夏木志朋のレビュー一覧

  • 二木先生
    2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。
    かなり面白い。ちょっとトンデモな内容ではあるものの、読んでいてかなり没入感を得られた作品でした。

    大なり小なり、生きづらさを抱えたことがあるような、『ちょっと自分は人とは違うかも』な方にはオススメです。

    そして、主人公が作中で書き始めた小説の中身がメチャクチ...続きを読む
  • 二木先生
    多様性。多様性。
    流行っている。
    まるでオシャレなもののように見える時がある。

    でも、
    ある人にとっては生きていくためにはクローゼットにしまっておかねばならないものでもあり、
    クローゼットは他人が開けるべきものではないし、隠さなくてもいいんだよ!カミングアウトしてこ!などと外野から叫ぶ必要もないよ...続きを読む
  • 二木先生
    複雑な心情を描いているのに文章はすごく読みやすくすらすら頭に入ってきたので不思議な気持ちになった。自分を好きでいられるかどうか、に基づいて選択するという考え方が特に好きだと思った。
  • 二木先生
    教師と生徒が反目し合いぶつかりながらも最後には…的な青春ものではなく、歪みまくった人たちが心の殴り合いをする物語。ただ、なぜか爽快な後読感。
  • 二木先生
    ウワーーー面白い!
    主人公のチー牛度合いと、才能に溢れる感じが好き。

    YES ロリ NOタッチ すごく良い言葉。
  • 二木先生
    何の気なしにジャケ買いしたらビックリ!
    衝撃です!
    シリアスでナーバスな問題。
    先生と生徒の会話に引き込まれる。
  • 二木先生
    すごく濃くておもしろかった。読んでいる最中は終盤の詰め具合にちょっと違和感を感じてしまった、けどこの終わり方、ストーリーだからよかったのだとだんだん思えてくる。初めの気持ち悪さ+苦しさに比べて、最後の爽やかさがギャップ。なかなかない感覚で、刺さる人にはぶっ刺さる痛さがあるけど、何回も読んで浸りたい。...続きを読む
  • 二木先生
    自分が一生隠し続けたいこと、は絶対誰にでもあると思う。自分と死ぬまで一緒に添い遂げる自分は、愛したい。
    同調圧力、普通、当たり前
    これらの言葉の意味を、深くもう一度考えた。

    「正欲」を読んだ後だったので尚考えさせられた。
    うまく感想を書けないのが悔しい。

    すごく日本語力のある人が書いてるような気...続きを読む
  • 二木先生
    人と違う感性を認めてほしいけど、それは一体何なのか。
    感性を活かした何かになるには積み上げる必要がある。
    見せるものが何もないのに、認めてくれは変なこと。?

    自分は、この地球で快適に生きたいくせに、自分自身のままでいたいのだ。
    地球人になる

    自分を殺すか
    むき出しで生きるか
    「自分の大事な部分を...続きを読む
  • 二木先生
    『ロリコン』と聞いただけで拒否反応が起こる。反射のようなもので、深く考えるまでもなくタブーという認識だ。
    ただ、二木の話を聞いているうちに「確かに冷静に考えれば何も悪いことではないのかもしれない」とも思った。
    多様性が叫ばれる世の中で、小児性愛はその対象に入っていないだろう。その願いが成就して行き着...続きを読む
  • ニキ
    「広一は気が付けば手を挙げていた。内心の激しさとは裏腹に、少し肘ひじを曲げた遠慮がちな挙手だった。」
    この文に作者の才能の全てが込められていると言っても過言ではない。文字にすればほとんど変わらない2つのシーン。しかし、そこに至るまでの過程、内心の激しさの理由、そして誰の名誉のために手を挙げるのか。
    ...続きを読む
  • ニキ
    “変人”や“奇人”に分類される大人は、大抵の場合”普通の人”のフリをして世間をうまく渡る術を会得しているが、子どもは”普通の人”になるために”普通”を勉強している最中である。そんな”変人”である大人と子供が対等に向き合う話。

    二木も広一も、実生活で周りにいない特殊なタイプだから、一挙手一投足に意識...続きを読む
  • ニキ
    どんなことにおいても、自分がたまたま多数派であるおかげで余計なことを考えずに済んでいることが幸せなのか、不幸なのか、わからないけど、頭から切り捨てることはしないように気をつけて生きたいなと思いました。
  • ニキ
    先生は確かにインモラルで許されないものを抱えていたけれど、それと同時にクローゼットのバケモノに一番苦しめられていた人だったと思う。
    どうしても彼の罪を責められる気持ちになるどころか、最後は先生が登場人物の中で一番好きになった。
  • ニキ
    人とうまくコミュニケーションがとれない
    高校生と
    小児性愛者という秘密をもつ教師とのバトル。
    これはホラーなのか?
    人間同士の成長ドラマなのか?
    はたまた敵か味方か、悪か正義か?
    その不安定な揺れに
    どんどん物語にひきこまれる。
    最後は
    クラス全体を巻き込んでのコメディや
    立場を越えた友情のようなも...続きを読む
  • 二木先生
    今まで読んだ本の中で一番刺さった。中盤は自分が求めてたような本じゃないのかなって思ったりもしたけど、終盤は主人公を自分に重ねて苦しんだり学んだりできた。メッセージ性も素晴らしく本当に読んでよかった。
  • 二木先生
    マイノリティーの生きづらさを思い、胸が痛くなった。マイノリティー側の主人公・田井中、二木先生、マジョリティ側代表の吉田に対し共感できる・できないは別にして、それぞれの主張に論理があって、皆(たぶん吉田も)何かに苦しんでる、でも何とか社会に適応して生きていこうともがいてるところに切実さを感じた。
  • 二木先生

    結末に至るまで、相当主人公に対して
    胸がムカムカしてかなり苛立ちました。

    でも、後半にかけて徐々に変わっていく
    主人公にだんだんと感情がついてきて
    ラストでひっくり返された印象です。

    もし仮に『流浪の月』や『正欲』よりも先に
    この本を読んでいたら、大多数の人と違う
    少数派の部分を自覚しながら...続きを読む
  • 二木先生
    趣味、嗜好、性質
    人とちがうことが生きづらさにつながる

    人とちがうことなんて当たり前だし、同じならロボットでしょ、、、
    と思う反面、日本人は横並びで安心するところがあるから個性を受け入れにくいんだろうなと思う

    今回主に登場するのは高校生だから、むしろ今のうちにそういうことに気づいて偏見だけじゃな...続きを読む
  • 二木先生
    普通ではない教師と普通ではない生徒の、友情とも師弟関係とも言えない対話を描いた作品。主人公に共感できるかできないか、もっと言えば自分をある程度普通ではないと思っているかどうか、評価はわかれる本だと思う。
    ていうか、「普通」じゃないっていうのはそんなに悪いことなんですかね。