越尾圭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「クサリヘビ殺人事件 蛇のしっぽがつかめない」
このミスシリーズ。
「これがデビュー作とは思えない。最後はまさかの方向にジャンプ」「ラストに待ち受ける読者唖然の大展開‼」等、帯が主張し過ぎである。突っ込まざるを得ない。この時の第17回「このミス」を制したのは「怪物の木こり」。ぶっ飛んだ設定らしいので、ぜひ読みたいところだが、それに負けず劣らずの帯ぶりである。
物語は、主人公の遠野太一の親友(小塚)が、何者かに殺されたことから始まる。警察は、小塚が死ぬ間際に遠野に電話したことを怪しみ、遠野を第一容疑者として徹底マーク(が、以外にちょろい。頼りない)。このままでは親友の無念を晴らせない、な -
Posted by ブクログ
愛する妻が殺された。
実はその妻は戸籍の売買で他人になりすましていた事が判明し、、、
それだけではない、なんとその夫も実は妻同様に他人の戸籍を買い、他人になりすましていた。
とんでもない、あり得ない、と思うところから物語は始まった。
しかし、とんでもないと思いつつもそうせざるを得なかった彼らの事情を知るにつれ、同情してしまう。
私の周りには、こんなとんでもない話はなさそうだけど、いや、どうかな?
もしかすると隣のあの人や、この人も、実は他人のなりすましだったりして、、
それはさておき、無戸籍の人というのは、現実に少なからず存在しているらしい。
しかも無戸籍になったのは本人のせいでは無く、原 -
Posted by ブクログ
今までの人生を捨てて、別人として生きる——それはきっと、人生でいちばん重い決断だ。
越尾圭『なりすまし』は、戸籍の交換・売買という題材をサスペンスに落とし込みながら、「他者として生きるしかない人がいる」という社会の影をまっすぐ照らす。重たいテーマなのに読みやすく、気づけば一気読みしていた。
印象に残ったのは、戸籍を“売る側”も“買う側”も、どちらも結局は「自分の戸籍を手放す人」だということ。そこにはそれぞれの事情があり、簡単に善悪に切り分けられない。
読後、頭に残ったのは制度への問いだった。家族や血縁を前提にした仕組みが、もし地獄のような家庭環境の中にいる人を救えないとしたら——法の常識