越尾圭のレビュー一覧
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希少で危険なラッセルクサリヘビを用いた殺人事件が発生。被害者の親友と妹と記者が協力して真相究明に乗り出すお話。
“このミス”関連の受賞作にはそんなに食指が動かないんです。というのも、私はどちらかといえば重めの話のほうが好きだし、日本語の美しさや可笑しみを感じる文章に触れていたいという気持ちがある。たとえば浅田次郎や京極夏彦なんかがそうです。“このミス”はその真逆を行く印象があって。ただその分、とてもわかりやすい。辞書を引かねばわからないような言葉はひとつも出て来ず、行間を読まずとも100%説明してくれるから、迷わず楽しめる娯楽作品。目頭熱くなるシーンもきっちりあります。想定以上の面白さでした -
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動物診療所を営む獣医・遠野太一に深夜かかって来た電話は幼馴染で、ペットショップオーナーの小塚恭平からだった。不穏な気配を感じた太一が駆け付けた時、恭平は自宅マンションで大量の血を流して絶命していた。そして、部屋にはワシントン条約で取引が規制されているラッセルクサリヘビが・・・
重い作品に疲れて、軽~く王道の推理小説を!と思ったら、こちらもなかなか重かった・・・
「このミス」の編集部推薦作(「隠し玉」と呼ぶらしい)の本作は、デビュー作とは思えないほどの完成度。出だしから引き込まれ、先が気になって手が(目が?)止まらない一気読み作品。
法医昆虫学に続いて、今回はラッセルクサリヘビを始めとするワ -
Posted by ブクログ
ネタバレ素人目に、読み終わった後でデビュー作だと伝えられても絶対に分からないほど完成度が高いと思う。
動物をテーマにした王道のミステリー。
実際に存在する動物や規約などを盛り込んでいくことでリアリティが出ていたし、その部分については全くの無知だったので勉強にもなった。
王道というだけあって、展開はなんとなく読めてしまうが、それだけにテンポよくスルスルと内容が入ってくるので気持ちが良い。
ラストは漫画のような怒涛の展開。
犯人はかなり意外な人物だと思う。
結局犯人も死んでしまうので謎の残る部分もあるし、
何より、事件を受けて生き残っていた人物の中で特に動物のことを思っていた利香が、あっさりとその職