夏木志朋のレビュー一覧
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ネタバレ普通じゃない主人公の男子高生と、普通じゃない担任教師の男の、「普通」の人たちの前で隠している事実を巡った攻防と思い通りにいかない人生の話。
正直私もあまり普通じゃないかもしれなくて、主人公広一と二木先生は自意識過剰で面倒臭い人だなと思いながらも好きでも嫌いでもなかった。若いしな。逆に、「普通」の側のクラスメイト達やおっさんにはイライラしどおしで、虐めの場面には本気で憎しみを覚えたし、お前らの方がよっぽど異常で頭おかしい、傍観するおまえらもだよ、と思って、その場にいる私を頭の中で思い描いて、椅子引っ掴んで振り回す衝動に何度も駆られ、何度も本を投げ出しこれ以上読めないと思う程だった。
でも、 -
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『正欲』が多様性を語る際、誤解を招くことを避ける為に恐らくは敢えてクローズアップしなかった部分を結構まともに描いた作品。
無関心と同義に見える多様性の時代にあっても、関心を集めてしまう性癖や性格を保持した者達。
彼らのジレンマと葛藤。
で、私は思う。
悲壮感を交えず、抵抗感を持たずに、ただただ楽しげに普通を演じる。
だって、誰もが何かを演じている。
魅せるため…隠すため、目的は異なろうが演じることに差異は無い。
普通は所詮演じる程度の物なのだ。
他者を傷つける禁忌さえ侵さなければ、想起する事自体には断じて罪は無い。
それを踏まえて普通に普通を演じていれば良い。
そう思うのだ。
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「場違いな客」
正直、何が起きてるのかよくわからないまま終わった。
大麻を育ててる? それとも違う?
主人公の情けなさも印象的だったけど、それも「普通」なんだろうなと思う。
みんな、どこかで自分を守るために逸れているのかもしれない。
「スタンドプレイ」
教師って、ほんとに大変。
停学になるのも無理ないと思った。
あの日にあんなことがあって、肘でどつかれたら…
追いかけてしまう気持ちはわかる。
一度きりの「ストーカー行為」って犯罪なのか?
警察も言ってたけど、注意くらいで済むこともあるんじゃないか…と考えてしまう。
「占い師B」
イリスと、若いアキツ(アクツ?)のやりとりがなん -
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ネタバレ昔読んだ、短編小説の基本は、冒頭で高い塔に幽閉されたお姫様が出てくるとラストではお姫様を救う大きい鳥が出てこないといけないとか冒頭で猟銃が出てきたら後半では必ず弾が発射されないといけないとかあったが、この3つの作品はどちらの要素もあるが、主に後者を備えた作品と思う。
誰にでも起こり得る日常に潜む狂気と恐怖を描いていて、一瞬で被害者と加害者が入れ替わり、ギリギリの緊張感とイヤミス感でページを捲る手が止まらない。
例えると冒頭で鞘に収まっていた刀が、後半に眼の前で寸止めされたような…
特に最後の作品は、凡庸な努力家とおバカなのに天才の二人がときにドタバタ劇を演じて、助けているはずが…
作品をつなぐ -
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こんなにクソな主人公ははじめてだ(笑)
主人公の高校生の田井中はどっかズレてる。本人も自覚してるけど、ズレてるし卑怯だ。そりゃ、イジメられる。一方の二木先生はロリコンだが、それをうまく隠している。そんな二人が邂逅したお話。
とにかく主人公の性格が悪い。やんちゃとかでなく人間として悪い。なのでまったく共感とかできない。
二木先生はいいキャラクターだと思うので、二木先生視点で生徒や同僚の悩みを解決するような連作にしてもよさそう。
本作はポプラ社小説新人賞の「Bとの邂逅」を改題して、「ニキ」として出版したもの。その後、文庫化にあたり「二木先生」としてさらに改題。装画を大きく変更したことでヒットし -
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ネタバレ人と関わりが持てない高校生:広一と幼女趣味の美術教師:二木。マイノリティの思想をもつ2人が織りなすストーリー。
最初は広一の身勝手な言動に対して二木の行動がどこか飄々としており、何とも言えない緊張感とこれからどうやって展開していくんだろうと思いながら読み進めていった。2人だけの秘密が白日の下にさらされ最後はすっきりとした結末ではなかったが、ある意味リアリティのある結末だったのかもしれない。
広一と二木を責め立てる吉田を中心とした学生達の行動は現代の縮図のようで不快であったが、自分達が他人に対して偏見をもたないようにしなければと素直に思える展開でもあった。それぞれ人に言えない秘密や性癖の1つや2 -
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