夏木志朋のレビュー一覧

  • Nの逸脱

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    2025年・第173回直木三十五賞候補作となった本作。デビュー2作目にしてこの作品群というのは印象的です。三編から成る中短編集。

    どの作品もストーリー展開に捻りがあります。

    タイトルの「N」に主題を求めたくなりますが、三作目まで読むと、ゆるやかな連作性があり、噂されている隣人かなと思いますが、「Normal」の逸脱としたい気持ちがあります。

    「場違いな客」
    “僕の夢のジェネリック”という表現が秀逸。ジェネリックという語の肯定性が、そのまま違和感を薄めて 日常に非日常が滑り込む。やがて何事もなかったかのように日常へ回帰する運びも含め、いわゆるイヤミスを想定させながら外してくる展開が貴重。

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    2026年03月21日
  • Nの逸脱

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    3話がそれぞれの日常の中にちょっとの逸脱を描かれているように一見そう見えます。

    最後読み終わり、変わった行動をする登場人物を追っていくと、なんとなく自分もそういうことあるなと感じるところもあり、自分も変わっているようにも思ってきます。

    犯罪行為とはあくまでも人間社会が作り出した虚構に過ぎず、人に迷惑をかけないためにあるものであって、その紙一重な悪いことは、やはり人間みな考えろこともあるのではと感じます。

    笑ってしまうところもあるんだけど、でもなんか、みんな可哀想にも見えて、寂しく、孤独でなんとも後味悪く、いつまでも残りそうなお話しですね。

    経験が浅いからといって、アツシをいじめないでほ

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    2026年03月18日
  • 二木先生

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    ポインティのおすすめ。

    色々感想はあるけどまず、二木先生レスバが強過ぎる。
    自分が不利な立場でも、瞬発的に的を得た発言切り返せる能力が普通に羨ましい。

    セクシャルマイノリティに関しての考え方もなるほど納得。
    最後の美術室のシーン、生まれ持った性質とうまく付き合って生きている人を吊し上げて晒して集団で叩くのは、現代のSNSに似ている。
    自分が多数派であることに一種の愉悦を感じるのだろうなと思う。
    日本人に大切なのは程よい他者への無関心と、話の中でも言ってたけど自分のことを好きになることだなぁとか思ったりした。

    表紙からホラーっぽい話かと思いきや中盤から青春展開になりいい意味で裏切られた。

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    2026年03月15日
  • Nの逸脱

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    怖かった……。笑。
    ずっとちょっとずれているような、どれも気味の悪いお話でした。
    でも一気読みできました。場違いな客は意外と爽やかさが残る感じでした。
    「一番退屈なのは人が見た夢の話」はめっちゃわかる!と思いました。
    「変態の考えることは飛躍していてよくわからない」も好きでした。

    占い師Bはぞっとする感じで、怖かったですが嫌いではなかったです。

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    2026年03月12日
  • Nの逸脱

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    ネタバレ

    Nとはノーマルを示すとのこと。3編の短編が収録されている。「場違いな客」では、ペットショップでトカゲの命を救うためにお金を用意しようとした男の行動は常軌を逸脱したものだが、ターゲットとなった男はそれ以上の逸脱者だった。「スタンドプレイ」のストーカー&体罰先生の行動も大概のものだ。そして「占い師B」に登場する占い師とその弟子の女性との関係も普通ではない。そしてこの3作品は薄い関連がある。この関連を世間と考えるなら、ノーマルを逸脱した世界は案外身近に存在するのかもしれない。死を特別視しない人々が隣にいるのかと思ったら、結構怖い。

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    2026年03月10日
  • 二木先生

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    変わり者で周りと馴染めない高校生・広一と、誰にも言えない秘密を抱えた担任・二木先生。不穏な感じで始まった2人の攻防戦だったけど、独特なやり取りが笑えたり、徐々に絶妙な絆が芽生えていく過程がよかった。
    いわゆる"多様性"にも関わってくるようなストーリーで、生きにくさを抱えた2人の在り方という重みのあるテーマがありながらも、軽快な文章で読みやすい。
    夏木志朋さんは初読みだったけど、終始淡々と描くような文体が新鮮だったのと、要所要所で出てくるロジカルな台詞が面白かった。

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    2026年03月08日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    一時期本屋でよく見かけた今作品。
    唐突に気になったので読んでみた。
    主人公の田井中は、普段から自分が周りの人間とどこか”ズレて”いて、自分が普通の人間ではないことに日々生きにくさを感じています。
    ある日万引きで捕まった田井中は、迎えに来た担任教師の二木にのみ、その事実を知られてしまいます。
    その事実を周りの人間に明るみにされることを恐れた田井中は、二木先生が同人誌成年漫画の筆者であり、小児性愛者であることを知っていることをもって、二木に宣戦布告をします。

    •二木は普段の言動や行動からは全くわからないくらい周りに溶け込む術を知っていて、”普通ではない”自分を大事にしながらも社会で生きている人達

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    2026年03月04日
  • 二木先生

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    思春期あるあるが詰め込まれた作品。主人公の感情に共感する場面が多々ありました。中学生のうちに読みたかった!!

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    2026年03月02日
  • 二木先生

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    超ライトな文体なのですらすら読めていい。
    序盤、もうしんどくて何度か本を閉じた。多分平気な人は平気。思春期の自意識が痛々しくて生々しくて目を逸らしたい、というような感じ。
    広一のことはずっとあんまり好きじゃないんだけど、まあそういう生々しさがあるぶん許せるというかその辺にいる他人として内面を許容できる。
    主人公として心情を描写されてもなお、ほなしゃーないかぁと寄り添えきれないところに、リアルな広一そのものを感じてとてもよかった。
    そんな広一を通してでしか二木を見ていないので、本当の二木というのは最後まで掴みきれなかった感はある。
    居酒屋で上司の愚痴を聞いても、それお前にも非があるんじゃね?って

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    2026年02月12日
  • 二木先生

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    それぞれタイプは違えど、世間から変わり者としてカテゴライズされる2人が、いわるゆ"普通"と呼ばれる人達に混ざって生きていくお話。
    快適に生きるために自分を全て殺して生きるか、周りからの印象は気にせず自分を全面に出して生きるかの2択しかない田井中(生徒)と、変わっている部分を上手く隠しながら生きる二木(先生)の対比構造がとてもよかった。

    アインシュタインの言葉の引用で、『木登りの上手さで魚を測ったら、魚は自分を無能だと思って、一生を終える』と出てきたけど、人はそれぞれ得意分野があるし、そしてその才能を輝かせる環境にきちんと自分が置かれてるかどうかに気付けるかが大事だなあと思

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    2026年02月04日
  • Nの逸脱

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    初読みの作家。昨年の直木賞候補作。短編が3作で、そのうち「スタンドプレイ」に既読感。奥付け見ても初出は読んだことがない本。読み終わって作家を調べていたら、「オール讀物」の直木賞編で2回に亘って掲載されていた。記憶が微かに有り、ほっと一安心。
    3作とも普通(N?)では無い内容。イヤミスのような筋。
    「場違いな客」
    爬虫類の店でバイトする主人公。処分されるトカゲを救おうと、店に来た客の家に強盗に入り、逆に捕まる。この客は死んだ人間を解体する夢を見続けていることから、主人公も絶対解体されると思ったら、、? 想定外の展開。客の職業も驚き。
    「スタンドプレイ」
    知恵遅れの夫婦から生まれた主人公。医者を目

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    2026年02月01日
  • 二木先生

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    多様性とは言うが、「普通」ではない人と対峙するとどうしてもこの人は普通ではないと心のどこかでレッテルを貼っている。
    わかっていたけどそんな自分が見てみぬふりをしている部分を突きつけられたような気がした。

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    2026年01月02日
  • Nの逸脱

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    何気ない日常からいつの間にか逸脱してしまう人々。
    なんとなく気持ちは分かるがそこまでするか…という物語は、小説ならではの世界で楽しめる。

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    2025年12月21日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    立場的に主人公の田井中に感情移入がしやすかった。
    誰しもが、自分は周りとは違って少し変なのかもと感じたことがあると思う。
    自分自身が高2という主人公と同じ年齢で、より感情移入しやすい環境であることも関係しているとは思うが、彼に対するいじりがいじめに発展した結果として二木先生のプライベート部分の露呈、それを彼が庇うことに心を痛めた。
    二木先生の露呈を助長したのも、望んでいたのも彼自身なはずなのになぜ彼が庇うのか、仲良くする展開を取ったのかの理解に苦しみ、結果として途中までは楽しく読めたのに後味の悪い内容でした。

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    2025年12月10日
  • 二木先生

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    面白かった!
    普通じゃないと言われ続けてきた主人公ととある秘密を持つ教師のやりとりがスリリングがあった。
    心理戦ってハラハラするから面白い!
    自分を保ちつつ大多数の人と同じように生きようと必死に頑張る主人公の成長をちょっと感じて良かった。
    色々予想外に進むからびっくりした。

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    2025年12月04日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    二木先生の秘密を巡って田井中と先生がどう立ち回っていくのか・・・と思いながら読んでいたら予想外の方向に話が進み面白かった。結局、田井中には人と違った才能がある(と思われる)し、二木先生の性癖は性癖だしで、普通ではない者同士の話ではある。ただ、自分を好きになる、というメッセージは普通の人・普通でない人の双方に向けたもので、私のような普通の読者も置いてきぼりにされない結末となっていて読んでいて気持ちが良かった。

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    2025年11月24日
  • Nの逸脱

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    ネタバレ

    いずれも狂気な一面を持った主人公の短編3作
    いずれもとても面白かった
    ペットショップでアルバイトをしている主人公は、客の日常に踏み込んでしまい奇妙な体験をする
    生徒からのいじめに悩む女性教師は、満員電車で隣り合った女性に固執するあまり、犯罪じみた行動を取る
    占いの女性は風変わりな見習い占い師と命の駆け引きを行う
    いずれも狂気じみた主人公達だがある意味人間らしい一面を持っている
    意外に近くに潜んでいる人たちかもしれない

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    2025年10月27日
  • Nの逸脱

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    もはや犯罪なんだけど、なんだかうまい具合に落ち着くというか、ハッピーエンドというか、不思議なおもしろさ。
    こんなふうに日常から逸脱しても、なんとなく日常に戻ってこれる感じはいいな。
    なんだか気が楽になる。

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    2025年10月20日
  • Nの逸脱

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    ネタバレ

    おもしろかった。

    2話目、3話目は特におもしろくあっという間に読んでしまったよ

    性悪ガキを殴ったとか、暴力はいけないという風潮の中で教職が理不尽を許さなかったことは、まさに痛快。

    やっぱり占いとか胡散臭い。でも洞察力はものすごくいい。人の顔色を見極めないと生きていけない、そんな過去を歩んできたからって、説得力ありました。

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    2025年10月16日
  • ゲーム実況者AKILA

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    『ヲチ』がすごく面白かった。「人と遊ぶことができない」という悩みが、自分も同じようなことを考えていたので、ああ分かるなぁと思いながら読んだ。こういう、あんま人に共感してもらえず、言語化も難しい悩みを描くのがすごく上手いなと思う。

    『二木先生』もそうだけど、一般的には歪に見えても本人たちにとっては前に進んでいくようなラストで好きです!

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    2025年10月15日