるエピソードでもあり、そのような観点からも興味深く読むことができました。
ホンダの四輪操舵システムの開発現場をとりあげた章は、あたらしいことにチャレンジする技術者たちの生き生きとしたすがたが活写されています。従来の自動車にくらべて操作性が大きく変わってしまうことから、このシステムは普及することはありませんでしたが、おもしろいことに熱中する -
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この巻では、東芝、ミノルタ、新日鉄の三社がとりあげられています。
東芝の日本語ワープロの開発では、工学を学んだ技術者たちがそれまでなじみのなかった言語学に取り組み、漢字・かな変換という日本語につきまとう大きな問題を解決するために奮闘するようすに焦点をあてています。
ミノルタの新型カメラの開発では、多くの愛好家によって支えられているという特殊な条件のなかで、自動フォーカスというあたらしい機能がはたして愛好家たちに受け入れられるのかと悩む企業のすがたがえがかれます。
新日鉄は、「鉄は国家なり」といわれた時代が終焉を迎えたことを受けて、素材全般にわたる先端技術に果敢に取り組むとともに、そのため -
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この巻では、住友銀行の国際金融部門で、世界中のライヴァルたちとわたりあってきた日本人のすがたをえがいています。
本書であつかわれているのは主に1970年代であり、急速な経済成長を遂げた日本の円の強さを背景に、国際金融市場の荒海に果敢に船を乗り入れようとする人びとの活気にあふれたようすが活写されています。
その後日本は1990年代の金融ビッグバン以降、厳しい環境のなかに投げ入れられ、国内でも長期にわたる不況にあえぐことになります。そうした歴史を振り返ってみると、未知の世界で日本の実力を試そうとする本書の登場人物たちの努力に目をみはりつつも、「このころは現在にくらべると、まだ牧歌的な時代だった -
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第8巻は、ヨーロッパに事業展開する日本企業のなかから、サンヨー、ホンダ、竹中工務店の三社がとりあげられています。
日本とは異なる商習慣もさることながら、分化のちがいにとまどうこともすくなくないなかで、当地での交渉を積みかさねていく日本人のすがたがえがかれています。ただし、もっぱらとりあげられているのは取引先や現地の労働者たちとのやりとりが中心で、消費者に日本のビジネスがどのように見られていたのか、あるいはどのようにして受け入れられていったのかということについては、あまり言及がなされていません。日本の商品よりも日本人が異文化に触れる体験に焦点があてられている内容だと感じました。 -
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第7巻は、前半がこれまで同様に技術者たちの活躍が著者自身の文章によって紹介されていますが、後半ではインタヴュー形式で個人のことばが紹介されています。
インタヴューを受けている技術者は、特定の商品の開発についてのみならず、技術者であるとともに企業に勤めるビジネス・パーソンとしての顔についても語っています。彼らのことばを通しており、その日本社会において技術者として働くことの実像がより鮮明に示されているように思います。
また技術者のみならず、企業の経営にたずさわる人びともとりあげられているところに、本巻の特色があります。年商2兆円の総合商社だった安宅産業の解体にかかわった複数の人びとの発言からは -
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NHKテレビの「プロジェクトX」を思わせるような内容のルポです。
「メイド・イン・ジャパン」の製品が海外で高い評価を得ることを可能にしたのは、「昭和四十年代半ばをピークとするわが国技術開発の蓄積にほかならない」と著者は述べています。本シリーズでは、当時の日本の先端技術開発の現場に迫っています。
第1巻で取り上げられるのは、東芝、小西六、東レです。東芝の群馬、中津川、京都などの製作所で開発にいそしむ技術者たちの姿を追い、小型カメラにオートフォーカス機能をそなえることを決断した小西六の社長とその部下たちの苦労を記し、人工皮革開発の挫折から、やがて海外を席巻することになる「エクセーヌ」を生み出す -
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ミサワホームが1万棟を売っていた時代の物語(昭和50年代)。第2次オイルショックを受け、三沢社長のカリスマのもと、エネルギー自立住宅の開発を目指す。太陽光エネルギーを活用した自給自足である。現在(2013年)、国策として省エネ住宅を推進し、2020年に省エネ基準の義務化に向け、ゼロエネルギー住宅(ZEH)やLCCM住宅への誘導政策を進めている。約40年前から今の時代を予見し、継続的に技術開発をしてきているハウスメーカーである。その音頭をとった三沢社長のカリスマ性は凄いものがあるのだろう。組織の流れを大きく変更し、社員の自主性を奮起させるため、社長死亡宣言を自ら発する思考が凄い。