【感想・ネタバレ】匠の時代 第11巻のレビュー

あらすじ

ワープロ開発の東芝、自動焦点カメラのミノルタ、「超・鉄」の新日鉄をルポ! 「手法革命」にとりくむ匠たちの実像――新しい原理を拓き、手法革命にとりくむ匠たちの実像を追う。カナ漢字変換という発想で、ワープロを生みだした東芝の技術者。一眼レフカメラに自動焦点を設置したミノルタの研究者。「超・鉄」の実験に賭ける新日鉄の現場。これら最先端の技術と頭脳の動きを、克明にルポした定評あるシリーズの第11巻。<全12巻>

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Posted by ブクログ

この巻では、東芝、ミノルタ、新日鉄の三社がとりあげられています。

東芝の日本語ワープロの開発では、工学を学んだ技術者たちがそれまでなじみのなかった言語学に取り組み、漢字・かな変換という日本語につきまとう大きな問題を解決するために奮闘するようすに焦点をあてています。

ミノルタの新型カメラの開発では、多くの愛好家によって支えられているという特殊な条件のなかで、自動フォーカスというあたらしい機能がはたして愛好家たちに受け入れられるのかと悩む企業のすがたがえがかれます。

新日鉄は、「鉄は国家なり」といわれた時代が終焉を迎えたことを受けて、素材全般にわたる先端技術に果敢に取り組むとともに、そのために大胆な制度改革と人材活用をおこないます。この章は、やや焦点が散漫な印象もありますが、ともすれば斜陽産業と思われてしまいがちな企業にあっても、先端的な取り組みを果敢に打ち出してあたらしいニーズにこたえることが重要だという認識が共有されていれば、けっして悲観することはないということを教えているように思えます。

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2024年05月23日

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