越尾圭のレビュー一覧
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夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎の妻が店内で惨殺されていた。
捜査しているなかで、妻エリカが戸籍を偽っていたことがわかり、動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
彼の場合は、兄が暴力団の幹部候補を刺殺したせいで、執拗な嫌がらせを受け職場を追われることも何度もあった為に戸籍を買い別人として生きていた。
妻のエリカの死後、彼女と戸籍を交換したのだという女性が現れ…。
妻のエリカが何故、誰に殺されたのか?それは彼女の過去のせいなのか、もしくは服役していた兄絡みなのか?
そのあと、娘の杏奈も殺されてしまうのだが…。
刑事が捜査するなか、和泉もエリカと戸籍を交換した -
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我が国には約10,000人の無戸籍者がいると推計されている.実は戸籍は世界的には珍しい制度らしいのだが,日本のさまざまな手続きは戸籍が前提となっているので,無戸籍の場合には大変に不便である.不便であるにもかかわらず無戸籍の人たちが存在するのは,止むに止まれぬ事情があるためである.
一方,戸籍の売買も行われている(らしい).新たな戸籍を入手することで,例えば転居の記録を辿ってたどり着くというルートを断ち切り,新たな人生のスタートをきるわけである.
主人公の妻が突然殺される.ところが妻は自分が知っていた名前の人物ではなく,全くの別人で,どうやら他人の戸籍を使って生きていたことが判明する.ここに戸籍 -
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妻、娘との三人暮らし。ある朝、夫婦で経営するカフェに、保育園に行く娘を伴って赴くと、仕込みのため先に出勤していた妻が、惨殺されていた。捜査の過程で、エリカと名乗っていた妻が、その名前を語っていた別人だと判明して驚く夫。じつは夫も他人の戸籍を買って、名前を偽って生活していた。妻と戸籍を交換していたという女が現れ、その女とともに本当の妻の名前を探して本籍地などを訪れ、警察の知りえない情報を次々と手に入れる。警察の捜査は進まず、ついで、娘まで殺害されるが、自分も名前を騙っていたため、警察に情報を与えることは出来ない。独自に犯人を捜すため、妻の本当の姿を知るため、奔走する。
戸籍を偽って生活する人の -
Posted by ブクログ
ネタバレ大変楽しく拝読させて頂きました!
読み終えて、狭い交友関係の中でそんなになりすましている人が?!と驚いてしまいました。
しかもAさんが実はBという名前で…それも違ってCという名前で本当はDでした。なんて、
どんでん返しどころではないひっくり返り具合で、読みながら頭の中が大混乱しました。
作中でさまざまな理由で戸籍がない人、
ちがう戸籍が欲しい人がでてきて
どうしたら彼らが生きやすい世の中になるのかとも考えさせられもしました。
戸籍が簡単に作れてしまう、というのはもちろん良くないが本当に必要としている人たちも
作ることが困難になる制度は改善の余地があるのでは…と考えてしまいました。
登場人物たち -
Posted by ブクログ
越尾圭『なりすまし』ハルキ文庫。
『協力者ルーシー』『シスター・ムーン 協力者ルーシー 2』と2作読んだが、どちらも非常に面白い作品だったので、新刊の刊行が気になっていた。
戸籍売買、無戸籍児といった社会の暗部を背景にしたミステリー小説である。日本の総人口は約1億2千万人であるが、無戸籍者は1万人居ると言われている。様々な事情はあると思うが、無戸籍児を産むのは親の怠慢や育児放棄が原因なのだろう。
さて本作の感想であるが、先の全く読めないストーリーはなかなかのリーダビリティの高さである。しかし、主人公の和泉浩次郎が妻と娘を失った後の悲しみが見えて来ず、そこに少し違和感を感じた。もう一つ、和