桜田千尋のレビュー一覧
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cocktail(カクテル)にmock(見せかけの)をかけて、モクテル。イギリスのバーで生まれた造語で、ノンアルコール・カクテルのことだそうです。
隠れ家的な小さなモクテル・バーには、お酒を嗜むか否かに関わらず、楽しく飲めるよう、思いを汲んで必要なものを作ってくれる安心感があるのでした。
内容は3話からなる連作短編集で、第1話の主人公・酒匂ミチルとモクテル・バーとの出会いから魅力全開です。下戸のミチルのコミカルさが愉快で、更にモクテルの奥深さに想像を掻き立てられながら読み進められました。
3話の内容が少しずつ重なり、マスターの出自も明かされますが、設定・展開も絶妙と思います。
『孤独 -
Posted by ブクログ
ネタバレ藤丸物産の社食で働く杏子は、上京に反対だった両親との約束で28迄に結婚しないと郷里に戻って見合いする事を言い渡されていた。そんな杏子は2ヶ月前にエレベーターでぶつかった時に優しくしてくれた男性を探す事に。コンタクトが外れて顔は解らないが「藤」の字が入っている男性で…
社食がテーマなので、出てくる料理はどれも美味しそう。
ナポリタンの話はお互いもう少し踏み込めたらと思うけど、結婚となるとそう簡単ではなかった様で切なかったけど、素敵な思い出ですね。
「藤の君」の正体は割と最初から気づきましたが、渚が社長の息子だったとは。それと、渚の杏子への態度がまだハッキリしていないので続編あるのか期待 -
Posted by ブクログ
仕事か結婚か、どちらかを選ばなくてはと思い悩む広告代理勤務の聡美。母親の再婚を受け入れられず、自分を責めていた派遣社員の小雪。実の父親と疎遠になってしまった専業主婦の純子。それぞれ過去に思うところがあり、その思い出は本人が気付かぬうちに歪になってしまっている。そんな彼女たちが『満月珈琲店』を訪れることで、自分の本当の願いに気づくことができる。自分のことを分かっているようでいて、実は漠然としていたり、突き詰めると本質は少し違っていたり、意外と本当の願いを見失いがちだと気付かされる。自分の心の本音と向き合い、整理することで本当に望むことが見えてくる。その結果『叶う力』によって願いが現実となるのだ。