夏木志朋のレビュー一覧

  • ニキ

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    ネタバレ

    人とうまくコミュニケーションがとれない
    高校生と
    小児性愛者という秘密をもつ教師とのバトル。
    これはホラーなのか?
    人間同士の成長ドラマなのか?
    はたまた敵か味方か、悪か正義か?
    その不安定な揺れに
    どんどん物語にひきこまれる。
    最後は
    クラス全体を巻き込んでのコメディや
    立場を越えた友情のようなものもあり
    「爽快青春小説」とか
    一言ではあらわせない複雑な面白さがあった。

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    2020年10月10日
  • Nの逸脱

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    第173回直木賞候補作。今更読みましたが、とても面白かったです。
    3編の中短編が収録されています。
    どの話も、どんな結末になるのか全く予想がつかずハラハラしながら読みました。
    冒頭から不穏な気配がビンビンに漂っていて、登場人物は日常を逸脱していきます。ホラーか怪談のような結末に至ると思いきや…意外な結末が待ち受けていてびっくりしました。

    登場人物の置かれたヒリヒリした日常感の描写がお上手で、そこに引き込まれました。
    例えば、1話目の『場違いな客』では、エキゾチックアニマル専門のペットショップで働く主人公はまだ20歳なのですが、子どもの頃父親が出ていき母親も亡くなって一人暮らしをしているという

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    2026年04月30日
  • 二木先生

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    田井中の気持ちがよく分かる。
    自分のことを上にして見ないと心が持たない気持ち。自信がないから、自分より優れている人間がいると、その人に嫉妬とか劣等感を覚えちゃう。
    その人の粗探しをして、自分の方が優れてたら安心するんだよね。性格ヤバいと思うけど、自分の心を守るためには方法がこれしかない人もいると思う。

    褒める時に「〜みたい!」っていう人いるよね。
    作品に似てるって言いたい訳じゃなくて、自分の中にある良いと思った作品と同じ分類にして「それみたいにすごい!」って言いたいんだと思うけど、自分の気持ちをそのまま言語化できないからコピペして話すんだろうなとは思ってる。
    まあ自分にもブーメランですけどね

    0
    2026年04月28日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    教師としては決して許されない性的志向を持ちながらそれを巧みに隠して過ごす二木先生と、「普通」になりたいとずっと願いながらも周りから浮いてしまっている高校生の田井中の物語。

    終盤、二木先生の性癖が生徒たちにばれ、生徒から糾弾されることとなるが、彼らが糾弾する根拠となる「普通」も「許されない」ことも時代、国、帰属する集団によって全く異なるのに、高校生の時点で既に生徒たちが強固に「普通」と主張するものを持つに至るのは何故なのだろう、と改めて「多様性」ばやりの昨今の風潮と共に考えさせられた。

    戦国時代には人殺しも10代での婚姻や男女差別も何ら珍しいことではなかった一方、現代では普通のことになりつつ

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    2026年04月18日
  • 二木先生

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    表紙のイラストレーターNayさんのファンで最初は購入。

    高校美術教師でロリコン同人誌漫画家の二木先生。かたやシンマと暮らすアルペルガー高校生。途中、イジメのシーンが主人公の心理描写が繊細な分読んでてかなり苦しい。吉田を殺したくなる。話しの展開が全く読めず、早く読み終わりたくて最近はよくトイレにこもっていた。クラスや友人グループなどで一度は自分の存在に違和感を感じたことのある人であれば、かなり興味深く読めるかも。あと、最初は鼻につく二木先生も最後には彼を攻撃する社会科から護ってあげたくなってしまう。気持ちになってしまった。

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    2026年04月18日
  • Nの逸脱

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    ネタバレ

    ・場違いな客
    ・スタンドプレイ
    ・占い師B

     どれも面白かったですが、一番は「場違いな客」でしたね。爬虫類ペットショップの話でしたが、爬虫類ペットは哺乳類ペットに比べて設備や環境づくりにお金がかかって大変であると自分は思いました。同時にペットを容易に飼えることはできないと改めて感じました。
     印象に残ったセリフがあります。1話目の「すべての人間は父親から認められたがっている」、2話目の「わざわざ加害に出て嫌いな人間のために自ら不利益を被る」が印象に残りました。

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    2026年03月27日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    自身を普通でないと思っている生徒と、普通の皮を被った二木先生の駆け引きが見どころ。

    万引きと性癖、互いに弱みを握り合い、秘密をバラすと脅された二木先生がしぶしぶ生徒の作品を評価するという関係が奇妙で面白い。

    ラスト、秘密がクラスにバレた二木先生をとっさに庇い、土下座した先生と見つめ合う場面はシュールなのはもちろん、これまでの2人の関係が全て詰まっていて最高だった。

    散々な目には遭ったけど、秘密がバレた者同士通じ合っているように思えたからか、読後感は非常に爽やかでした。

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    2026年03月30日
  • 二木先生

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    ー何も積み上げてきていないと二木に言われた。
    何かを目指すかどうかはともかく、それは事実だった。どうして今まで気付かなかったのだろう。自分の何かを認めてもらうには、当たり前だが何かをしなければならなかったのだ。

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    2026年03月23日
  • Nの逸脱

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    2025年・第173回直木三十五賞候補作となった本作。デビュー2作目にしてこの作品群というのは印象的です。三編から成る中短編集。

    どの作品もストーリー展開に捻りがあります。

    タイトルの「N」に主題を求めたくなりますが、三作目まで読むと、ゆるやかな連作性があり、噂されている隣人かなと思いますが、「Normal」の逸脱としたい気持ちがあります。

    「場違いな客」
    “僕の夢のジェネリック”という表現が秀逸。ジェネリックという語の肯定性が、そのまま違和感を薄めて 日常に非日常が滑り込む。やがて何事もなかったかのように日常へ回帰する運びも含め、いわゆるイヤミスを想定させながら外してくる展開が貴重。

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    2026年03月21日
  • Nの逸脱

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    3話がそれぞれの日常の中にちょっとの逸脱を描かれているように一見そう見えます。

    最後読み終わり、変わった行動をする登場人物を追っていくと、なんとなく自分もそういうことあるなと感じるところもあり、自分も変わっているようにも思ってきます。

    犯罪行為とはあくまでも人間社会が作り出した虚構に過ぎず、人に迷惑をかけないためにあるものであって、その紙一重な悪いことは、やはり人間みな考えろこともあるのではと感じます。

    笑ってしまうところもあるんだけど、でもなんか、みんな可哀想にも見えて、寂しく、孤独でなんとも後味悪く、いつまでも残りそうなお話しですね。

    経験が浅いからといって、アツシをいじめないでほ

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    2026年03月18日
  • 二木先生

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    ポインティのおすすめ。

    色々感想はあるけどまず、二木先生レスバが強過ぎる。
    自分が不利な立場でも、瞬発的に的を得た発言切り返せる能力が普通に羨ましい。

    セクシャルマイノリティに関しての考え方もなるほど納得。
    最後の美術室のシーン、生まれ持った性質とうまく付き合って生きている人を吊し上げて晒して集団で叩くのは、現代のSNSに似ている。
    自分が多数派であることに一種の愉悦を感じるのだろうなと思う。
    日本人に大切なのは程よい他者への無関心と、話の中でも言ってたけど自分のことを好きになることだなぁとか思ったりした。

    表紙からホラーっぽい話かと思いきや中盤から青春展開になりいい意味で裏切られた。

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    2026年03月15日
  • Nの逸脱

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    怖かった……。笑。
    ずっとちょっとずれているような、どれも気味の悪いお話でした。
    でも一気読みできました。場違いな客は意外と爽やかさが残る感じでした。
    「一番退屈なのは人が見た夢の話」はめっちゃわかる!と思いました。
    「変態の考えることは飛躍していてよくわからない」も好きでした。

    占い師Bはぞっとする感じで、怖かったですが嫌いではなかったです。

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    2026年03月12日
  • Nの逸脱

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    ネタバレ

    Nとはノーマルを示すとのこと。3編の短編が収録されている。「場違いな客」では、ペットショップでトカゲの命を救うためにお金を用意しようとした男の行動は常軌を逸脱したものだが、ターゲットとなった男はそれ以上の逸脱者だった。「スタンドプレイ」のストーカー&体罰先生の行動も大概のものだ。そして「占い師B」に登場する占い師とその弟子の女性との関係も普通ではない。そしてこの3作品は薄い関連がある。この関連を世間と考えるなら、ノーマルを逸脱した世界は案外身近に存在するのかもしれない。死を特別視しない人々が隣にいるのかと思ったら、結構怖い。

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    2026年03月10日
  • 二木先生

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    変わり者で周りと馴染めない高校生・広一と、誰にも言えない秘密を抱えた担任・二木先生。不穏な感じで始まった2人の攻防戦だったけど、独特なやり取りが笑えたり、徐々に絶妙な絆が芽生えていく過程がよかった。
    いわゆる"多様性"にも関わってくるようなストーリーで、生きにくさを抱えた2人の在り方という重みのあるテーマがありながらも、軽快な文章で読みやすい。
    夏木志朋さんは初読みだったけど、終始淡々と描くような文体が新鮮だったのと、要所要所で出てくるロジカルな台詞が面白かった。

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    2026年03月08日
  • 二木先生

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    ネタバレ

    一時期本屋でよく見かけた今作品。
    唐突に気になったので読んでみた。
    主人公の田井中は、普段から自分が周りの人間とどこか”ズレて”いて、自分が普通の人間ではないことに日々生きにくさを感じています。
    ある日万引きで捕まった田井中は、迎えに来た担任教師の二木にのみ、その事実を知られてしまいます。
    その事実を周りの人間に明るみにされることを恐れた田井中は、二木先生が同人誌成年漫画の筆者であり、小児性愛者であることを知っていることをもって、二木に宣戦布告をします。

    •二木は普段の言動や行動からは全くわからないくらい周りに溶け込む術を知っていて、”普通ではない”自分を大事にしながらも社会で生きている人達

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    2026年03月04日
  • 二木先生

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    思春期あるあるが詰め込まれた作品。主人公の感情に共感する場面が多々ありました。中学生のうちに読みたかった!!

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    2026年03月02日
  • 二木先生

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    超ライトな文体なのですらすら読めていい。
    序盤、もうしんどくて何度か本を閉じた。多分平気な人は平気。思春期の自意識が痛々しくて生々しくて目を逸らしたい、というような感じ。
    広一のことはずっとあんまり好きじゃないんだけど、まあそういう生々しさがあるぶん許せるというかその辺にいる他人として内面を許容できる。
    主人公として心情を描写されてもなお、ほなしゃーないかぁと寄り添えきれないところに、リアルな広一そのものを感じてとてもよかった。
    そんな広一を通してでしか二木を見ていないので、本当の二木というのは最後まで掴みきれなかった感はある。
    居酒屋で上司の愚痴を聞いても、それお前にも非があるんじゃね?って

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    2026年02月12日
  • 二木先生

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    それぞれタイプは違えど、世間から変わり者としてカテゴライズされる2人が、いわるゆ"普通"と呼ばれる人達に混ざって生きていくお話。
    快適に生きるために自分を全て殺して生きるか、周りからの印象は気にせず自分を全面に出して生きるかの2択しかない田井中(生徒)と、変わっている部分を上手く隠しながら生きる二木(先生)の対比構造がとてもよかった。

    アインシュタインの言葉の引用で、『木登りの上手さで魚を測ったら、魚は自分を無能だと思って、一生を終える』と出てきたけど、人はそれぞれ得意分野があるし、そしてその才能を輝かせる環境にきちんと自分が置かれてるかどうかに気付けるかが大事だなあと思

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    2026年02月04日
  • Nの逸脱

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    初読みの作家。昨年の直木賞候補作。短編が3作で、そのうち「スタンドプレイ」に既読感。奥付け見ても初出は読んだことがない本。読み終わって作家を調べていたら、「オール讀物」の直木賞編で2回に亘って掲載されていた。記憶が微かに有り、ほっと一安心。
    3作とも普通(N?)では無い内容。イヤミスのような筋。
    「場違いな客」
    爬虫類の店でバイトする主人公。処分されるトカゲを救おうと、店に来た客の家に強盗に入り、逆に捕まる。この客は死んだ人間を解体する夢を見続けていることから、主人公も絶対解体されると思ったら、、? 想定外の展開。客の職業も驚き。
    「スタンドプレイ」
    知恵遅れの夫婦から生まれた主人公。医者を目

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    2026年02月01日
  • Nの逸脱

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    何気ない日常からいつの間にか逸脱してしまう人々。
    なんとなく気持ちは分かるがそこまでするか…という物語は、小説ならではの世界で楽しめる。

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    2025年12月21日