下倉亮一のレビュー一覧
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ネタバレうーん。
この前が良すぎたからの失速感。
ヨーナが帰ってきたのは想定内なんだけど、え、ちょっとやりすぎ…のはちゃめちゃが。作品が進むにつれてここまでボロボロになられると、読みながら心配になってしまう。
暗いサスペンスだからどこかで主人公には逃げ場としての暖かさや光、強さを期待しちゃうんだよね。本作ではまるで、止まり木のない長距離飛行を強いられた渡り鳥みたいな気持ちだった。辛くてもヨーナがそこにいなくて。いやね、いるんだけどなんかどうも信頼できない。きっとこの人が犯人を見つけるんだ、ってお約束はあるんだけど、あまりに暴力発砲略奪なんでもござれの問答無用で…
ヨーナのかわりのマルゴットが臨月で、え、まさかの?とかハラハラしたけど無事産まれてよかったと思いつつ、臨月の意味は?とか納得感がないんだなあ。サーガもちらっと出るだけで、うーん、誰にも安心して寄り添えないよ…
まあ最後のページのヨーナは、そうだろうね…なんだけど、え、このままアウトローで関わるのかな。できればまっとうに犯罪を解決してもらいたかったが…さあどうなるんだろう。
ちなみに翻訳?校正?があまりいけてない気もするんだけど。ヨーナとエリックのセリフが違ってたり誤字があったり。諸々踏まえてこのシリーズでは1番辛い評価にて。 -
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良質なミステリーを輩出するスウェーデンミステリー界に新たなる傑作シリーズが、誕生しました。
それが、国家警察殺人捜査課ヴァネッサ・フランク警部を主人公とする今作です。
まず、登場人物が良いです。主人公のヴァネッサを始めとして、クライマックスで大活躍するニコラス、ニコラスの隣人の少女セリーネ、記者のジャスミナと皆、芯を持った人物として描かれています。ヴァネッサとニコラス、ニコラスとセリーネのそれぞれの関係性が非常に良く、上手く丁寧に描かれています。そして、ボリエとエーヴァの悲しい物語も有ります。
最初は、各登場人物の短いシーンが続き、話がどのように繋がって行くのか見えないかもしれませんが、全貌が明らかになるにつれ、読書のスピードが上がります。そして、クライマックスに繋がるスタジアムへ向かうシーン以降は、ページを捲る手が止まらなくなります。かなり劇画的です。映像映えするのではとも思います。
☆4.7今作は、シリーズ2作目です。 -
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小児性愛者の会合に潜入するためホフマンはアメリカへ向かう。グレーンス警部は世界8カ国の警察と共に、ホフマンからの連絡を待っていた。だが、犯罪組織リーダーの狡猾な罠にはまり素性を暴かれてしまった。ホフマンは薬をもられ、身体の自由を奪われてしまう。果たしてホフマンは、一斉逮捕の時間までに、リーダーの正体を暴くことができるのか。そして、最後にグレーンスがたどり着いた驚愕の真実とは。
テーマがテーマなだけに、えぐい描写があるかと覚悟していたが、節度が保たれていて一安心。
しかし、この分量で上下巻合わせて3,000円プラス消費税。10年前の2倍ぐらいか。お財布には優しくない。いろいろな要因があると思うが、購入する本をよく選ばないと。 -
購入済み
筆者はスウェーデンの医師とのこと、そのためか、アメリカ発の本とは違う視点からのアドバイスを得られた。
次々と現れる「新しい研究結果」「これがいい」「それはだめ」「習慣づけよう」の数々…その延長線上の「正解」「決定版」であるかのようなタイトルではあるが、内容は少し違う。
何が太らせるのか、どうすれば瘦せられるのか? 「何が正解なのか」と追い求めて悩んできた人ほど、「そういえば自分はそもそもどうなりたいのだっけ?」という根本に立ち返って考え直すきっかけになると思います。 -
Posted by ブクログ
普通小説の作家二人が別名義で書いているこのシリーズは、毎回、そうとはとても思えぬほど、娯楽味に溢れている。キワモノすれすれの残酷さ。展開の奇抜さ。登場人物たちの個性の強さ。何もかもが通常のミステリー以上に過激なのは、彼らが普通小説作家だからなのかもしれない。ブレーキのないスポーツカーのようにこのシリーズは、よく走る。
現在スウェーデンで最も売れているクライム作家なんだそうである。これだけページターナー作品が連続するところ見れば、それも当然という気がする。このヨーナ・リンナ刑事のシリーズは8作完結らしいが、『催眠』『契約』『交霊』の最初の三作はハヤカワミステリー文庫にて出版後、現在絶版状態となっている。
シリーズものの翻訳版権は、3作セットで買うことが通例だそうである。4作目からの版権は、売れ行き判断で窺ってゆくらしい。早川書房はこのシリーズは3作だけで売れ行きがきっと芳しくなかったのだろう、NG判断をしたわけである。
次の3作の版権を取った扶桑社が久々に4作目の『砂男』を出したところ、そこそこの手ごたえがあったのだろう。過去のハヤカワ文庫作品も、一気に中古価格が値上がりした次第。翻訳ミステリーには賞味期限があり、またそのタイミングと時代の読みが必要なのだろう。過去3作は日本ニーズが高まり切っていない時期に出され、十分な評価を得られなかったのだろう。ぼくは1作目の『催眠』と4作目の『砂男』と読んでいる。途中の過去作2作を未読のまま、敢えてこのシリーズを進めているが、何だかとても少し悲しい状況である。
さて気を取り直して本書では、シリーズ主人公のヨーナ・リンナは、ますます世捨て人となり、警察を辞めてなお、無資格の一匹狼捜査を続けざるを得ない運命に引きずり込まれてゆく。犯罪者もクレイジーだが、それに輪をかけてクレイジーな男が主役を取る、というところが嬉しい本シリーズである。
本書では、『催眠』の事実上の主人公でもあるエリック・マリア・バルクが、ヨーナとダブル主人公をこなしてゆく。催眠により、ある重要キャラクターの壊れた過去記憶から情報を引き出すという役割、と見えたが、実は彼の本書のストーリーへの関わりは、本人さえ気づけないほど、ずっと深い。その辺りが本書最大の醍醐味なのである。
プロットは凄まじく、サイコ・サスペンスとアクションとミステリー、いやスプラッタやホラーもかな? ともかく多面的なエンターテインメントに徹しており、終盤のどんでん返しや、カタストロフに近いクライマックスは、前作を凌ぐかに見える。
エリックの盲目のピアノ教師ジャッキーとその華憐な娘アデレーンが、本書のヒューマンで心に響く部分を請け負うが、彼女らを守る立場に追いつめられるエリックの行動も、ヨーナともどもダイナミックこの上ない。北欧ミステリーならではの面白さをしっかり継承している本シリーズ、やはり過去作の再販が望まれる。さあ、どうでしょう、ハヤカワさん!