内橋克人のレビュー一覧

  • 新版 匠の時代 第1巻

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    約50年前の時計と電卓の技術開発話。以前の本シリーズを知らず、再編集版として発刊されたものらしい。当時の風土が、とてもうらやましい。その後50年を経た現在の技術開発話を、50年後の誰かが読んで、100年前と比較し、いったいどう思うのか?などと思いを馳せた。

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    2017年01月22日
  • 新版 匠の時代 第3巻

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    ワープロを作った東芝の匠たちの越えてきた壁に比べれば、今の自分の悩みなんてちっぽけなものだなあと思えます。「予防安全」の観点から走り心地のよい4輪操舵を実現したホンダの発想もすごい。

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    2012年07月22日
  • 新版 匠の時代 第1巻

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    実用的な技術を鍛え続けたセイコー。顧客ニーズを追求したカシオ。付加価値を追い続けたシャープ。今が厳しい時代であることはその通りかもしれませんが、成功の方程式は今も昔も変わらないのですね。

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    2012年04月29日
  • 新版 匠の時代 第1巻

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    セイコーによる水晶時計の開発。シャープとカシオによる電卓戦争を題材に、モノづくりにかける人々の技術、思いを取材した名著。東日本大震災後の日本を復興させてくれるのもこのようなモノづくりに違いない。

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    2011年04月27日
  • 民主主義をあきらめない

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    ネタバレ

    2015年10月7日第1刷分。
    この日付より後だから2016年になってたかもしれないけど、浜矩子さんと柳沢協二さんそれぞれをお招きしての講演会に行った。そのどちらかの時に、会場で購入したものと思う。

    私が比較的、政治について語れるようになったのは、去年の参院選からだけど、それまでにも安倍政権に対する不信はずっと持っていた。そんな中、この方たちの講演会にも出かけて行ってたのだ。当時はまだわからないことが多かったけど(今だってまだ不十分だ)、わからないなりにいろんな知識や考え方を身に着けようとしていたのだなと思う。

    このブックレットは、同年5月に行われた「鎌倉・九条の会」主催による「憲法のつど

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    2020年03月18日
  • 民主主義をあきらめない

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    元防衛省完了の柳澤協二氏の主張がわかりやすくて中身も興味深い。
    安保法制は通ってしまったけど、自衛隊が派遣されて発砲してしまうまでにはまだ時間がある。諦めてはいけない。

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    2016年03月20日
  • 新版 匠の時代 第2巻

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    内橋氏の『匠の時代』シリーズ第二弾。
    この巻では、小西六のカメラ、三菱電機のふとん乾燥機をはじめとする商品群をあげている。
    このシリーズを読んで思うのは、。健全な競争こそが技術革新を生み出すということ(市場原理主義的な、弱者と強者を二分する競争ではない)。そして、仕事に対して一切の妥協をしないプロの仕事がこの本に描かれている。「まあいいや、明日やろう」とか「このくらいでいいだろう」という気持ちで仕事に取り組みがちな僕にとっては耳が痛い言葉の数々。
    この本を読んで明日から頑張ろう!!
    じゃなくて、今から頑張ろう!!

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    2011年06月13日
  • 匠の時代 第12巻

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    シリーズ最終巻。この巻では、IBMとホンダがとりあげられています。

    大型コンピュータの製造をおこなってきたIBMが小型機を開発するにあたり、企業内ヴェンチャーのしくみを活用していたことが紹介されています。個人向けのパソコンが普及する情報化社会の黎明期におけるエピソードでもあり、そのような観点からも興味深く読むことができました。

    ホンダの四輪操舵システムの開発現場をとりあげた章は、あたらしいことにチャレンジする技術者たちの生き生きとしたすがたが活写されています。従来の自動車にくらべて操作性が大きく変わってしまうことから、このシステムは普及することはありませんでしたが、おもしろいことに熱中する

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    2024年05月23日
  • 匠の時代 第11巻

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    この巻では、東芝、ミノルタ、新日鉄の三社がとりあげられています。

    東芝の日本語ワープロの開発では、工学を学んだ技術者たちがそれまでなじみのなかった言語学に取り組み、漢字・かな変換という日本語につきまとう大きな問題を解決するために奮闘するようすに焦点をあてています。

    ミノルタの新型カメラの開発では、多くの愛好家によって支えられているという特殊な条件のなかで、自動フォーカスというあたらしい機能がはたして愛好家たちに受け入れられるのかと悩む企業のすがたがえがかれます。

    新日鉄は、「鉄は国家なり」といわれた時代が終焉を迎えたことを受けて、素材全般にわたる先端技術に果敢に取り組むとともに、そのため

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    2024年05月23日
  • 匠の時代 第10巻

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    この巻では、住友銀行の国際金融部門で、世界中のライヴァルたちとわたりあってきた日本人のすがたをえがいています。

    本書であつかわれているのは主に1970年代であり、急速な経済成長を遂げた日本の円の強さを背景に、国際金融市場の荒海に果敢に船を乗り入れようとする人びとの活気にあふれたようすが活写されています。

    その後日本は1990年代の金融ビッグバン以降、厳しい環境のなかに投げ入れられ、国内でも長期にわたる不況にあえぐことになります。そうした歴史を振り返ってみると、未知の世界で日本の実力を試そうとする本書の登場人物たちの努力に目をみはりつつも、「このころは現在にくらべると、まだ牧歌的な時代だった

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    2024年05月18日
  • 匠の時代 第9巻

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    中東やアフリカ、南北アメリカへと事業展開を試みる三菱電機のビジネス・パーソンに焦点があてられています。

    日本とは異なる商習慣にときに翻弄されながらも、取引先や政府との折衝をくり返し、すくない利益でも受注を獲得する「おかゆ作戦」から、多くの利益を得ることのできる「銀めし作戦」への転換を図った人びとの、悲喜こもごもの体験がえがかれています。「一万本ノック」と称されている海外事業部長のリーダーシップのありかたは、現代の価値観ではもはや通用しないものなのでしょうが、昭和の経済発展を支えた企業風土がうかがえるように思います。

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    2024年05月15日
  • 匠の時代 第8巻

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    第8巻は、ヨーロッパに事業展開する日本企業のなかから、サンヨー、ホンダ、竹中工務店の三社がとりあげられています。

    日本とは異なる商習慣もさることながら、分化のちがいにとまどうこともすくなくないなかで、当地での交渉を積みかさねていく日本人のすがたがえがかれています。ただし、もっぱらとりあげられているのは取引先や現地の労働者たちとのやりとりが中心で、消費者に日本のビジネスがどのように見られていたのか、あるいはどのようにして受け入れられていったのかということについては、あまり言及がなされていません。日本の商品よりも日本人が異文化に触れる体験に焦点があてられている内容だと感じました。

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    2024年05月02日
  • 匠の時代 第7巻

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    第7巻は、前半がこれまで同様に技術者たちの活躍が著者自身の文章によって紹介されていますが、後半ではインタヴュー形式で個人のことばが紹介されています。

    インタヴューを受けている技術者は、特定の商品の開発についてのみならず、技術者であるとともに企業に勤めるビジネス・パーソンとしての顔についても語っています。彼らのことばを通しており、その日本社会において技術者として働くことの実像がより鮮明に示されているように思います。

    また技術者のみならず、企業の経営にたずさわる人びともとりあげられているところに、本巻の特色があります。年商2兆円の総合商社だった安宅産業の解体にかかわった複数の人びとの発言からは

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    2024年04月30日
  • 匠の時代 第6巻

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    第6巻では、人工臓器などの医療分野における開発に尽力した技術者たちがとりあげられています。

    医療の分野の技術革新は、難病に苦しむ患者たちを救うことに直結することもあり、ほかの巻にくらべるとドラマティックな構成のルポルタージュになっているように感じました。技術開発の現場そのものを活写するという観点から見ると、叙述の焦点がやや揺らいでいるように感じられるかもしれませんが、なによりもひとの命を救うことが目標であることを考えると、こうした構成はむしろ当然だというべきなのかもしれません。

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    2024年04月27日
  • 匠の時代 第5巻

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    第5巻は、完全プレハブの家を日本に定着させようと戦ってきたミサワホームの技術者たちが描かれています。

    この巻では、技術的な努力とともに、消費者のニーズにどのように答えていくのかという、もう一つの戦いの舞台にも焦点が当てられており、新鮮な気持ちで読みました。

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    2016年01月23日
  • 匠の時代 第4巻

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    第4巻は、松下電器の開発現場のルポになっています。

    評論家の渡部昇一が執筆した松下幸之助の評伝を読んだことがあるのですが、松下の経営哲学のもとで思う存分に腕を振るった個性的な技術者たちの姿が描かれており、おもしろく読みました。ただ個人的な希望としては、経営と開発のつながりについても、もう少し触れてほしかったようにも思いますが、本シリーズのテーマからそれてしまうので、致し方ないでしょう。

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    2016年01月23日
  • 匠の時代 第3巻

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    第3巻では、国鉄のドラマを描くことにまるまる1巻を当てています。新幹線開発や青函トンネル建設の現場を取材し、さらにリニアモーターカーの研究にかける技術者たちの思いを描いています。

    そのほか、多くの乗客たちが行き交う新宿駅に勤める人びとの日々を取材した章もあります。

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    2016年01月22日
  • 匠の時代 第2巻

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    第2巻では、セイコーの時計製作物語と、カシオとシャープの「電卓戦争」が扱われています。

    「文庫版のあとがきに代えて」の中で著者は、従来の技術史が「国史」という枠組みに捕らわれていたことを指摘し、本シリーズでは技術開発の「個人史」を描き出すことに努めたと語っています。こうした見方は、個人の才能や努力にばかり焦点が当てられて、技術革新を可能にした社会的背景を見落としてしまうことになるのではないかという問題を孕んでいるということもできるでしょうが、本書に登場する研究者たちの情熱には感動を覚えます。

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    2016年01月22日
  • 匠の時代 第1巻

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    NHKテレビの「プロジェクトX」を思わせるような内容のルポです。

    「メイド・イン・ジャパン」の製品が海外で高い評価を得ることを可能にしたのは、「昭和四十年代半ばをピークとするわが国技術開発の蓄積にほかならない」と著者は述べています。本シリーズでは、当時の日本の先端技術開発の現場に迫っています。

    第1巻で取り上げられるのは、東芝、小西六、東レです。東芝の群馬、中津川、京都などの製作所で開発にいそしむ技術者たちの姿を追い、小型カメラにオートフォーカス機能をそなえることを決断した小西六の社長とその部下たちの苦労を記し、人工皮革開発の挫折から、やがて海外を席巻することになる「エクセーヌ」を生み出す

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    2016年01月22日
  • 匠の時代 第5巻

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    ミサワホームが1万棟を売っていた時代の物語(昭和50年代)。第2次オイルショックを受け、三沢社長のカリスマのもと、エネルギー自立住宅の開発を目指す。太陽光エネルギーを活用した自給自足である。現在(2013年)、国策として省エネ住宅を推進し、2020年に省エネ基準の義務化に向け、ゼロエネルギー住宅(ZEH)やLCCM住宅への誘導政策を進めている。約40年前から今の時代を予見し、継続的に技術開発をしてきているハウスメーカーである。その音頭をとった三沢社長のカリスマ性は凄いものがあるのだろう。組織の流れを大きく変更し、社員の自主性を奮起させるため、社長死亡宣言を自ら発する思考が凄い。

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    2013年04月26日