【感想・ネタバレ】ゲーム実況者AKILAのレビュー

あらすじ

学校では友達がおらず孤独な周助は、底辺ゲーム実況者・AKILAとして活動している。
視聴者はほぼゼロ。そんなあるとき、SNS上で初めて見つけた自身のファンアート。その投稿主は【チトセ】というアカウントだった。彼女に長くAKILAファンで居てもらいたい一心から、周助はある“卑怯な嘘”をついて彼女に近づく――。二人の関係は変容し、一度はすれ違っていくが、数年後のとある配信企画で歪な再会を果たし…。(『ファン・アート』)“覗(のぞ)き見“から始まる、青年二人の最悪な邂逅の物語。(『ヲチ』)二つの心ヒリつく青春小説

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Posted by ブクログ

ネットで出会う関係とリアルの間で巻き起こるヒリヒリした話が2つの短編集。

とても面白かったです。ネットで知り合った人と会う、という経験をしたことのある人なら誰でもこのヒリヒリ感は共有できるのではないかと思いました。
誠実であろうとすればこそ嘘をついてしまったり自分を見つめすぎてしまって空回りしたりする、憧れてもスマートに立ち回れない焦りとか苛立ちなんかがものすごくリアルに描かれていて、いろんな意味でたまらないものがありました。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

とても手軽に読めます。
夏木先生は本当に人間の、なんというか言葉に表しにくい、決して綺麗では無い心の内面を上手く言語化してくださいます。
そういうことあるよね、と思わず共感してしまうような気持ちになりました。面白かった。

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

ゲーム実況とファンの女の子。
主人公AKILAは自分の素性を隠し、ファンの女の子に近づき…。と、初めから嫌な予感がする展開。
それまで好意的だった相手に、小さなことがきっかけで嫌悪感や悪意が湧く。
そんな経験は、誰にでも一度はあるかと思います。
そういった人間の心の変化を、夏木先生は表現するのが本当に上手。
誰もが心に持っている、悪意やズルさ。この小説ではそんな人間の本性が、徹底的に生々しく描かれていました。
読者の心をグサグサ刺してくるこの感じ、最高です。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

『ヲチ』がすごく面白かった。「人と遊ぶことができない」という悩みが、自分も同じようなことを考えていたので、ああ分かるなぁと思いながら読んだ。こういう、あんま人に共感してもらえず、言語化も難しい悩みを描くのがすごく上手いなと思う。
『二木先生』もそうだけど、一般的には歪に見えても本人たちにとっては前に進んでいくようなラストで好きです!

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

二木先生の著者、夏木志朋さんの作品。
ふたつのお話が入っている。

ひとつ目。

ゲーム実況をする非モテ?な男子高校生。
AKILAこと周助。
ある日、自分のアカウントに
ファンアートを描いてくれた
漫画化志望の女の子チトセ。
AKILAは、彼なりの方法で
チトセにアプローチをしつづける。

目的意識がしっかりした主人公は
着々と活動を続け、フォロワーを増やし
インターンという形で就職も果たす。

チトセも別の形で夢を叶えつつあり、
AKILAと対談することになるのだか…。

ネット、SNSの使い方や
そこに付随する感情の描写がうまい。
自尊心、承認欲求、他人からどうみられるか。
そういった人間臭いところが
読み手のこころもくすぐってくる。

この話はラストが、んー。
二木先生と同様、ダークヒーロー的かも。


ふたつ目。

通常のコミュニケーションは問題ないが
友だちとなんとなく楽しむ
だらだら過ごすという
フワッとした時間に苦手意識をもつ
成人男性のお話。

相手が楽しくないのでは?と
意識しすぎるあまり
自分も楽しめなくなる。
この感覚は、ちょっと異常な感じもするが
気詰まり感は少しだけわかる気もする。

こちらの話にもSNSが登場。
SNSで自己顕示する人を観察するスレ。
主人公をはじめ、他人の言動を面白がる
若干屈折した人間の心持ちが描かれている。

こちらはなんとなくほっこりラスト。



 

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

いやー、、夏木先生おもしろいなあ、、
読みやすいし、何より登場人物の悪いところが自分の悪いところとも重なってグサグサ来た。
でもおもしろかった。
たまたまサイン本ゲットできたからずっと大事にしよう、、
夏木先生次作も楽しみにしてます

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

夏木志朋さんの新刊を見つけて即買い!表紙がニキ先生と丸かぶり♡
私はゲームをしないのでゲーム実況とか全然分からない世界だったけど、自分と接点のない世界を知れるのが読書の楽しみ。
それにしても今回もネットの世界のあれやこれや。悪質な投稿や、嘘だらけの設定でやり取りする世界。実物が存在してるかもわかんないような。
そして何のことだかよくわからないネットスラング。
正直この時代の青春を生きてなくてよかった〜と思った。人間関係疲れそうだもん。
それでも、やっぱりさくさく読み切れてしまうのは著書のうまさなんだろうなぁ〜。
面白かったです。
とはいえ、『二木先生』には数歩及ばず、かな。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

表題のゲーム実況者AKILAのお話である「ファン・アート」と「ヲチ」というお話が収録されています。どちらもコミュニケーションに関してのコンプレックスを抱えている男性が主人公。個人的には「ヲチ」の主人公に共感してしまう。私も他人との遊びを楽しめないたちなので。
クラスカーストの上位にいるような人が読んでも「ハァ?」ってなるだけかもしれません。私みたいな人には刺さる作品でした。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

『ゲーム実況者AKILA』の中に「ファン・アート」と「ヲチ」という短篇2作品。
どちらも今まで読んできたような小説と全然違ってとても良かった気がする。
どちらの主人公も友だちがおらず、基本的に孤独だ。
かといって孤独を愛しているわけでもない。
「ファン・アート」の底辺ゲーム実況者の周助はそのくせ、やたらと承認欲求が強くある意味傲慢で自分のファンだというチトセを騙して近づく。騙すという意識はあまり強くないのかも。なんというかある意味利己的でそれでいて寂しがり屋で、人らしさがある。お近づきになりたくない。
「ヲチ」の主人公は自分といると相手は楽しめないのではという不安に苛まれる。子供の頃から“友だちと楽しむ”ことが苦手でこちらも日々鬱々としている。ひととかかわるって本当に大変ででも誰もひとりきりでは生きていけない。なんて面倒なんだろう。
社会を変えるほどのなにかを起こすわけでもないはずだけど、どちらも炎上に近い場所のはなしでだから完全に他人事ではない新しい日常のはなしなのかもと思ってしまうのが妙にリアルでちょっと怖かった。

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2025年04月01日

Posted by ブクログ

「二木先生」に続き二作目です。
以前、王様のブランチに出演されているのを拝見し、
女性だったことに驚きました。
「二木先生」のイメージでは、男性の方が描いているのかと思っていたため。

本作は「ファン・アート」「ヲチ」が収録されています。

「ファン・アート」
ゲーム実況を配信している高校生が、自分をエゴサしている時に見つけた一枚のイラスト。
それは自分をイメージして描かれたものだった。
どんな子か知りたくて、他人のふりをしたアカウントで近づく…

「ヲチ」
Xで狂言や妄想にも似たような発言を繰り返しているイタイ奴を踊り子として眺め言いたいことを言い合うだけのスレッド。
プライベートで対人関係を築けない主人公は、ある日そのスレッドに書き込まれていた踊り子を特定する。それはとても身近な人物だった…

どちらも痛々しいし、
でもあり得なくなさそうで、
100%理解できるかと言われると、
そうでもない。
これを私より年上の方が描いてるんだと思うと、
すごいとしか言えません。

なんかちょっと依存的な部分とか、
少しでも見て欲しい承認欲求とか、
気になって止められない部分とか、
自然を意識すればするほど不自然になっていくとか、
自分を自分でうまく操縦できないもどかしさのようなものを感じる一冊でした。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

短篇2篇
表題作も「オチ」(ウォッチングの略)も対人関係難ありの主人公の生きづらさとか足掻きのようなものをうまく表現している。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

個人的には二木先生のほうが好き

短編が二篇
「ファンアート」
駆け出しのゲーム実況と
ファンアートの投稿主

共に高校生で、最初にオフ会で会うところまでは
あるよねーと共感できる
でも、大学生になり、中堅になった実況者と
4コマ漫画家になった投稿主が
リモートライブ配信をすることになるが、
最後の行動は…

「ヲチ」
掲示板で弄っていた人と
実際に絡み合った話

主人公が上手くいかないのが
あまり理解できない。
ハイスペックそうなのに。

本書は、読む前の期待が大き過ぎた…

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2025年04月07日

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