夏木志朋のレビュー一覧
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最初主人公はしょうもないなと思っていたけど読むにつれて好きになっていくな。本が好き故の語彙力の多さと面白い話の意図を捉えられないことくらいでいろんなこと分析してだいぶ頭が回る方だと思った。
一気読みしてしまうくらい楽しめたのは人の秘密をどんどん知っていく面白さで悪趣味だなと思ったけどどんどん多様性についての話になっていく。
最悪な関係から良い関係になっていく様が良かった。先生も主人公のやりとりはどれも楽しく読める。
好きなワード「君の血管には尿でも流れてるの?」なかなかこんなユニークな返しできない!
設定からして面白い。作者の一冊目なんてすごい。次の作品も読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ田井中がやばいくらい空気読めなくて
共感性羞恥ギャンギャンだった。
なんでそーなるんだよー
なんでそー思うんだよ〜
ちーがーうーだーろー!!
お母さんも苦労してる。
病院にまで行っていっその事病名が欲しいと。
その位ボーダーなんじゃないか。
二木も結構自制出来てるようで
やっぱりギリギリだと思う。
漫画描いてる描写は無かったけど
その描いてる時の顔はやばくなってると思う。
そうして捌け口にしてるんだろうけど。
逆に学校という絶対的な監視下の元に
自分を置いておいた方がいいんじゃ無いかと
思うラストだった。
田井中のイジメも止んではいないけど
なんか田井中なら飄々と乗り切れそう。
何もかも解決し -
Posted by ブクログ
面白かった。思っていたのとは違う内容と結末だったが、純粋に面白かった。ただ、ニキはそんなにヤバくない。
帯から想像するのは、広一とニキとのやり取りがもっとドロドロとしたものだったが、思っていたよりずっと青春小説の色が濃い仕上がりだ。
広一は周りに馴染めないちょっと変わった高校生。そんな広一が唯一分かり合えると思って近づいたのが教師のニキ。ニキの秘密を知る広一はニキを脅しつつも、ニキの提案で小説を描き始める。
お互いに秘密を知る2人は、窮地に追い込まれるが、その時2人のとった行動は・・・。
自分が思い描いていた内容とかけ離れたものだったが、むしろこの結末は素晴らしい。そしてこれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ普通じゃない主人公の男子高生と、普通じゃない担任教師の男の、「普通」の人たちの前で隠している事実を巡った攻防と思い通りにいかない人生の話。
正直私もあまり普通じゃないかもしれなくて、主人公広一と二木先生は自意識過剰で面倒臭い人だなと思いながらも好きでも嫌いでもなかった。若いしな。逆に、「普通」の側のクラスメイト達やおっさんにはイライラしどおしで、虐めの場面には本気で憎しみを覚えたし、お前らの方がよっぽど異常で頭おかしい、傍観するおまえらもだよ、と思って、その場にいる私を頭の中で思い描いて、椅子引っ掴んで振り回す衝動に何度も駆られ、何度も本を投げ出しこれ以上読めないと思う程だった。
でも、 -
Posted by ブクログ
『正欲』が多様性を語る際、誤解を招くことを避ける為に恐らくは敢えてクローズアップしなかった部分を結構まともに描いた作品。
無関心と同義に見える多様性の時代にあっても、関心を集めてしまう性癖や性格を保持した者達。
彼らのジレンマと葛藤。
で、私は思う。
悲壮感を交えず、抵抗感を持たずに、ただただ楽しげに普通を演じる。
だって、誰もが何かを演じている。
魅せるため…隠すため、目的は異なろうが演じることに差異は無い。
普通は所詮演じる程度の物なのだ。
他者を傷つける禁忌さえ侵さなければ、想起する事自体には断じて罪は無い。
それを踏まえて普通に普通を演じていれば良い。
そう思うのだ。