夏木志朋のレビュー一覧

  • 二木先生

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    ネタバレ

    面白かった。先生と生徒の単なる秘密の共有ではなく、相手を陥れる秘密を持ってしての口止め関係から始まる危険な物語かと思えば、そんな関係であるとは思えないほど熱心に主人公の小説を添削してくれる二木先生、二人の関係は危ういが、なぜか安心するところがある。

    人に認められること、誰かのために自己を犠牲にすること、普通でいるための努力を惜しまなかった主人公が、二木先生との関わりの中で変容していく姿が面白かった。

    委員長はいいやつや

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    2025年12月01日
  • 二木先生

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    知り合いからおすすめされて。
    テンポがよくあっという間に読み進められた。
    読書に没頭して気づいたら朝になっていた中学時代に戻ったような感覚で、そのくらい夢中になってた。
    ワードセンスが自分好みで、特にブーメランが刺さって死ねは声出して笑った。全体的に尖りすぎてる。
    完全に好みは分かれる尖り方してるけど、学生に読んでほしいかも。てか自分が学生の時に出会いたかった本。いや出会わなくて逆によかったかも。今でもこんなおもろいと思うのに学生の頃に読んでたら影響されすぎちゃって、死ぬほど尖った奴になり、とんでもない黒歴史が生まれてたかも。
    展開はいい意味で裏切られた。あの題材でよくこの展開にもってけたな。

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    2025年11月29日
  • 二木先生

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    普通になりたい田井中と、皮を被りながら生きている教師、二木。
    「自分を好きでいられる行動をとりなさい。」
    皮を被りながら生きるのは辛い。それを悪だと思わないためには自分を好きでいるしかないのだと気付かされた。普通になることが正解なのではないのかもしれないと思った。
    そしてなりより、普通ではないことを本人が1番自覚していること。誰とも親しくならずに打ち明けるつもりもないことを田井中は誰よりも知っていたからこそそれでもAのように生きる二木に憧れを抱いたのだと思う。

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    2025年11月23日
  • Nの逸脱

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    なかなか読み応えのある3篇の作品を収容している作品でした。直木賞候補に挙がったも納得。本書のタイトルは3つのうちの「スタンドプレイ」の内容から付いているのかな内容的にも思いました。一番印象的だったのは「占い師B」、占い師の仕事をしている主人公のお話なのですが、ストーリー展開が想像を超えていて惹き込まれたし、作品のタイトルに関して個人的に2つの見解が浮かびました、合っているか分かりませんが…(^_^;)

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    2025年11月22日
  • 二木先生

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    世間の基準から逸脱している者は、たとえそれをぴっちり隠していたとしてもお日さまの下を歩けないのか……という哀しみがある。いや、他人事とじゃないよ、本当。

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    2025年11月16日
  • 二木先生

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    怒涛の面白さで結末も納得!!!
    映像化してほしいとこんなに思った作品は初めてかもしれない。文章に癖がないから読みやすいし、笑いを誘おうと読者に媚びてくる感じもない。前評判がかなり良かったので、騙されないように慎重に読んだが面白いという「普通」な感想しか出てこない自分が歯痒い。テーマは結構センシティブなものだと思うけれど、青春小説のような爽やかさも感じる。二木先生の「カミングアウトという言葉があるけれど、多数派のふりをする選択だってある。いくら世間から許されないような性でも、当人にとっては大事な心の一部」という言葉で目頭が熱くなった。

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    2025年11月07日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    〜1周目〜
    2023.03.17
    人間の奥深いところの考え方や、外面と内面が垣間見えてとても面白かった。
    人は誰しも人に言えないような秘密があるということを体現したようなものだと思う。

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    2025年11月04日
  • 二木先生

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    こんなに夢中になって本を読んだのは何年ぶりだろう。二木先生の考え方本当に大好き。てか、普通に人生のバイブルになった。
    「自分の大事な部分をクローゼットの中に隠して生きる生き方もある」という言葉にハッとさせられた。
    自分を殺すか、むき出しにするか。極端になってて苦しんでる人は多い。主人公ほどではないが私もそう。
    生きづらい人、自分は頭がおかしいんじゃないかと思ってる人全員に読んでほしい。救われる。

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    2025年10月16日
  • ゲーム実況者AKILA

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    ネットで出会う関係とリアルの間で巻き起こるヒリヒリした話が2つの短編集。

    とても面白かったです。ネットで知り合った人と会う、という経験をしたことのある人なら誰でもこのヒリヒリ感は共有できるのではないかと思いました。
    誠実であろうとすればこそ嘘をついてしまったり自分を見つめすぎてしまって空回りしたりする、憧れてもスマートに立ち回れない焦りとか苛立ちなんかがものすごくリアルに描かれていて、いろんな意味でたまらないものがありました。

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    2025年09月25日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    ラノベ的な、調子にのった主人公と秘密を握られて可哀想に振り回される先生のお話だと思ってたので、テーマが重くてちょっとびっくりした。
    ただ、前半は意外と先生の性癖自体の重さをそこまで重く感じることはなくて、それはなぜかと言うと先生が一枚上手で、主人公と先生のやりとりがサクサクすすんで面白いから。
    しかし後半になるとやっぱり先生の秘密である性癖が問題になってしまい、ちゃんと隠していても、犯罪を起こさないと心に誓っていても、その性癖がある、というだけで今までいた世界が自分を拒絶してくる様子が描かれていて、マイノリティに生まれただけで、なんとも生きづらくて大変だと思った。
    正欲とよく似たテーマを扱って

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    2025年09月14日
  • 二木先生

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    これはすごい。なにがすごいか上手く表現できないけどすごい。
    自分のことを少しでも変わっていると思う人は読んで欲しい。

    自分は変わっていると分かっているけど周りに合わせることを諦めた主人公と、完全に普通の人間を演じている先生。
    本当の自分をクローゼットの中に隠す人生もある。これは本当みんなそうなんじゃないか?
    自分の中ではいくら肯定的に説明できても、理解できない人にはどうやったって理解できない。他の人と違う部分なんて全員あるはずなのに目立った違いがあると迫害される。
    結構嫌なことされるシーンもあって、なかなか読むのが辛い部分もあったけど、二木先生がかっこよすぎた。
    後半にかけて、ぐわーーーって

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    2025年09月13日
  • 二木先生

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    終着点はどこだと思いながら夢中で読み進めた。

    学生時代、広一みたいなのがいたら普通じゃないってだけで自分も距離置くだろうな。本人にとったら大事な心の一部をどうにか誤魔化して生きようとしてるのに。
    共感出来ないからって蔑むのは止めよう。
    359ページの二木の言葉に感動した。

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    2025年09月13日
  • 二木先生

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    主人公・二木先生、彼らの価値観や性格は共感できる部分は少なかった。
    ただ、細かな言い回し・単語が沢山使われていて、情景や場面の想像が安易にできた。私自身、フィクション作品を本で読むことが、まだ少ない。だから相場は分からないが、前述の理由から、読みやすく、引き込まれた。

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    2025年09月10日
  • 二木先生

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    人間誰しも人に理解されないことがありつつも、「普通」の人間であろうと無意識のうちに行動していることを再確認しました。人と違った行動をとって特別な人間だと認識されたいと思いつつも、それをわざと演じているわけではなく本当にそう思って行動しているのだと自分も錯覚している、なんてことは誰でもあるような気がします。広一と同じで二木先生が何を思うのかゾクゾクしながら読み進めている自分も普通じゃないと思いたいような気がして......。
    広一にあんなことをするあいつも自分は普通の代表なんだ!こんなやつはおかしい!と肯定してもらうことで自分を保っているのかと思ったり。
    広一の「いい意味で普通ではない」というこ

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    2025年09月07日
  • ニキ

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    面白かった。大多数の人と違う部分を持っいて、当人にとっては大事な心の一部だとしたら、それを避難しないでいる自分でいたいと思う。
    大多数に紛れ込むために、周りの反応を見て大多数の方に手を挙げている自分だと悲しくも再認識できた。

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    2025年05月10日
  • ゲーム実況者AKILA

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    とても手軽に読めます。
    夏木先生は本当に人間の、なんというか言葉に表しにくい、決して綺麗では無い心の内面を上手く言語化してくださいます。
    そういうことあるよね、と思わず共感してしまうような気持ちになりました。面白かった。

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    2025年04月05日
  • ゲーム実況者AKILA

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    ゲーム実況とファンの女の子。
    主人公AKILAは自分の素性を隠し、ファンの女の子に近づき…。と、初めから嫌な予感がする展開。
    それまで好意的だった相手に、小さなことがきっかけで嫌悪感や悪意が湧く。
    そんな経験は、誰にでも一度はあるかと思います。
    そういった人間の心の変化を、夏木先生は表現するのが本当に上手。
    誰もが心に持っている、悪意やズルさ。この小説ではそんな人間の本性が、徹底的に生々しく描かれていました。
    読者の心をグサグサ刺してくるこの感じ、最高です。

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    2025年03月29日
  • ニキ

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    ネタバレ

    自分の生きにくさをどう捉え生きていくかのヒントがありました。
    全体的にあまり気分のいい内容ではなくて救いを求めながら読んでしまったけど、二木先生の態度や言葉からは、諦めとそれでも生きていかねばならないという決意と希望を最終的に感じられてよかった。


    "人には誰にも見せられないことをする場所が必要だ"

    "自分に嫌われたらお終いだよ。自分にはそいつしかいなくて、そいつはいつでもこっちをジッと見てて、死ぬまで離れてくれない訳だから"

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    2025年03月21日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    感想を書き連ねるだけ
    主人公の高校生は、自身が人と比べ明らかにおかしくて変わっていることを自覚している。普通の人間に擬態しようとしたこともあるが、おかしいが故に具体的にどこがおかしいのかまでは自覚出来ず、結局普通になることを諦め、人と『変わっている』ことを人より『特別である』という認識に置き換えることで自尊心を保つという生き方をしていた。他を見下すことでしか、自分を肯定できない。しかし、そんなプライドの高さは、自分のことを認めて好きだと思える自己肯定感の高さには繋がっていないようで、そんな矛盾であり正論のようなものが、数々の葛藤や生きづらさを生んでいることに、主人公自身は気がついていない。自分

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    2025年09月24日
  • ニキ

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    最近読んだ本の中で私的には久々にヒットの作品。特別でありたい自分と皆から浮いてしまい、皆と一緒の感覚でいたいという相反する感情に揺れ動く主人公の様子に感情移入した。若い時の自分を見ているようでした。

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    2025年01月21日