越尾圭のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人気ミーチューバー、ソウスケが、大食いチャレンジ動画の生配信中に突然、倒れた。
視聴者からの贈り物を端から食べている最中に亡くなったのだ。
ソウスケを兄と慕っていたミーチューバーのカイは、ソウスケの死の謎を探ることを決意。
謎解き動画の配信を始める。
ソウスケに何が起きたのか。
実は覆面ミーチューバーの刑事、田井中の視点とカイの視点が交互に描かれて、真相に迫っていく。
発想が唐突なんじゃ、と思ったり、ところどころで違和感はあるものの、登場人物も不自然でなく、意外に常識的な感じでまとまってて、面白かった。
動画の配信で稼ぐということの仕組みと大変さもわかったし。
-
Posted by ブクログ
硫黄列島の一つ、東硫黄島で十五年振りに行われる生態系調査。そのためにやって来た東京博物館の研究者たち七名と、島でリゾート事業をするべく事前調査に来たリゾート会社社員二名の計九名。
この究極のクローズドサークルどいえる環境で起こる連続殺人事件。
第一の殺人では被害者が刺殺され、口にはこの島にないはずの植物の種子が溢れるほど詰め込まれていた。
第二の殺人ではやはり被害者が刺殺され、口にはカニの足とハサミが詰め込まれていた。
そして犯人は外部に唯一繋がる無線も隠し、沖合いに停泊している連絡用の船の無線やドローン、更にはゴムボートなどにも穴を開けていた。
一体犯人は何のためにこのような周到な計画と -
Posted by ブクログ
猛毒のクサリヘビが殺人の凶器に? 希少動物をめぐった違法売買事件に巻き込まれるサスペンス&ミステリー
動物をこよなく愛す獣医、ペットショップ店員たちが、毒蛇を使った殺人事件に巻き込まれる。少しずつ希少動物の違法売買が明るみになり、彼らにも魔の手が伸びてきて…
シンプルにストーリーが進むお話ですが、特に序盤の物語への引き込み方が上手ですね。文章やセリフ回しも丁寧にしっかり書かれていて読みやすいです。どんどん読み進められます。キャラクターの人間性や関係性が、良く描かれていてGOODですね。作品としての総合力が高いと思いました。
ただ残念なのが、解決策と真相がミステリーとしてはインパクトが少な -
Posted by ブクログ
小笠原諸島の南端にある「東硫黄島」。かつて一時期、人が滞在した形跡はあったものの、ほぼ手付かずの状態だった。過去に島の調査が行われた結果、独自の生態系があることを発見した。以降、島は厳しく制限されていた。
そして、15年ぶりに調査するということで、厳重な準備を整えた上で、博物館の研究員などが上陸した。
研究・調査をしていたが、しばらくすると調査団の一人が殺された。外部との連絡が途絶えたり、ボートが使用不能になったりと疑心暗鬼な状態が続く。犯人はこの中にいる⁉︎
そんな中、新たな殺人が起きる。
クローズドサークルモノで、今まで色々な設定がされてきましたが、この作品の特徴は、外来種問題が加えら -
Posted by ブクログ
希少で危険なラッセルクサリヘビを用いた殺人事件が発生。被害者の親友と妹と記者が協力して真相究明に乗り出すお話。
“このミス”関連の受賞作にはそんなに食指が動かないんです。というのも、私はどちらかといえば重めの話のほうが好きだし、日本語の美しさや可笑しみを感じる文章に触れていたいという気持ちがある。たとえば浅田次郎や京極夏彦なんかがそうです。“このミス”はその真逆を行く印象があって。ただその分、とてもわかりやすい。辞書を引かねばわからないような言葉はひとつも出て来ず、行間を読まずとも100%説明してくれるから、迷わず楽しめる娯楽作品。目頭熱くなるシーンもきっちりあります。想定以上の面白さでした -
Posted by ブクログ
動物診療所を営む獣医・遠野太一に深夜かかって来た電話は幼馴染で、ペットショップオーナーの小塚恭平からだった。不穏な気配を感じた太一が駆け付けた時、恭平は自宅マンションで大量の血を流して絶命していた。そして、部屋にはワシントン条約で取引が規制されているラッセルクサリヘビが・・・
重い作品に疲れて、軽~く王道の推理小説を!と思ったら、こちらもなかなか重かった・・・
「このミス」の編集部推薦作(「隠し玉」と呼ぶらしい)の本作は、デビュー作とは思えないほどの完成度。出だしから引き込まれ、先が気になって手が(目が?)止まらない一気読み作品。
法医昆虫学に続いて、今回はラッセルクサリヘビを始めとするワ -
Posted by ブクログ
ネタバレ素人目に、読み終わった後でデビュー作だと伝えられても絶対に分からないほど完成度が高いと思う。
動物をテーマにした王道のミステリー。
実際に存在する動物や規約などを盛り込んでいくことでリアリティが出ていたし、その部分については全くの無知だったので勉強にもなった。
王道というだけあって、展開はなんとなく読めてしまうが、それだけにテンポよくスルスルと内容が入ってくるので気持ちが良い。
ラストは漫画のような怒涛の展開。
犯人はかなり意外な人物だと思う。
結局犯人も死んでしまうので謎の残る部分もあるし、
何より、事件を受けて生き残っていた人物の中で特に動物のことを思っていた利香が、あっさりとその職